Network Performance Monitor (NPM) で ExpressRoute 監視の一般提供を開始

執筆者: Abhave Sharma (Program Manager, Azure Infrastructure & Management)

このポストは、2018 年 2 月 15 日に投稿された ExpressRoute monitoring with Network Performance Monitor (NPM) is now generally available の翻訳です。

 

このたび、Network Performance Monitor (NPM) での ExpressRoute 監視機能の一般提供を開始しました。数か月前にはパブリック プレビューを発表 (英語) し、皆様から貴重なフィードバックをお寄せいただきました。ExpressRoute の監視機能の品質向上は今も取り組みが続けられており、その成果は皆様に随時お届けしていく予定です。今回の記事では、ExpressRoute の監視機能をいくつかご紹介します。その前に、Network Performance Monitor の ExpressRoute 監視機能の簡単な紹介ビデオ (英語) をご覧ください。

ExpressRoute 経由の Azure VNET 接続の監視

NPM では、ExpressRoute で接続されているオンプレミスのリソース (支社、データセンター、各オフィスなど) と Azure VNET の間のパケット損失やネットワーク レイテンシを監視します。アラートを設定しておくと、損失やレイテンシがしきい値に達したときに、通知を受け取ることができます。パフォーマンス データの数値や過去の傾向をほぼリアルタイムで表示できる以外にも、ネットワーク状態レコーダー (英語) を使用して、過去の時点の特定のネットワーク状態を表示し、見逃しやすい突発的な問題を調査することができます。

ExpressRoute 接続をエンドツーエンドで可視化

さまざまなコンポーネントで構成されている ExpressRoute 接続では、Azure ワークロードへの接続中に大きなレイテンシが発生した場合、ボトルネックの特定が非常に困難です。しかし、NPM のインタラクティブなトポロジ ビューを使用することで、トラブルシューティングに必要なエンドツーエンドの構成図を確認できるようになります。このビューでは、すべての構成要素、オンプレミス ネットワーク、回線プロバイダーのネットワーク境界、ExpressRoute 回線、マイクロソフトのネットワーク境界、Azure VM などを表示できるため、各ホップのレイテンシを把握して問題の箇所を特定するのに便利です。

以下のトポロジ ビューでは、左側の Azure VM が右側のオンプレミスの VM とプライマリおよびセカンダリの ExpressRoute で接続されています。また、Azure 側のネットワーク境界にはマイクロソフトのルーターが、ユーザー側のネットワーク境界にはサービス プロバイダーのルーターがあります。初期表示では、オンプレミスの 9 つのホップ (破線部分) は省略されています。

ExpressRoute connections

このマップを展開するとオンプレミスのホップがすべて表示され、各ホップで発生しているレイテンシを確認することができます。

ExpressRoute connections 2

帯域幅の使用状況

プライマリとセカンダリの両方の ExpressRoute 回線について帯域幅使用状況の傾向を把握し、キャパシティ プランニングに役立てることができます。ExpressRoute 回線のすべてのプライベート ピアリング接続について、帯域幅使用状況の集計だけでなく、各 VNET の詳しい帯域幅使用状況もドリルダウンして確認することができます。特に、回線の帯域幅を多く使用している VNET を特定する際に役立ちます。

Bandwidth utilization (Azure Private Peering)

アラートを設定すると、VNET が消費する帯域幅がしきい値に達したときに通知を受け取ることができます。

Health monitoring

ExpressRoute 接続の診断

NPM では、回線接続に関する問題を診断することができます。発生しやすい問題の例をご紹介します。

回線の切断 - オンプレミスのリソースと Azure VNET の間の接続が切断されると、即座に NPM からの通知を受け取ることができます。これにより、ユーザーから報告を受ける前に先制的に対応し、ダウンタイムを短縮することができます。

意図した回線にトラフィックが流れない - トラフィックが意図した ExpressRoute 回線に流れない場合にも、通知を受け取ることができます。原因として、回線の切断、バックアップ ルートへのトラフィック流入、ルーティングの問題などが考えられます。この情報は、ルーティング ポリシーの構成の問題の予防や、最適なルートの確保と保護に役立ちます。

トラフィックがプライマリ回線に流れない - トラフィックがセカンダリの ExpressRoute 回線に流れてしまったときに通知されます。接続自体に問題がなくても、事前にプライマリの回線のトラブルシューティングを行って予防を強化することができます。

ピーク時にサービス品質が低下する - 帯域幅使用状況の傾向とレイテンシの傾向の相関を見比べて、Azure ワークフローのサービス品質低下がピーク時の使用量に由来するものかどうかを判断し、対処することができます。

カスタム クエリやカスタム ビューの作成

NPM の UI で図式化されるデータは、すべて Log Analytics の検索機能でネイティブに使用することができます。リポジトリ内のデータをインタラクティブに分析したり、他のソースと比較したり、カスタム アラートやカスタム ビューを作成したり、データを Excel、PowerBI、共有リンクにエクスポートしたりすることが可能です。

開始するには

まず、NPM で ExpressRoute 監視をセットアップする方法をこちらのドキュメントでご確認ください。また、その他の NPM の機能 (英語) に関する記事も併せてお読みください。

フィードバックのお願い

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