Windows Server 2019 のハイパーコンバージド インフラストラクチャ: 本番利用へのカウントダウンが始まる!

執筆者: Cosmos Darwin (Sr PM on the Core OS team at Microsoft)

このポストは、2018 年 10 月 2 日に投稿された Hyper-converged infrastructure in Windows Server 2019 – the countdown clock starts now!  の翻訳です。

 

今回は、マイクロソフトのコア OS チームでシニア PM を務める Cosmos Darwin の記事をご紹介します。ぜひ Twitter (@cosmosdarwin) をフォローしてください。

今日は嬉しいお知らせです。本日マイクロソフトは、Windows Server 2019 の一般提供を開始しました! Windows Server 2019 は、マイクロソフトが提供するハイパーコンバージド インフラストラクチャ (HCI) の 2 回目のメジャー リリースとなります。記憶域スペース ダイレクトには、Windows Server 2016 で発表されて以来の大幅な改良が施されています。

需要は好調

記憶域スペース ダイレクトは、最初に発表されてから 2 年が経ちます。その間、好意的な評価が数多く寄せられ、導入のペースが加速しています。世界中のさまざまな業界の企業が記憶域スペース ダイレクトの使用に乗り出し、インフラストラクチャの最新化を進めているのです。事実、記憶域スペース ダイレクトの世界での導入率は、10,000 クラスターを達成 (英語) した 3 月からの直近 6 か月間だけで 50% も増加しました。これはたいへん喜ばしいことです。

導入いただいたお客様とパートナーの皆様には感謝の言葉しかありません! 私たちもその勢いに鋭意対応し、お客様からのフィードバックをもとに、新機能の追加や既存機能の強化に取り組んでいます。記憶域スペース ダイレクトの新機能の詳細については、今回新たに公開されたドキュメント「Windows Server 2019 の新機能 (英語)」をご確認ください。重複除去と圧縮、永続メモリのネイティブ サポート、2 ノード クラスターでのネストされた回復性、パフォーマンスや拡張性の強化などについて説明しています。

ハードウェア提供スケジュール

Windows Server 2019 は、従来行っていた RTM (製品出荷版) の提供を省略した初の製品で、そのまま一般提供が開始されました。これは、仮想マシン、コンテナー、クラウド展開のニーズの高まりを受けての変更です。しかしこの変更によって、リリース前にハードウェア エコシステムでシステムやコンポーネントの検証や認定を行うことができないため、現在、各社によってその段階が進められています。

以前と同様、記憶域スペース ダイレクトのデプロイをスムーズに進めていただくために、マイクロソフトはお客様に対して Windows Server Software-Defined (WSSD) プログラム認定のハードウェアをご使用いただくことをお勧めします。Windows Server 2019 向けの最初の WSSD 認定ソリューションが提供されるのは、3 か月後の 2019 年 1 月中旬ごろになる予定です。WSSD 認定ソリューションのリリース情報は追ってお知らせします。

ハードウェアの最初の提供が開始されるまでは、記憶域スペース ダイレクトや SDN (ソフトウェアによるネットワーク制御) などの機能を使用しようとすると忠告メッセージが表示され、構成の追加手順を実行することが求められます。これはエラーではなく、想定された動作です。詳しくは KB4464776 をご覧ください。このメッセージは、1 月に WSSD 認定ソリューションが Windows Update 経由でリリースされた時点で直ちに削除されます。

Windows Server 2019 の記憶域スペース ダイレクトを入手するには

Windows Server 2016 と同様、記憶域スペース ダイレクトは Windows Server 2019 Datacenter エディション ライセンスに含まれます。つまり Hyper-V をご利用のほとんどのお客様は、実質無料でご利用いただけます。また、記憶域スペース ダイレクトの購入とデプロイメントについても、Windows Server 2016 のときと同じく、次の 2 つの方法があります。

  1. Windows Server カタログのコンポーネントを使用して、お客様自身で構築する (サポート対象)
  2. すぐに使用できる状態の WSSD 認定ソリューション (英語) をパートナーから購入する (推奨)

詳細については、この後のよく寄せられる質問のセクションを参照してください。

Windows Server 2019 では、記憶域スペース ダイレクトに大幅な改良が加えられています。これは Windows Server 2016 で発表されて以来、最大規模の変更です。皆様にご利用いただけるようになるのが今から待ち切れません。データセンターにマルチ ペタバイト規模で展開する場合も、支社にわずか 2 ノードで展開する場合も、記憶域スペース ダイレクトは Windows Server 2019 で常に最適なエクスペリエンスをもたらします。

私たちも 1 月の WSSD リリースが待ち遠しくてしかたありません。そのころにまたお会いしましょう!

– Cosmos Darwin および記憶域スペース ダイレクト チーム一同
 

よく寄せられる質問

Windows Server 2019 の記憶域スペース ダイレクトは WSSD ハードウェアでしか使用できないのですか。

いいえ。Windows Server 2016 と同様、Windows Server 2019 カタログに記載されているシステムおよびコンポーネントで、ソフトウェア定義データセンター (SDDC) の追加認定を取得したものであれば使用できます。それらの認定ハードウェアで記憶域スペース ダイレクトを実行しているお客様がマイクロソフトの運用サポートの対象となります。詳細については、ハードウェア要件に関するドキュメントをご確認ください。

Windows Server 2019 の記憶域スペース ダイレクトは、いつ運用環境にデプロイできるようになりますか。

記憶域スペース ダイレクトを展開する場合、マイクロソフトは WSSD プログラムで認定されたハードウェアを使用することをお勧めしています。Windows Server 2019 向けには、約 3 か月後の 2019 年 1 月中旬に WSSD ソリューションの最初のリリースが開始される予定です。

なお、Windows Server 2019 カタログに記載されている追加認定を取得したコンポーネントを使用してご自身で構築される場合は、それより早い段階で、対象のパーツを使用して組み立てることができます。その場合、完全に運用環境にデプロイできますが、忠告メッセージの対処については、マイクロソフト サポートまでお問い合わせいただく必要があります。

なお、ハードウェアの Windows Server 2019 の認定取得やその時期については、各ベンダーの裁量に任されています。

1 月中旬まで待つ間に、何かできることはありますか。

まずは今すぐ入手しましょう。最新の Windows Server 2019 の Windows Insider リリース (英語) には記憶域スペース ダイレクトの新機能や機能強化がほぼすべて追加されています。数日中には、Windows Server 2019 の最終 17763 ビルドをベースとした次の Windows Insider リリースも提供されます。そのビルドでは忠告メッセージが表示されず、構成用の追加手順も必要ないため評価やテストに最適です。

Windows Server 2016 クラスターを Windows Server 2019 にアップグレードできますか。

Windows Server 2016 から Windows Server 2019 へのインプレース アップグレードがサポートされます。記憶域スペース ダイレクトもこれに含まれます。

Windows Server 2019 カタログに記載された SDDC 追加認定を取得したシステムやコンポーネントをお使いの場合は、アップグレード可能です。スムーズなアップグレードのためには、アップグレードの前に、お使いのハードウェアの動作についてハードウェア パートナーに Windows Server 2019 での検証を依頼することをお勧めします。2019 年 1 月よりも前にアップグレードする場合は、忠告メッセージの対処についてマイクロソフト サポートまでお問い合わせください。

なお、ハードウェアの Windows Server 2019 の認定取得やその時期については、各ベンダーの裁量に任されています。

プロジェクトのスケジュールがタイトな場合、Windows Server 2016 を展開したほうが良いでしょうか。

Windows Server 2016 なら、記憶域スペース ダイレクトや SDN などの機能をすぐにデプロイしてご利用いただけます。Windows Server 2019 のほうが優れた新機能や機能強化を含んでいますが、主な機能には互換性があり、インプレース アップグレードが可能なため、後から Windows Server 2019 へ移行することも可能です。

Microsoft Ignite 2018 の時点で、十数社のパートナーから Windows Server 2016 向けの WSSD ソリューションが 50 以上提供されています。柔軟性の高い幅広い選択肢が用意されているため、1 回限りのカスタマイズを統合する手間もかかりません。ぜひ今すぐ Microsoft.com/WSSD にアクセスして、優れたソリューションをご利用ください。