Azure の新たなイノベーションで、コードを書く開発者が直面する未来の課題を解決

執筆者: Scott Guthrie (Executive Vice President, Cloud & Enterprise)

このポストは、2018 年 5 月 7 日に投稿された New Azure innovations are helping developers write code today for tomorrow’s technology challenges の翻訳です。

 

現在シアトルで Microsoft Build カンファレンスが開催されています。私は今朝のセッションで、インテリジェント クラウドやインテリジェント エッジを実現する Azure の新しいイノベーションについてお伝えしました。デベロッパー ツール、DevOps、コンテナー、サーバーレス、モノのインターネット (IoT)、人工知能 (AI) など、その分野は多岐にわたります。

イノベーションは、開発者がコードを書くところから始まります。アイデアを実現するためには、効果的なデベロッパー ツールが不可欠です。マイクロソフトはこのことを念頭に、Visual Studio ツールで常に新しいイノベーションとエクスペリエンスを皆様に実現していただけるよう、Visual Studio、VS Code、Visual Studio Team Services for DevOps といった生産性の高い開発エクスペリエンスをエンドツーエンドで提供しています。本日マイクロソフトは、AI によってコード品質や生産性を高めるインテリジェントな提案を行う Visual Studio IntelliCode (英語) のプレビュー版をリリースします。また、Visual Studio や VS Code でのコーディングや問題解決をサポートするコラボレーション ツール Live Share (英語) のプレビュー版もリリースします。そしてついに、開発者とオープン ソースを共に支える GitHub とのパートナーシップを発表しました。これにより、Visual Studio App Center が GitHub のマーケットプレイスでネイティブに利用可能になり、iOS/Android/Windows/macOS デバイス向けモバイル アプリの GitHub 開発者の皆様が独自に DevOps プロセスを自動化していただけるようになります。

クラウドやエッジなどの幅広いアプリケーション開発では、コンテナーやサーバーレスなイベント駆動型の手法を活用する必要があります。Azure Kubernetes Service (AKS) はこの 12 か月で利用者が 10 倍以上に増加し、驚異的なスピードで普及しています。今回、Kubernetes ベースの DevOps を容易にする、AKS を使用した Visual Studio Team Services の DevOps プロジェクトを発表しました。Azure IoT Edge に対応しており、AKS をエッジで利用することも可能です。Kubernetes と Azure が大規模に統合することで、開発者は、個々のサービスをつなぎ合わせる作業ではなく、全体的な生産性の向上やコーディングに時間を充てられるようになります。

イベント駆動型のアプリ設計が急速に普及している今、さまざまなソース間を行き交う多数のイベントのルーティングをシンプルに管理する手段が必要とされています。Azure Event Grid は、まさにこれを実現するために開発されたツールです。Event Grid を Azure Functions や Azure Logic Apps と併用することで、エンタープライズ向けのハイスケールなイベント駆動型アプリを、これまでになくすばやく簡単に作成することができます。

イベント駆動型のモデルによって、クラウドとエッジのすべてのテクノロジが IoT ソリューション内で融合します。マイクロソフトは IoT 分野に 20 年以上投資しており、IoT という言葉が生まれる前から Windows Embedded を開発していました。この取り組みは今も続いており、先日 IoT 分野に 50 億ドルの投資を行ったことを発表 (英語) しました。Azure は、市場における最も包括的な IoT ソリューションおよびクラウド サービスです。Azure IoT Hub によってすべての IoT 端末を管理し、Azure IoT Edge によってあらゆるエッジで場所を問わずアプリケーションを実行し、Azure IoT Central によってシステムを運用します。これを最大規模のエッジのユースケース向けの Azure Stack や MCU 端末向けの Azure Sphere と組み合わせることで、管理およびセキュリティ手法が統合され、あらゆる規模のエッジを Azure で運用できるようになります。今回発表する Azure IoT の新機能の中で特に重要なのが、Azure IoT Edge ランタイムのオープン ソース化です。これにより、ユースケースの拡張とさらなるイノベーションが実現します。クラウド アプリやエッジ アプリの普及に伴い、今後は、IoT 開発者以外のユーザーがエッジでコードを実行することが当たり前になるでしょう。

現在のさまざまなアプリやエクスペリエンスにおいて、最も重要なのがデータです。しかし、アプリにおける中核要素というだけでなく、最もミッション クリティカルな要素としても、組織で画期的なインテリジェント アプリを開発するために不可欠なものです。クラウド アプリケーションが世界中で利用されるようになり、AI エクスペリエンスの基盤となりつつある中、地球規模でのデータ活用が求められています。マイクロソフトはこのニーズに応えるために、Azure Cosmos DB を構築しました。これは、グローバル規模で即座にスケールアウト可能な、ミリ秒単位のレイテンシと稼働時間が保証された初の分散型マルチモデル データベース サービスです。

Azure Cosmos DB はあらゆる地域に柔軟に拡大可能で、業界唯一の稼働時間、パフォーマンス、遅延、一貫性に関する返金制度付きデータベース SLA を提供します。今回、Azure Cosmos DB でマルチマスター書き込み機能のプレビューがリリースされたことにより、世界規模での複数書き込みや、同タイミングの同期処理などの新たなユースケースが可能になります。

データが蓄積されることで、人工知能 (AI) はさらに力を発揮します。複雑になりがちな AI アプリの開発を簡素化するために、マイクロソフトは、Azure Cognitive Services API という既成 AI モデルの包括的なセットを構築しました。この API を使用することで、AI ベースの強力なアプリケーションを簡単に開発できるようになります。今回、インデックス化技術を AI と組み合わせて画像やテキストの情報をすばやく発見する Cognitive Services Integration Azure Search のプレビュー版、音声認識、翻訳、読み上げの性能が向上した新しい統合 Speech サービス、エッジに対応した視覚的検出と物体認識が強化された Custom Vision など、Cognitive Services にさまざまな機能を追加します。

高度な AI 機能が必要な開発者向けに、独自の AI モデルを構築できる包括的なライフサイクル ツールやフレームワークのサポートも提供します。データ準備からモデルの構築およびトレーニング、クラウドおよびエッジへのデプロイまで、Azure Databricks、Azure Machine Learning、AI Tools for Visual Studio、AI フレームワークを組み合わせることで、エンドツーエンドの幅広い機能を提供します。

Azure のイノベーションは、インテリジェント クラウドおよびインテリジェント エッジ アプリ モデルをあらゆるアプリケーションの軸として、開発者をサポートしています。