ローカル ソースから Microsoft 365 Apps を展開する

この記事の手順に従って、Office 展開ツール (ODT) を使用することにより、ネットワーク上の共有フォルダーからクライアント コンピューターに Microsoft 365 Apps を展開します。

始める前に

ユーザーが、クライアント デバイスのローカル管理者特権を持っているかどうかを確認します。持っていない場合は、組織の標準的な展開ツールとプロセスを使用して Office をインストールする必要があります。

まだ実施していない場合は、Office 展開の評価フェーズと計画フェーズを実施してください。

この記事は、数百または数千のコンピューターが稼働しているエンタープライズ環境の管理者を対象とします。1 つのデバイスまたは少数のデバイスに Office をインストールする場合は、「PC または Mac に Microsoft 365 または Office 2021 をダウンロードしてインストールまたは再インストールする」または「Office オフライン インストーラーを使用する」を確認することをお勧めします。

ベスト プラクティス

この記事の手順は、半期エンタープライズ チャネルの展開を選択した場合、次のベストプラクティスに基づいています。

  • 管理オーバーヘッドなしで、Office への更新プログラムを自動的に管理します。詳細については、更新プログラムの管理方法を選択するを参照してください。(ローカル ソースからの更新を管理する場合は、構成ファイルを変更する必要があります。詳細については、更新を構成するを参照してください。)
  • 2 つの Office のインストール パッケージを作成: 1 つのパッケージでは 64 ビット用の半期エンタープライズ チャネルを使用し、もう 1 つのパッケージでは 64 ビット用の半期エンタープライズ チャネル (プレビュー) を使用します。各インストール パッケージに主要な Office アプリがすべて含まれています。代わりに 32 ビット版の Office を展開する場合は、インストール パッケージの作成時にそのオプションを選択できます。両方のバージョンを展開するには、追加のインストール パッケージを作成します。詳細については、「ソース ファイルを定義する」を参照してください。
  • 2 つの展開グループに展開: 半期エンタープライズ チャネル (プレビュー) を受け取るパイロット グループと半期エンタープライズ チャネルを受け取る広範グループです。詳細については、「更新プログラム チャネルを選択する」を参照してください。)

これらのオプションをカスタマイズして、3 つ以上のグループへの展開、更新プログラム チャネルの変更、および Visio と Project の展開など、組織に対する要件を満たすことができます。詳細については、「展開のカスタマイズ」を参照してください。

手順 1: Office インストール ファイル用の共有フォルダーを作成する

Microsoft 365 Apps はローカル ソースから展開するので、Office のインストール ファイルを保存するフォルダーを作成する必要があります。親フォルダー 1 つと子フォルダー 2 つを作成します。子フォルダーの 1 つは半期エンタープライズ チャネル (プレビュー) のバージョンの Office を使用するパイロット グループ用、もう 1 つは半期エンタープライズ チャネルのバージョンの Office を使用する広範グループ用です。Office コンテンツ配信ネットワーク (CDN) で使用するものと同様の構造になっています。

  1. 次のフォルダーを作成します。

    • \\Server\Share\M365: ODT、および Office のダウンロードおよび展開の方法を定義する構成ファイルが保存されます。
    • \\Server\Share\M365\SECP: 半期エンタープライズ チャネル (プレビュー) からの Microsoft 365 Apps インストール ファイルが保存されます。
    • \\Server\Share\M365\SEC: 半期エンタープライズ チャネルからの Microsoft 365 Apps インストール ファイルが保存されます。

これらのフォルダーに、展開する必要があるすべての Office インストール ファイルが保存されます。

  1. ユーザーのための読み取りアクセス許可を割り当てます。共有フォルダーから Office をインストールする場合、ユーザーに必要なのは、そのフォルダーのための読み取りアクセス許可のみです。そのため、全員に読み取りアクセス許可を割り当てる必要があります。共有フォルダーを作成する方法、またアクセス許可を割り当てる方法の詳細については、「共有フォルダー」を参照してください。

注意

この記事では、ネットワーク上の 1 つの共有フォルダーだけを使用しますが、Office インストール ファイルを多くの場所で利用可能にする組織も少なくありません。複数の場所を使用すると、可用性が向上し、ネットワーク帯域幅への影響を最小限に抑えるのに役立ちます。たとえば、一部のユーザーが支店にいる場合、1 つの共有フォルダーを支店内に作成することができます。それによりそれらのユーザーは、ローカル ネットワークから Office をインストールできます。Windows Server で分散ファイル システム (DFS) の役割サービスを使用することにより、複数の場所に複製されるネットワーク共有を作成することができます。詳細については、「DFS の管理」を参照してください。

手順 2: Office 展開ツールをダウンロードする

ODT を Microsoft ダウンロード センターから \\Server\Share\M365 にダウンロードします。既に ODT をダウンロードしてある場合は、それが最新バージョンであることを確認してください。

ファイルをダウンロードした後、自己解凍実行可能ファイルを実行します。そこには、ODT 実行可能ファイル (setup.exe) およびサンプル構成ファイル (configuration.xml) が含まれています。

手順 3: パイロット グループの構成ファイルを作成する

Microsoft 365 Apps をパイロット グループにダウンロードして展開するには、ODT で構成ファイルを使用します。構成ファイルを作成するには、Office カスタマイズ ツールを使用することをお勧めします。

  1. Office カスタマイズ ツールに移動して、Microsoft 365 Apps のインストールに目的の設定を構成します。次のオプションをお勧めします。
  • 製品: Microsoft 365 Apps。また、これらのアプリの展開を計画する場合、Visio と Project も含めることができます。
  • 更新プログラム チャネル: パイロット グループのインストール パッケージに [半期エンタープライズ チャネル (プレビュー)] を選択します。
  • 言語: 展開する予定の言語パックをすべて含めます。オペレーティング システムとクライアント デバイス上の任意のユーザーによって使用されるのと同じ言語が自動的にインストールされるように、[オペレーティング システムに一致させる] を選択することをお勧めします。言語パックのバックアップ ソースとして Office CDN を使用するために、[CDN にフォールバック] を選択することもお勧めします。
  • インストール: [ローカル ソース] を選択して、ソース パスに「\\Server\Share\M365\SECP」と入力します。Office は、ご利用のネットワーク上の \\server\share\M365\SECP にダウンロードされ、そこからインストールされます。
  • 更新: ご利用のクライアント デバイスを自動的に更新するには、[CDN] と [更新プログラムの有無を自動的に調べる] を選択します。
  • アップグレード: 選択すると、以前の MSI バージョンの Office が自動的にすべて削除されます。任意の削除された MSI バージョンの Office と同じ言語をインストールすることも選べますが、確実にご使用のインストール パッケージにこれらの言語を含めるようにしてください。
  • 追加プロパティ: ユーザーのために Office をサイレント モードでインストールするには、[表示レベル] に [オフ]、および [自動的に EULA に同意する] に [オン] を選択します。
  • アプリケーションの設定: VBA マクロ通知、既定のファイルの場所、既定のファイル形式など、有効にする Office の設定をすべて定義します。
  1. 構成を完了すると、ページの右上にある [エクスポート] をクリックし、ファイルを \\Server\Share\M365 フォルダーに config-pilot-SECP.xml として保存します。

Office カスタマイズ ツールの使用方法の詳細については、「Office カスタマイズ ツールの概要」を参照してください。構成オプションの詳細については、「Office 展開ツールの構成オプション」を参照してください。

Office インストール ファイルおよび Office 更新プログラムは、半期エンタープライズ チャネル (プレビュー版) から適用されることに注意してください。さまざまな更新プログラム チャネルに基づく Office の最新バージョンの詳細については、「Microsoft 365 Apps の更新プログラムに関するリリース情報」を参照してください。

手順 4: 広範グループの構成ファイルを作成する

Office カスタマイズ ツールを使用して、広範グループの構成ファイルを作成します。

  1. Office カスタマイズ ツールに移動して、Microsoft 365 Apps のインストールに目的の設定を構成します。次の変更を除いて、手順 3 のパイロット グループと同じオプションと合わせることをお勧めします。
  • 更新プログラム チャネル: パイロット グループのインストール パッケージに [半期エンタープライズ チャネル] を選択します。
  • インストール: [ローカル ソース] を選択して、ソース パスに「\\Server\Share\M365\SEC」と入力します。Office は、ご利用のネットワーク上の \\server\share\M365\SEC にダウンロードされ、そこからインストールされます。
  1. 構成を完了すると、ページの右上にある [エクスポート] をクリックし、ファイルを \\Server\Share\M365 フォルダーに config-broad-SEC.xml として保存します。

この構成ファイルは、Office インストール ファイルをダウンロードしてから、広範グループに展開するために使用されます。ソース パスが別のフォルダー (SAC) を指していること、また更新プログラム チャネルが半期エンタープライズ チャネルに設定されている点を除けば、設定値は、最初の構成ファイルと全く同じです。

手順 5: パイロット グループの Office インストール パッケージをダウンロードする

コマンド プロンプトで、パイロット グループ用の構成ファイルへの参照を指定して、ダウンロード モードで ODT 実行可能ファイルを実行します。

\\server\share\M365\setup.exe /download \\server\share\M365\config-pilot-SECP.xml

すぐにファイルのダウンロードが開始されるはずです。コマンドの実行後、\\server\share\M365\SECP に移動し、該当するファイルが含まれている Office フォルダーを探します。

なお、ODT は、ダウンロード先のフォルダーに同じバージョンの Office が既にある場合、不足分のファイルのみをダウンロードすることにより、お客様のネットワークの帯域使用の軽減をはかります。たとえば、ODT を使って英語版の Office が既に含まれているフォルダーに英語とドイツ語版の Office をダウンロードする場合、ドイツ語の言語パックのみがダウンロードされます。

問題が発生した場合は、ODT のバージョンが最新であることを確認し、構成ファイルとコマンドが正しい場所を参照していることを確認します。%temp% フォルダーにあるログ ファイルを確認して、問題をトラブルシューティングすることもできます。

手順 6: 広範グループの Office インストール パッケージをダウンロードする

コマンド プロンプトで、広範グループ用の構成ファイルへの参照を指定して、ダウンロード モードで ODT 実行可能ファイルを実行します。

\\server\share\M365\setup.exe /download \\server\share\M365\config-broad-SEC.xml

すぐにファイルのダウンロードが開始されるはずです。コマンドの実行後、\\server\share\M365\SEC に移動し、該当するファイルが含まれている Office フォルダーを探します。

手順 7: パイロット グループに Office を展開する

Office を展開するために、ユーザーがクライアント コンピューターから実行可能なコマンドを用意します。コマンドは構成モードで ODT を実行し、クライアント コンピューターに Office のどのバージョンをインストールするかを定義する構成ファイルとして、それぞれ該当するものを参照します。これらのコマンドを実行するユーザーは、それぞれのコンピューターのローカル管理者特権を持っている必要があり、共有 (\\server\share\M365) に対する読み取りアクセス許可を持っている必要があります。

パイロット グループ用のクライアント コンピューターから、管理者特権でコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。

\\Server\Share\M365\setup.exe /configure \\Server\Share\M365\config-pilot-SECP.xml

注意

ほとんどの組織では、このコマンドを、展開自動化のためのバッチ ファイル、スクリプト、またはその他のプロセスの一部として使用します。そのような場合、スクリプトは高度な権限のもとで実行されるため、ユーザーに自分のコンピューター上での管理者権限は必要ありません。

コマンド実行後は、すぐに Office のインストールが開始されるはずです。問題が発生した場合は、ODT が最新バージョンであることを確認し、さらに構成ファイルとコマンドが適切な場所を参照していることを確認してください。また、%temp% フォルダーにあるログ ファイルを確認することによって問題のトラブルシューティングを実行することもできます。

Office がパイロット グループに展開されたら、特に、ハードウェアとデバイス ドライバーを使用して、実際の環境内で Office をテストします。詳細については、「更新プログラム チャネルを選択する」を参照してください。

手順 8: 広範グループに Office を展開する

パイロット グループを使用した Office のテストが完了したら、広範グループに Office を展開することができます。これを行うには、管理者特権でコマンド プロンプトから次のコマンドを実行します。

\\Server\Share\M365\setup.exe /configure \\Server\Share\M365\config-broad-SEC.xml

このコマンドは、パイロット グループと同じですが、広範グループ用の構成ファイルを参照している点が異なります。

コマンドを実行すると、Office のインストールがすぐに開始されるはずです。

展開のカスタマイズ

この記事の手順には、半期エンタープライズ チャネルの展開を選択した場合の、Microsoft からの標準のベスト プラクティスの推奨事項が含まれています。このセクションには、これらのベスト プラクティスに対する最も一般的なカスタマイズが含まれます。

複数のパッケージを作成して複数の展開グループに展開する

32 ビット版と 64 ビット版の両方の Office を展開する場合は、追加のインストール パッケージを作成できます (2 つの異なるアーキテクチャを同じパッケージに含めることはできません)。詳細については、「ソース ファイルの定義」を参照してください。

Office に異なる更新プログラム チャネルを使用する

Microsoft 365 Apps では、ユーザーが Office アプリケーションの機能の更新プログラムを受信する頻度を制御できます。そのためには、ユーザーに対して更新プログラム チャネルを選択します。詳細については、「Microsoft 365 Apps 用更新プログラム チャネルの概要」を参照してください。

この記事では、パイロット グループには半期エンタープライズ チャネル (プレビュー) を使用し、組織の残りには半期エンタープライズ チャネル を使用します。ただし、現在のチャネルの展開を選択することもできます。これを選択すると、準備が整い次第、Office の最新機能がユーザーに提供されます。このシナリオでは、現在のチャネル (プレビュー) をパイロット グループに展開します。

1 つの Office のインストール パッケージは、更新チャネルの種類が 1 つのみ含まれるため、新しい更新チャネルごとに追加のパッケージが必要です。

主要な Office アプリと共に Visio と Project を展開する

Microsoft 365 Apps と共に Visio および Project を展開する場合は、Configuration Manager で Office アプリケーションを作成するときに、その一部として Visio と Project を含めることができます。ライセンスとシステムの要件の詳細については、「Visio の展開ガイド」および「Project の展開ガイド」を参照してください。

Office 展開ツールの構成オプション

Office 展開ツールの概要

Office カスタマイズ ツールの概要

Microsoft 365 Apps の展開ガイド