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名刺アプリ作成のすすめ(Windows 8.1 アプリ開発入門) 第4回 ~ 開発ツールVisual Studioのプロジェクト ~

マイクロソフトの田中達彦です。
本連載では、Windows 8.1に対応した名刺アプリの作り方を通じて、アプリの開発方法を説明します。

今回はVisual Studioでアプリを作るときのプロジェクトについて説明します。

[プロジェクトとは]
Visual Studioでアプリを作るとき、最初に行うことがプロジェクトの作成です。
プロジェクトには、アプリを実行可能形式にするために必要なファイルが含まれます。
アプリの情報や、ビルドに関する情報もプロジェクトに含まれています。

プロジェクトには、いろいろな種類があります。
作りたいアプリにいちばん近いプロジェクトを作成し、それに機能を追加してアプリを完成させます。

[プロジェクトの種類]
プロジェクトは、開発言語および作りたいアプリの種類ごとにいくつも用意されています。
今回はVisual C#という開発言語を使用し、Windowsストアアプリを作ります。
プロジェクトとしては、以下のものが用意されています。

用意されているプロジェクトは、Visual Studioのエディションによって違います。
例えば、上記のスクリーンショットに含まれている「コード化されたUIテストプロジェクト」というプロジェクトは、Visual Studio Expressには含まれていません。

これらのプロジェクトの中で、UIを持ち、単体でアプリとして成立しているものは、「新しいアプリケーション」、「グリッド アプリケーション」、「ハブ アプリ」、「分割アプリ」の4つです。
それ以外は、ライブラリまたはテストのためのプロジェクトです。
それでは、UIを持ったプロジェクトを順に説明します。

新しいアプリケーション
いちばんシンプルなプロジェクトです。
ゲームのような、一画面で完結するようなアプリに向いています。
画面上にコントロールを貼り付け、UIを完成させていきます。

グリッド アプリケーション
情報閲覧系のアプリに適したプロジェクトです。
トップページ、グループごとのページ、個々の詳細ページの3階層の構造になっています。
新しいプロジェクトを作って起動すると、以下のような画面が表示されます。

このトップページのグループ名が表示された部分 (Group Title 1など) をクリックすると、以下のようなグループのページに遷移します。

ハブ アプリ
情報閲覧系のアプリに適したプロジェクトです。
グリッド アプリとの大きな違いは、トップページのレイアウトです。
グリッド アプリは、グループごとに同じ大きさで個々のアイテムを表示しています。
それに対してハブ アプリは、トップページに表示させる内容が画像だったり個々のアイテムだったりと、多種多様な方法で情報を表示させています。
新しいプロジェクトを作って起動すると、以下のような画面が表示されます。

Windows 8.1では、BingニュースやBingファイナンスなどのアプリが、このハブ アプリ形式になっています。

分割アプリケーション
2階層の情報閲覧用アプリのプロジェクトです。
トップページにはグループの一覧が表示され、グループをクリックすると以下のようにグループに含まれるアイテムを見ることができます。
左側にアイテムがリスト上に表示され、右側に選択しているアイテムの詳細が表示されています。

グリッド アプリとハブ アプリを組み合わせるなど、異なるプロジェクトのページを使用してアプリを作ることもできます。
今回作成する名刺アプリは、グリッド アプリとハブ アプリのプロジェクトを元に作成します。
以下のように、トップページやはハブ アプリのページを使用しています。

以下の著書一覧ページは、グリッド アプリのトップページを使用しています。

次回は、作成する名刺アプリの仕様を説明します。

[前後の記事]
第3回 開発ツールVisual Studioを使ってみる
第5回 作成するアプリの仕様

マイクロソフト
田中達彦