ホスト クラスタの過剰コミット状態について

こんにちは。Windows テクノロジー サポートの田辺です。

今回は SCVMM 2008 R2 (System Center Virtual Machine Manager 2008 R2) で、頻繁にいただく質問についてご紹介させていただきます。

 

SCVMM 2008 R2 を使用してライブ マイグレーション構成を構築しているホスト クラスタを管理している際に、管理コンソール上のホスト クラスタ名のところに 「!」 が表示される場合があります。

通常は、どちらかのノードがメンテナンス モードになっていたり、通信が遮断されているなどで管理ができなくなっているような場合に表示されますが、そうでない場合には、それはクラスタが "過剰コミット" の状態となっている可能性が考えられます。

 

“過剰コミット“ と “ノード障害” の数に関しては、以下のサイトでも紹介させていただいておりますので、併せてご参照下さい。

高可用性の計画

http://technet.microsoft.com/ja-jp/library/cc764243.aspx

 

 

 

 

 

 

SCVMM 2008 R2 では、必要に応じて、各ホスト クラスタにクラスタ予約を構成して、ホスト クラスタで展開したすべてのバーチャル マシンをサポートしながら、クラスタが維持できるノード障害の数を指定することができます。予約数の変更や状態の確認は、クラスタ ホストのプロパティで行います。

 

 

 

 

 

 

ホスト クラスタが指定されたノード障害の数に耐えられず、すべてのバーチャル マシンを実行させ続ける場合には、クラスタは "過剰コミット" 状態になり、バーチャル マシンを配置している間ホストの評価が 0 になります。

 

たとえば、8 ノード構成のクラスタに対してクラスタ予約 (ノード障害数) を 2 と指定すると、次のようにルールが適用されます。ここで言うクラスタ予約とは、障害となっても仮想マシンの動作に影響がないノード数です。

 

・ クラスタ内の全 8 ノードが稼動状態にある場合は、クラスタ内の任意の組み合わせの 6 ノード (8-2) が既存のバーチャル マシンに対応できなくなったとき、このホストクラスタは "過剰コミット" とマークされます。

・ クラスタ内の 5 ノードだけが稼動状態にある場合は、クラスタ内の任意の組み合わせの 3 ノード (5-2) が既存のバーチャル マシンに対応できなくなったとき、このホストクラスタは "過剰コミット" とマークされます。

 

ですので、2 ノード構成のクラスタの場合で、クラスタ予約は最大で 1 となりますが、この場合には 1 ノード上でバーチャル マシンをすべて起動できるように構成する必要があります。

 

ここで注意をしなければいけないのが、バーチャル マシンに割り当てているメモリ量です。

 

すべてのバーチャル マシンに割り当てているメモリ量の合計を稼動可能なホスト上でバーチャル マシン用に割り当てられているメモリ量の合計の範囲内で設定する必要があります。 この量を超えるメモリ量を必要とするバーチャルマシンが存在する場合には、“過剰コミット”状態となります。

 

具体的には、1つのノードが8 GB メモリを搭載している2 ノードのクラスタで 各ノードが6 GB までを割り当て可能としている場合には、すべてのバーチャル マシンのメモリ割り当て量の合計が6 GB 以内であれば、1つのノードが障害となっても、すべてのバーチャル マシンを稼動させることができます。しかし、この状態でも“過剰コミット“と表示される場合があります。

過剰コミットとなる場合のメモリ算出方法としては、メモリの割り当て量が各バーチャル マシンで異なっている場合、割り当て量が最大のバーチャル マシンを基準として算出します。

 

1 つのノードが8 GB メモリを搭載している 2 ノードのクラスタで 4 GB 割り当てられているバーチャル マシンが 1 台、1 GB 割り当てられているバーチャル マシンが 2 台あり、動作をしていたとします。

1 つのノードが障害になったとしても、1 台のサーバーで 6 GB 以上バーチャル マシンに割り当てる事ができる状態であれば、すべてのバーチャル マシンを動作させることが可能ではあります。

ですが、SCVMM の動作としては、ここで最大に割り当てられているメモリ量を基準として、必要なメモリ量が 4 GB x 3 (バーチャル マシン数) として算出されるため、過剰コミットと判断されます。

このクラスタ上で過剰コミットとせずに動作をさせるためには、最低でも割り当て可能なメモリ量が 12 GB なければいけません。

すべてのバーチャル マシンを 2 GB 割り当てた場合は、合計で同じ 6 GB となりますが、この場合には過剰コミットとはならないのです。

 

なので、SCVMM を使用してホスト クラスタの管理を行う場合には、バーチャル マシンに割り当てるメモリ量についても考慮して構成いただく必要があります。