編集長より

「新進気鋭」の紹介

Michael Desmond

Michael Desmond時代は変わります。

15 年も昔の 2000 年に Microsoft Professional Developers Conference (PDC) で、新しい Microsoft .NET Framework と、それに付属するかたちでマネージ言語の C# と Visual Basic .NET が公開されました。この発表はマイクロソフトの差し迫ったニーズを反映したもので、マネージ Java プラットフォームとプログラミング言語に興味があるビジネス開発者にアピールすることが目的でした。その結果、幅広い開発シナリオにサービスを提供するプラットフォームへと短期間に成長し、大きな成功を収めました。

時は流れて 2015 年、マイクロソフトは新たな変化に直面しています。Web、モバイル、クラウドの登場により、さまざまな開発分野で見直しが迫られています。Visual Studio のみを使用し、機能豊かな Windows クライアント PC とサーバーをターゲットにしていた企業が、現在では、スマートフォン アプリ、ハイブリッド Web アプリケーション、クラウド対応サービスなどの開発を余儀なくされています。マイクロソフトに目を向けると、このような複雑な世界への移行は、Apache Cordova、Xamarin、ユニバーサル Windows アプリのような、プラットフォーム向けのサポートに表れています。

マイクロソフトのプリンシパル ディレクターで、MSDN マガジンの編集チームを率いる Keith Boyd はインタビューに答えて、次のように話しています。「マイクロソフトは急速に変化しています。当社のビジネス モデルを形作っている文化という力が、当社の運営方針や、採用する社員の種類を大きく変えています」

実際のところ、Boyd によれば、開発空間に加わる若いプログラマは、Visual Studio、Microsoft .NET Framework、Windows の知識はほとんどないと言います。一方、ベテランの .NET 開発者の多くは、モバイル、クラウド、Web 開発に移行するために新しいスキルやツールを探し求めています。マイクロソフト (ひいては MSDN マガジン) はこのようなコーダーに目を向けなくてはならない、と Boyd は言います。そんなわけで、今月号から新しいコラム「新進気鋭」を開始し、この世界に足を踏み入れる開発者や新しい分野に挑戦する開発者が直面する課題やチャンスを取り上げていきます。

初回の「新進気鋭」コラムでは、Ryder Donahue がマイクロソフトに入社して感じたことを綴っています。優秀な若き開発者 Donahue は、マイクロソフト入社前、2013 年米国 Imagine Cup プログラミング大会で優勝し、ロシアのサンクトペテルブルクで開催された Imagine Cup 世界大会決勝に参加したチームのメンバーでした。

現在、Donahue は Windows の Xbox チームに所属し、Windows 10 向けの Xbox アプリに取り組んでいます。彼は挑戦するのが大好きですが、レドモンドでの最初の数か月は大変だったようです。彼は、今月のコラムに次のように書いています。「私にとって屈辱だったのは、1 日数千行のコードを書いていたのがわずか数行になってしまったことです。ときにはアプリケーションのコンパイルに半日も費やしてしまったこともあります」

開発者になったばかりの人に向けた彼のアドバイスは、新しいスキル セットに移行しようとするベテランにも当てはまります。最初の数か月は、期待を抑え、焦らないよう覚悟を決め、自分の立ち位置を認識することだと言います。さいわい、最新のアプリ開発に移行する開発者にとっては、ツールの最新の進化がメリットになります。

「ほんの 10 年前のアプリ開発と比べて、最新のアプリ開発が大きく違うと感じる点は、比較的短時間に、優秀で品質の高いものが作れる点です。開発者に提供されるツールや使用可能なリソースは、夢の中にあるアプリを現実のものにするのに非常に役立ちます。私は情熱のほとんどを最新アプリの開発に注いでいます。私のコラムを読んだことがきっかけになり、読者の皆さんが独自のすばらしいアプリを思いつき、作り出すことを願っています」

Boyd も同じ願いを抱いており、新しい開発分野に移行する開発者にとって、MSDN マガジンが重要な役割を果たすと信じています。

「私たちの目標は、若年であれ老年であれ、ベテランであれ駆け出しであれ、プロの開発者に情報を伝えるパイプとして、MSDN マガジンが使い続けられていくことです。最近の新卒者にも、年上の同僚と同じように、メールボックスに届くマガジンを見てわくわくしてほしいと願っています」


Michael Desmond* は、MSDN マガジンの編集長です。*