ちょっとひと言

これからの 5 年間

David Platt

David Plattこれまでの 5 年間はいかがでしたか。5 年前、「人間味」というタイトルでこのコラムに初めて寄稿しました。そのコラムでは、ひどい設計からわかるように、専門家は基本的にユーザーを誤解していると不平を述べました。「もっと論理的なものに進化することをどれだけ願おうとも、人間は人間であることをいつ何時もすぐにやめたりはしません。優れたアプリケーションはこのことを認識しており、人間が機械的になることを無駄に期待する代わりに、ユーザーに順応します」

現在でもこの原則が当てはまることは間違いありません。しかし、当てにならないカレンダーによれば、私がこのコラムを 2010 年 2 月に書いたことになっています。

当時は、今とはかけ離れた世界でした。Windows 7 は RTM から 4 か月しかたっていませんでした。現在では至る所で使われているモバイルはその分野すら存在しませんでした。iPhone は発売されてわずか 1 年でした。最も人気のあるアプリはビール ジョッキそっくりのアプリで、スマートフォンに口をつけて傾けるとジョッキの中身が減るというものでした。クラウドといえば Hotmail でしたし、娘はまだサンタクロースの存在を信じていました。

それから今までさまざまなことがありました。私をこの仕事に誘った敬愛なる編集長の Keith Ward はその後、VisualStudioMagazine.com (英語) への移籍を果たし、後継編集長の Michael Desmond に私を託しました。Michael の人生は、私のおかげでとても面白いことになっています。また、私はこのマガジンを発行しているマイクロソフトに敬意を抱いています。私がもらすやたらと多い批判を (ほとんど) すべて、文句を (あまり) 言うこともなく受け止めてくれます。

何より、電子メールや記事のコメントを通じて、あるいは講演会で直接読者の皆さんと会うのを楽しんでいます。皆さんがいることが、良いものを賞賛し、悪いものを酷評し、光を取り入れるコラムを書く理由です。私のことは、うるさ型、道化師、皮肉屋、へそ曲がり、ほら吹き、良心、世間知らずなど、お好きなようにお呼びください。文句をすべて 1 人で言うのはうんざりですから、仲間ができるのは歓迎です。

「このコラムをいつも最初に開きます」と言う読者もいれば、「インコのかごを並べるのに使っているよ、写真を上向きにしてね」と言う読者もいます。「このコラムを両親に読ませたいです。そうすれば、私の仕事についていくらか理解してもらえるでしょう」と言われると、非常に光栄です。

Lloyd の娘についてのコラム (aka.ms/k3so4r、英語) のように、書いていてつらいコラムもありました。2011 年は、亡くなった業界の著名人を称えることが多かったように思います。Ken Olsen (aka.ms/czi7w5)、Dennis Ritchie と Steve Jobs (aka.ms/xzape5、英語) について書きました。Simba (aka.ms/ar9yxu) について書いたこともありました。

良いアドバイスと悪意

これだけは言っておきます。マイクロソフトは私のアドバイスに従ってよくやっています。2011 年 6 月のコラム (aka.ms/d417jm) の忠告を受けて、PC を取り巻く状況を把握できていなかった状態からしっかりと脱しています。さらに最近の 2013 年 11 月のコラム「新 CEO へのアドバイス」(aka.ms/pjuinu) では、クラウドとサービスの会社になることをマイクロソフト本社に求めました。私が考えていたよりも速く、マイクロソフトはこの方向に進んでいます。ただ、やはりモバイル デバイスは扱いにくいようです。

私の洞察がすべて的中するわけではありません。次の「最大の言いまつがい」コラム (aka.ms/ktri5g) には何を書くことになるでしょうか。前回は、「Apple iPhone のリリースは大失敗に終わるだろう」という 2007 年の予言について書きました。これを上回る予言は難しいでしょうが、期待していてください。今のところ、Google Glass やスマート ウォッチが市場に売り出されるなど、ウェアラブル デバイスについてわかったようなことを私が言っていたとしたら、それはうそです。

テクノロジの移り変わりが速い一方で、ユーザーや世界に対するテクノロジの影響を理解する必要性はなかなか変わりません。必要に応じて、笑ったり泣いたりしながら、自分を一歩離れて見つめなおす必要性もです。私はこれを変えないことを約束します。皆さんの指針、娯楽、および思考の刺激となるために、見たものは見たとおりに呼び、危険な炎には油を注ぎ続けることを約束します。ロバート ハインラインの小説の登場人物、ラザルス ロングの「ここに一匹の猿がいてね。そいつはのぼりつづけるんだ。そして、まわりを見まわして、自分の見られるかぎりのものを見るんだな、樹の枝がもつかぎり」の言葉どおりに、行動し続けることを約束します。


David S. Platt は、ハーバード大学の公開講座や世界中の会社で .NET のプログラミングの講師をしています。『Why Software Sucks...and What You Can Do About It』(Addison-Wesley Professional、2006 年) や『Microsoft .NET テクノロジ ガイド』(日経BPソフトプレス、2001 年) などの、11 冊のプログラミング関連の書籍の著者でもあります。2002 年には、マイクロソフトから Software Legend に指名されました。David は、8 進法で数える方法を学べるように、娘の 2 本の指をテープで留めるかどうか悩んでいるところです。連絡先は rollthunder.com (英語) です。