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Windows Server Essentials での BranchCache の管理

適用対象: Windows Server 2016 Essentials、Windows Server 2012 R2 Essentials、Windows Server 2012 Essentials

BranchCache は、Windows Server Essentials サーバーがオフィスから離れた場所に配置されている場合や、ローカル サーバーに接続されているクライアント コンピューターが、SharePoint Online ライブラリなどのクラウド ベースのリソースを使用している場合に、インターネットの使用状況を最適化したり、ネットワーク接続されているアプリケーションのパフォーマンスを向上させたり、ワイド エリア ネットワーク (WAN) 上のトラフィックを削減したりするのに役立ちます。

BranchCache が有効になっている場合、クライアント コンピューターがリモートの Windows Server Essentials サーバーのコンテンツを要求すると、そのコンテンツはローカル オフィスにキャッシュされます。 その後からは、同じオフィス内の別のコンピューターが、WAN を介して対象サーバーのコンテンツを再ダウンロードするのではなく、ローカルに取得できるようになります。 このようにすることによって、ネットワーク接続されたアプリケーションのパフォーマンスを向上させ、WAN を介した帯域幅の消費を削減できます。

Windows Server Essentials サーバーがローカルにあるかリモートにあるかを問わず、サーバー共有フォルダーや、サーバーでホストされている Web コンテンツ (SharePoint Online ライブラリなど) の応答時間を BranchCache によって短縮できます。

BranchCache では新しいハードウェアの追加やネットワーク トポロジの変更が必要ないため、この機能は、WAN を介してアクセスするサービスとリソースに関して、帯域幅の使用を最適化し、応答時間を短縮するための簡単な方法となります。

BranchCache のシナリオ

リモート サーバーで BranchCache を使用する基本的なシナリオとして次の 3 つがあります。

  • Windows Server Essentials サーバーは、Microsoft Azure でホストされています。

  • Windows Server Essentials サーバーは、サードパーティのサービス プロバイダーのデータセンターでホストされています。

  • Windows Server Essentials サーバーは、物理的に異なる場所の別のオフィスにあります。

分散キャッシュ モード

Windows Server Essentials では、BranchCache は "分散キャッシュ モード" で実装されます。これは、BranchCache で使用できる 2 つのキャッシュ モードの 1 つです。 分散キャッシュ モードでは、ブランチ オフィスのコンテンツ キャッシュがクライアント コンピューター間に分散されます。 ハードウェアを新たに追加したり、トポロジの変更を行ったりする必要がないため、このモードは、リモート サーバーやローカル サーバーを使用して SharePoint Online などのクラウド ベースのサービスにアクセスする小規模なオフィスに適しています。 Windows Server Essentials で BranchCache を有効にすると、分散キャッシュ モードが実装されます。

注意

複数のサブネットを使用したり、ネットワーク接続されているアプリケーションを使用している従業員が多数いる大規模なブランチ オフィスの場合、ホスト型キャッシュ モードで BranchCache を実装すると役立ちます。 ホスト型キャッシュ モードでは、コンテンツ キャッシュは、ブランチ オフィスの 1 つ以上のホスト型キャッシュ サーバーに格納されます。

要件

Windows Server Essentials で BranchCache を使用するには、サーバーとクライアント コンピューターが以下の要件を満たしている必要があります。

  • サーバーでは、Windows Server Essentials オペレーティング システムが実行されているか、Windows Server Essentials エクスペリエンス役割を使用して Windows Server 2012 R2 Standard または Windows Server 2012 R2 Datacenter オペレーティング システムが実行されている必要があります。

    Windows Server 2012 R2 Standard または Windows Server 2012 R2 Datacenter Server では、Windows Server Essentials エクスペリエンス役割を追加するときに BranchCache が追加されます。 BranchCache を有効にするには、ドメイン管理者の資格情報を使用して、Windows Server Essentials ダッシュボードにサインインする必要があります。

  • クライアント コンピューターは、Windows 7 Enterprise、Windows 7 Ultimate、Windows 8 Enterprise、または Windows 8.1 Enterprise オペレーティング システムを実行している必要があります。

  • 分散キャッシュ モードの場合、すべてのクライアント コンピューターが同じサブネット上になければなりません。

    注意

    クライアント コンピューターをドメインに参加することなく Windows Server Essentials サーバーに接続した場合、それらのコンピューターは既定でキャッシング対象から除外されます。 ドメインに参加していないクライアント コンピューターをキャッシング対象に含めるには、クライアント コンピューターで Enable-BCDistributed Windows PowerShell コマンドレットを実行してください。 詳細については、「 Windows PowerShell における BranchCache コマンドレット」を参照してください。

BranchCache を有効にする

分散キャッシュ モードで BranchCache を有効にするには、単純に、Windows Server Essentials ダッシュボードでボタンをクリックします。 キャッシュがすぐに開始され、透過的に行われます。

Windows Server Essentials で BranchCache を有効にするには

  1. Administrator アカウントを使用して、Windows Server Essentials サーバーにサインインします。

  2. Windows Server Essentials ダッシュボードで [設定] をクリックします。

    セットアップ ウィザードが開きます。

  3. [BranchCache] をクリックします。

  4. [BranchCache 設定] ページで、 [有効にする]をクリックします。

Windows PowerShell を使用して BranchCache の有効と無効を切り替える

Windows PowerShell を使用して、BranchCache の状態 (有効または無効) を確認し、BranchCache の有効または無効を切り替えることができます。

BranchCache の有効または無効を Windows PowerShell を使用して切り替えるには

  1. サーバーで、管理者として Windows PowerShell を開きます。 [スタート] ページで、[Windows PowerShell] を右クリックし、[管理者として実行][はい] の順にクリックします。

  2. コマンド プロンプトで、次のいずれかのコマンドレットを実行します。

    • BranchCache の状態 (有効または無効) を確認する場合には、次のように入力します。

      Get-WSSBranchCacheStatus
      
    • BranchCache を有効にする場合、次のように入力します。

      Enable-WSSBranchCache
      
    • BranchCache を無効にする場合、次のように入力します。

      Disable-WSSBranchCache
      

その他の参照情報