Enable-PSBreakpoint

現在のコンソールのブレークポイントを有効にします。

構文

Enable-PSBreakpoint [-Id] <Int32[]> [-PassThru] [-Confirm] [-WhatIf] [<CommonParameters>]

Enable-PSBreakpoint [-Breakpoint] <Breakpoint[]> [-PassThru] [-Confirm] [-WhatIf] [<CommonParameters>]

説明

Enable-PSBreakpoint コマンドレットは、無効になったブレークポイントを再び有効にします。これを使用すると、すべてのブレークポイントを有効にするか、ブレークポイント オブジェクトまたはブレークポイント ID を送信してブレークポイントを指定できます。

ブレークポイントは、スクリプト内の命令を調べることができるように実行が一時的に停止するスクリプトのポイントです。新しく作成されたブレークポイントは自動的に有効になりますが、Disable-PSBreakpoint コマンドレットを使用すると、それらを無効にできます。

通常は、このコマンドレットによってブレークポイント オブジェクトの Enabled プロパティの値が True に変わります。

Enable-PSBreakpoint は、Windows PowerShell スクリプトのデバッグ用に設計された複数のコマンドレットの 1 つです。Windows PowerShell デバッガーの詳細については、「about_Debuggers」を参照してください。

パラメーター

-Breakpoint <Breakpoint[]>

ブレークポイントが有効になるように指定します。ブレークポイント オブジェクトが含まれている変数か、Get-PSBreakpoint コマンドのようにブレークポイント オブジェクトを取得するコマンドを入力します。パイプを使用してブレークポイント オブジェクトを Enable-PSBreakpoint に渡すこともできます。

必須

true

位置

1

既定値

None.

パイプライン入力を許可する

true (ByValue)

ワイルドカード文字を許可する

false

-Id <Int32[]>

指定したブレークポイント ID のブレークポイントを有効にします。既定値はすべてのブレークポイントです。ID を入力するか、ID が含まれている変数を入力します (ID を Enable-PSBreakpoint にパイプすることはできません)。ブレークポイントの ID を見つけるには、Get-PSBreakpoint コマンドレットを使用します。

必須

true

位置

1

既定値

なし

パイプライン入力を許可する

true (ByPropertyName)

ワイルドカード文字を許可する

false

-PassThru

有効にしたブレークポイントを表すオブジェクトを返します。既定では、このコマンドレットによる出力はありません。

必須

false

位置

named

既定値

No output

パイプライン入力を許可する

false

ワイルドカード文字を許可する

false

-Confirm

コマンドを実行する前に確認メッセージを表示します。

必須

false

位置

named

既定値

パイプライン入力を許可する

false

ワイルドカード文字を許可する

false

-WhatIf

実際にコマンドを実行せずに、コマンドを実行すると何が起きるかを出力します。

必須

false

位置

named

既定値

パイプライン入力を許可する

false

ワイルドカード文字を許可する

false

<CommonParameters>

このコマンドレットは、次の共通パラメーターをサポートします: -Verbose、-Debug、-ErrorAction、-ErrorVariable、-OutBuffer、および -OutVariable。詳細については、次を参照してください: about_Commonparameters.

入力と出力

入力値の型は、コマンドレットへのパイプが可能なオブジェクトの型です。戻り値の型は、コマンドレットによって返されるオブジェクトの型です。

入力

System.Management.Automation.Breakpoint

ブレークポイント オブジェクトを Enable-PSBreakpoint にパイプできます。

出力

なし、または System.Management.Automation.Breakpoint

PassThru パラメーターを使用した場合、Enable-PSBreakpoint は、有効にしたブレークポイントを表すブレークポイント オブジェクトを返します。それ以外の場合、このコマンドレットによる出力はありません。

既に有効になっているブレークポイントを有効にしようとした場合、Enable-PSBreakpoint コマンドレットはエラーを生成しません。したがって、一部だけが無効になっている場合でも、エラーなしにすべてのブレークポイントを有効にできます。

ブレークポイントは、Set-PSBreakpoint コマンドレットを使用して作成するときに有効になります。新しく作成したブレークポイントを有効にする必要はありません。

例 1

C:\PS>get-psbreakpoint | enable-psbreakpoint

説明
-----------
このコマンドは現在のコンソールのブレークポイントをすべて有効にします。コマンドは「gbp | ebp」と短縮することができます。





例 2

C:\PS>enable-psbreakpoint -id 0, 1, 5

説明
-----------
このコマンドは、ブレークポイント ID が 0、1、5 のブレークポイントを有効にします。





例 3

C:\PS>$b = set-psbreakpoint -script sample.ps1 -variable Name

C:\PS> $b | disable-psbreakpoint -passthru

AccessMode : Write
Variable   : Name
Action     :
Enabled    : False
HitCount   : 0
Id         : 0
Script     : C:\ps-test\sample.ps1
ScriptName : C:\ps-test\sample.ps1

C:\PS> $b | enable-psbreakpoint -passthru

AccessMode : Write
Variable   : Name
Action     :
Enabled    : True
HitCount   : 0
Id         : 0
Script     : C:\ps-test\sample.ps1
ScriptName : C:\ps-test\sample.ps1

説明
-----------
これらのコマンドは、無効になったブレークポイントを再び有効にします。

最初のコマンドは、Set-PSBreakpoint コマンドレットを使用して、Sample.ps1 スクリプトの "Name" 変数にブレークポイントを作成します。次に、そのブレークポイント オブジェクトを $b 変数に保存します。

2 番目のコマンドは、Disable-PSBreakpoint コマンドレットを使用して、新しいブレークポイントを無効にします。また、パイプライン演算子 (|) を使用して $b のブレークポイント オブジェクトを Disable-PSBreakpoint コマンドレットに送信し、Disable-PSBreakpoint の PassThru パラメーターを使用して、無効にされたブレークポイント オブジェクトを表示します。これにより、ブレークポイント オブジェクトの Enabled プロパティの値が False であることを確認できます。

3 番目のコマンドは、Enable-PSBreakpoint コマンドレットを使用して、ブレークポイントを再び有効にします。また、パイプライン演算子 (|) を使用して $b のブレークポイント オブジェクトを Enable-PSBreakpoint コマンドレットに送信し、Enable-PSBreakpoint の PassThru パラメーターを使用してブレークポイント オブジェクトを表示します。これにより、ブレークポイント オブジェクトの Enabled プロパティの値が True であることを確認できます。

次のサンプル出力に結果を示します。





例 4

C:\PS>$b = get-psbreakpoint -id 3, 5

C:\PS> enable-psbreakpoint -breakpoint $b

説明
-----------
これらのコマンドはブレークポイント オブジェクトを指定して、一連のブレークポイントを有効にします。

最初のコマンドは Get-PSBreakpoint コマンドレットを使用してブレークポイントを取得し、それらを $b 変数に保存します。

2 番目のコマンドは、Enable-PSBreakpoint コマンドレットとそのブレークポイント パラメーターを使用して、ブレークポイントを有効にします。
このコマンドは "enable-psbreakpoint -id 3, 5" と同等です。





関連項目

概念

about_Debuggers
Set-PSBreakpoint
Disable-PSBreakpoint
Get-PSBreakpoint
Remove-PSBreakpoint
Get-PSCallStack