Azure App Service Web アプリと API を保護する Defender for App Service の概要

前提条件

Defender for Cloud は App Service とネイティブに統合されており、デプロイやオンボーディングの必要はありません。統合は透過的です。

Microsoft Defender for App Service を使用して Azure App Service プランを保護するには、次のものが必要です。

  • 専用のマシンに関連付けられた、サポートされている App Service プラン。 サポートされているプランは、「可用性」に記載されています。

  • 強化されたセキュリティ機能の有効化に関する記事で説明されているように、Defender for Cloud の強化された保護がサブスクリプションで有効にされている。

    ヒント

    必要に応じて、Microsoft Defender for App Service などの個々の Microsoft Defender プランを有効にできます。

可用性

側面 詳細
リリース状態: 一般公開 (GA)
価格: Microsoft Defender for App Service は、価格ページに記載されているように課金されます。
課金は、すべてのプランのコンピューティング インスタンスの合計に基づいて行われます。
サポートされている App Service プラン: サポートされている App Service プランは以下の通りです。
• Free プラン
• Basic Service プラン
• Standard サービス プラン
• プレミアム v2 サービス プラン
• プレミアム v3 サービス プラン
• App Service Environment v1
• App Service Environment v2
• App Service Environment v3
クラウド: 商用クラウド
National (Azure Government、21Vianet によって運営される Microsoft Azure)

Microsoft Defender for App Service の利点

Azure App Service は、Web アプリや API の作成とホスティングに使用するフル マネージドのプラットフォームです。 フル マネージドのプラットフォームであるため、そのインフラストラクチャについて心配する必要はありません。 エンタープライズ クラスのパフォーマンス、セキュリティ、コンプライアンス要件を満たすための管理機能、監視機能、運用に関する分析情報を提供します。 詳細については、Azure App Serviceに関するページを参照してください。

Microsoft Defender for App Service では、クラウドのスケールを使用して、App Service で実行されるアプリケーションをターゲットとした攻撃が識別されます。 攻撃者は、Web アプリケーションをプローブして弱点を発見し、悪用します。 Azure で実行されているアプリケーションに対する要求は、特定の環境にルーティングされる前に、複数のゲートウェイを通過し、そこで検査され、ログに記録されます。 その後、このデータは、悪用や攻撃者を特定し、後で使用できる新しいパターンを学習するために使われます。

Microsoft Defender for App Service を有効にすると、この Defender プランで提供される次のサービスの利点をすぐに活用できます。

  • セキュア - App Service プランの対象となるリソースが Defender for App Service によって評価され、その結果に基づき、セキュリティ上の推奨事項が生成されます。 App Service リソースのセキュリティを強化するには、それらの推奨事項で詳しく説明されている手順を使います。

  • 検出 - Defender for App Service では次を監視することで、App Service リソースに対するさまざまな脅威を検出します。

    • App Service が実行されている VM インスタンスとその管理インターフェイス
    • App Service アプリとの間で送受信される要求と応答
    • 基になるサンドボックスと VM
    • App Service の内部ログ (Azure がクラウド プロバイダーとして備える可視性を利用)

クラウドネイティブのソリューションである Defender for App Service では、複数のターゲットに適用される攻撃手法を特定できます。 たとえば、単一のホストからでは、IP の小さなサブセットを起点として複数のホスト上の類似のエンドポイントをクロールする分散型の攻撃を特定することは難しいでしょう。

ログ データとインフラストラクチャを併用することで、流行している新しい攻撃からお客様のマシンのセキュリティ侵害に至るまで、そのストーリーを把握することができるのです。 そのため、Web アプリが悪用された後に Microsoft Defender for App Service がデプロイされた場合でも、進行中の攻撃を検出できる可能性があります。

Defender for App Service で検出できる脅威

MITRE ATT&CK 戦術による脅威

Defender for Cloud では、App Service リソースに対するさまざまな脅威が監視されます。 このアラートは、攻撃準備からコマンド アンド コントロールまで、ほぼすべての MITRE ATT&CK 戦術をカバーしています。

  • 攻撃準備の脅威 - Defender for Cloud では、攻撃者がアプリケーションの弱点をプローブするためによく使用する、複数のタイプの脆弱性スキャナーの実行を検出できます。

  • 初期アクセスの脅威 - これらのアラートには、Microsoft 脅威インテリジェンスが利用されています。たとえば、悪意のある既知の IP アドレスが Azure App Service の FTP インターフェイスに接続するとアラートがトリガーされます。

  • 実行の脅威 - Defender for Cloud では、高い特権のコマンド、Windows App Service での Linux コマンド、ファイルレス攻撃の動作、デジタル通貨マイニング ツール、およびその他多くの疑わしく悪意のあるコード実行アクティビティの実行試行を検出できます。

未解決の DNS の検出

App Service Web サイトが使用停止されたときに DNS レジストラーに残っている DNS エントリ (未解決 DNS エントリと呼ばれる) も Defender for App Service によって特定されます。 Web サイトを削除しても、そのカスタム ドメインを DNS レジストラーから削除しないと、その DNS エントリは存在しないリソースを指し示しており、サブドメインは乗っ取りに対して脆弱になります。 Defender for Cloud が DNS レジストラーをスキャンして "既存" の未解決 DNS エントリを検出することはありません。アラートが生成されるのは、App Service Web サイトの使用を停止したにもかかわらず、そのカスタム ドメイン (DNS エントリ) が削除されていない場合です。

サブドメインの乗っ取りは、組織にとって重大度の高い一般的な脅威です。 脅威アクターは未解決の DNS エントリを検出すると、宛先のアドレスに独自のサイトを作成します。 そうして組織のドメインに宛てられたトラフィックは脅威アクターのサイトに誘導され、悪意のある多様なアクティビティにそのトラフィックが利用されることとなります。

未解決の DNS の保護は、ドメイン管理に Azure DNS を使用しているか、外部のドメイン レジストラーを使用しているかに関係なく利用でき、Windows 上の App Service と Linux 上の App Service の両方に適用されます。

An example of an alert about a discovered dangling DNS entry. Enable Microsoft Defender for App Service to receive this and other alerts for your environment.

未解決の DNS とサブドメイン乗っ取りの脅威について詳しくは、「未解決の DNS エントリを防ぎ、サブドメインの乗っ取りを回避する」を参照してください。

App Service アラートの一覧については、アラートのリファレンス表を参照してください。

Note

カスタム ドメインが App Service リソースを直接参照していない場合や、未解決の DNS の保護が有効にされてから Web サイトへのトラフィックが Defender for Cloud によって監視されていない場合、未解決の DNS のアラートが Defender for Cloud からトリガーされない場合があります (カスタム ドメインの特定につながるログが存在しないため)。

次の手順

この記事では、Microsoft Defender for App Service について説明しました。

関連資料については、次の記事をご覧ください。