利用可能なリージョンとデータの保存場所

Azure Communication Services は、お客様が自身のプライバシーおよび個人データの要件を満たせるよう支援することを約束します。 アプリケーションの使用者と直接的な関係がある、Communication Services を使用する開発者は、場合によってはデータの管理者になります。 Azure Communication Services が代理でこの保存データを格納および暗号化しているため、Microsoft がこのデータの処理担当になる可能性が高くなります。 このページには、このサービスがデータを保持するしくみと、このデータを識別、エクスポート、削除する方法がまとめられています。

データの保存場所

Azure Communication Services リソースを作成する際は、(Azure データ センターではなく) 地理を指定します。 Communication Services によって格納されたすべてのチャット メッセージとリソース データは、Communication Services によって内部で選択されたデータ センター内のその地域で保持されます。 データは他の地域で転送または処理される可能性があります。 これらのグローバル エンドポイントは、高パフォーマンスかつ低遅延のエクスペリエンスを場所に関係なくエンドユーザーに提供するために必要です。

選択できる地理の一覧には、次のものが含まれます。

  • アフリカ
  • アジア太平洋
  • オーストラリア
  • ブラジル
  • カナダ
  • 欧州
  • フランス
  • ドイツ
  • インド
  • 日本
  • 韓国
  • ノルウェイ
  • スイス
  • アラブ首長国連邦
  • 英国
  • アメリカ合衆国

Note

WhatsApp の高度なメッセージングは次のリージョンでのみ使用できます。

  • アジア太平洋
  • オーストラリア
  • ヨーロッパ
  • イギリス
  • アメリカ合衆国

データ コレクション

Azure Communication Services では、サービスの配信に必要な診断データのみを収集します。

データ所在地とイベント

Azure Communication Services で構成された Event Grid システムのトピックはすべて、グローバルな場所に作成されます。 信頼できる配信をサポートするために、グローバル Event Grid システムのトピックは、イベント データを任意の Microsoft データセンターに格納することができます。 Azure Communication Services を使用して Event Grid を構成すると、自分の管理下にある Azure リソースである Event Grid にイベント データが配信されます。 Azure Event Grid を使用するように Azure Communication Services を構成することはできますが、Event Grid リソースとその中に格納されているデータの管理は、ご自身で行う必要があります。

Azure Communication Services の ID に人間を関連付ける

アプリケーションでは、人間のユーザーと Communication Services の ID の関係を管理します。 人間のユーザーのデータを削除する場合は、そのユーザーに関連付けられている Communication Services の ID すべてを含む、データを削除する必要があります。

Communication Services のデータには 2 つのカテゴリがあります。

  • API データ。 このデータ、たとえばチャット API を介して管理されるチャット メッセージは、Communication Services API で作成および管理されます。
  • Azure Monitor ログ。このデータは、このサービスによって作成され、Azure Monitor データ プラットフォームで管理されます。 このデータには、Communication Services の使用状況を把握するのに役立つテレメトリとメトリックが含まれます。

API データ

Identities

Azure Communication Services は、ID のディレクトリを保持しており、それらを削除するには DeleteIdentity API を使用します。 ID を削除すると、関連付けられているすべてのアクセス トークンが取り消され、そのチャット メッセージが削除されます。 ID の削除方法の詳細については、このページを参照してください。

  • DeleteIdentity

Azure Resource Manager

Communication Services と共に Azure portal または Azure Resource Manager API シリーズを使用すると、個人データを作成できます。 Azure Resource Manager システムで個人データを管理する方法を確認するには、このページを使用してください。

電話番号の管理

Azure Communication Services では、Communication Services リソースに関連付けられた電話番号のディレクトリが保持されます。 次の電話番号の管理 API を使用して、電話番号を取得して削除します。

  • Get All Phone Numbers
  • Release Phone Number

チャット

Azure Communication Services では、チャット メッセージが、削除されるまで無期限に格納されます。 チャット スレッドの参加者は、ListMessages を使用して、特定のスレッドのメッセージ履歴を表示できます。 チャット スレッドから削除されたユーザーは、以前のメッセージ履歴を表示できますが、新しいメッセージの送受信はできません。 誤って削除されたメッセージは、システムによって回復できません。

チャット API シリーズを使用すると、メッセージの取得、一覧表示、更新、削除を実行できます。

  • Get Thread
  • Get Message
  • List Messages
  • Update Message
  • Delete Thread
  • Delete Message

仮想予定を使用しているお客様については、Teams 会議でのチャット メッセージの保存に関する Teams の相互運用性 ユーザー プライバシー を参照してください。

sms

送受信された SMS メッセージは、サービスによって短時間で処理され、保持されません。

PSTN 音声通話

音声およびビデオによる通信はサービスによって短時間で処理され、通話処理データは Azure Monitor ログ以外のリソースに保持されません。

インターネットによる音声およびビデオ通話

音声およびビデオによる通信はサービスによって短時間で処理され、通話処理データは Azure Monitor ログ以外のリソースに保持されません。

通話レコーディング

通話レコーディングは、リソースの作成時に 48 時間選択された Data Location と同じ地域に一時的に格納されます。 この後、記録は削除され、ユーザーは安全で法令準拠した場所に記録を格納する責任があります。

電子メール

電子メール メッセージの内容は、リソースのプロビジョニング中にユーザーが指定したリソースの Data Location で処理するために短時間格納されます。 電子メール メッセージの配信ログは、ログを格納するワークスペースを定義するためユーザーが管理している Azure Monitor ログで使用できます。 ドメインの送信者ユーザー名 (すなわち MailFrom) の値は、明示的に削除されるまでリソースの Data Location に格納されます。 ハードバウンスされたメッセージになる受信者の電子メール アドレスは、迷惑メールや不正使用の防止と検出のため、一時的に保持されます。

Azure Monitor とログ分析

Azure Communication Services では、サービスの動作の正常性と使用状況を把握するため、Azure Monitor へのログ データのフィードを行います。 これらのログには、フィールド データとして Communication Services の ID や電話番号が含まれているものもあります。 個人データである可能性のあるデータを削除するには、Azure Monitor に対してこちらの手順を使用してください。 また、Azure Monitor で既定の保持期間を構成することもできます。

その他のリソース