Entity Framework 用の EntityClient プロバイダー

[アーティクル]
05/10/2023

EntityClient プロバイダーは、概念モデルで記述されているデータにアクセスするために Entity Framework アプリケーションで使用するデータプロバイダーです。概念モデルについては、「モデリングとマッピング」をご覧ください。 EntityClient は、他の .NET Framework データプロバイダーを使用してデータソースにアクセスします。たとえば、EntityClient は、SQL Server データベースにアクセスするときは .NET Framework Data Provider for SQL Server (SqlClient) を使用します。 SqlClient プロバイダーについては、「Entity Framework 用 SqlClient」をご覧ください。 EntityClient プロバイダーは System.Data.EntityClient 名前空間で実装されます。

接続の管理

Entity Framework は、基になるデータプロバイダーとリレーショナルデータベースへの EntityConnection を提供することにより、ストレージ固有の ADO.NET データプロバイダーを基にして構築されます。 EntityConnection オブジェクトを構築するには、必要なモデルとマッピング、さらにストレージ固有のデータプロバイダー名と接続文字列を含んだ一連のメタデータを参照する必要があります。 EntityConnection を確立すると、概念モデルから生成されたクラスを使用してエンティティにアクセスできます。

app.config ファイルの接続文字列を指定できます。

System.Data.EntityClient には、EntityConnectionStringBuilder クラスも含まれています。このクラスを使用すると、開発者はこのクラスのプロパティおよびメソッドを使用することによって、正しい構文の接続文字列をプログラムで作成し、既存の接続文字列の解析や再作成を行うことができます。詳細については、「方法: EntityConnection の接続文字列を作成する」をご覧ください。

クエリの作成

Entity SQL 言語は、エンティティの概念スキーマを直接操作し、継承やリレーションシップなどの Entity Data Model 概念をサポートする、ストレージの影響を受けない SQL の言語です。エンティティモデルに対して Entity SQL コマンドを実行するには、EntityCommand クラスを使用します。 EntityCommand オブジェクトを構築する場合は、ストアドプロシージャ名またはクエリテキストを指定できます。 Entity Framework では、ストレージ固有のデータプロバイダーとの連携により、汎用的な Entity SQL がストレージ固有のクエリに変換されます。 Entity SQL のクエリの記述について詳しくは、「Entity SQL 言語」をご覧ください。

次の例では、EntityCommand オブジェクトを作成し、Entity SQL クエリのテキストを EntityCommand.CommandText プロパティに割り当てます。この Entity SQL クエリでは、表示価格で並べ替えた製品を概念モデルに要求します。次のコードでは、ストレージモデルが認識されません。

EntityCommand cmd = conn.CreateCommand();
cmd.CommandText = @"SELECT VALUE p
 FROM AdventureWorksEntities.Product AS p
 ORDER BY p.ListPrice";

クエリの実行

クエリを実行すると、そのクエリが解析され、正規コマンドツリーに変換されます。すべての後続の処理は、コマンドツリーで行われます。コマンドツリーは、System.Data.EntityClient と、System.Data.SqlClient などの基になる .NET Framework データプロバイダーとの間の通信手段です。

概念モデルに対する EntityDataReader の実行結果は、EntityCommand によって公開されます。 EntityDataReader を返すコマンドを実行するには、ExecuteReader を呼び出します。 EntityDataReader は、構造化されたさまざまな結果を記述するための IExtendedDataRecord を実装します。