Azure から独立しているクラウドでの Azure PowerShell によるストレージの管理

ほとんどの人は、グローバルな Azure のデプロイに Azure パブリック クラウドを使用します。 主権などの理由から、Microsoft Azure の独立したデプロイもいくつかあります。 これらの独立したデプロイを "環境" と呼びます。次の一覧は、現在使用可能な独立したクラウドを示しています。

Note

Azure を操作するには、Azure Az PowerShell モジュールを使用することをお勧めします。 作業を開始するには、Azure PowerShell のインストールに関する記事を参照してください。 Az PowerShell モジュールに移行する方法については、「AzureRM から Az への Azure PowerShell の移行」を参照してください。

独立したクラウドの使用

いずれかの独立したクラウドの Azure Storage を使用するには、Azure パブリックではなく、そのクラウドに接続します。 Azure パブリックではなく、いずれかの独立したクラウドを使用するには:

  • 接続する "環境" を指定します。
  • 使用可能なリージョンを判断して、そのリージョンを使用します。
  • Azure パブリックとは異なる適切なエンドポイント サフィックスを使用します。

例を実行するには、Azure PowerShell モジュール Az バージョン 0.7 以降が必要です。 PowerShell ウィンドウで、Get-Module -ListAvailable Az を実行して、バージョンを確認します。 何も表示されない、またはアップグレードが必要な場合は、Azure PowerShell モジュールのインストールに関するページを参照してください。

Azure にログインする

Get-AzEnvironment コマンドレットを実行し、使用できる Azure 環境を確認します。

Get-AzEnvironment

接続するクラウドにアクセスできるアカウントにサインインし、環境を設定します。 次の例は、Azure Government Cloud を使用するアカウントにサインインする方法を示しています。

Connect-AzAccount -Environment AzureUSGovernment

China Cloud にアクセスするには、AzureChinaCloud 環境を使用します。 German Cloud にアクセスするには、AzureGermanCloud を使用します。

この時点で、ストレージ アカウントまたは別のリソースを作成する場所の一覧が必要な場合は、選択したクラウドで使用できる場所を Get-AzLocation でクエリできます。

Get-AzLocation | select Location, DisplayName

次の表は、German Cloud に対して返される場所を示しています。

場所 表示名
germanycentral ドイツ中部
germanynortheast ドイツ北東部

エンドポイント サフィックス

これらの環境でのエンドポイント サフィックスは、Azure パブリック エンドポイントとは異なります。 たとえば、Azure パブリックでの BLOB エンドポイント サフィックスは blob.core.windows.net です。 Government Cloud では、BLOB エンドポイント サフィックスは blob.core.usgovcloudapi.net です。

Get-AzEnvironment を使用してエンドポイントを取得する

Get-AzEnvironment を使用してエンドポイントを取得します。 エンドポイントは、環境の StorageEndpointSuffix プロパティです。

次のコード スニペットは、エンドポイント サフィックスを取得する方法を示しています。 これらすべてのコマンドは、"core.cloudapp.net" や "core.cloudapi.de" などを返します。サフィックスをストレージ サービスに追加して、このサービスにアクセスします。 たとえば、"queue.core.cloudapi.de" は、German Cloud 内のキュー サービスにアクセスします。

次のコード スニペットは、すべての環境とそれぞれのエンドポイント サフィックスを取得します。

Get-AzEnvironment | select Name, StorageEndpointSuffix 

このコマンドは、次の結果を返します。

名前 StorageEndpointSuffix
AzureChinaCloud core.chinacloudapi.cn
AzureCloud core.windows.net
AzureGermanCloud core.cloudapi.de
AzureUSGovernment core.usgovcloudapi.net

指定した環境のすべてのプロパティを取得するには、Get AzEnvironment を呼び出してクラウドの名前を指定します。 次のコード スニペットは、プロパティの一覧を返します。一覧から StorageEndpointSuffix を探します。 次の例は German Cloud に対するものです。

Get-AzEnvironment -Name AzureGermanCloud

結果は次の値のようになります。

プロパティ名
名前 AzureGermanCloud
EnableAdfsAuthentication False
ActiveDirectoryServiceEndpointResourceI http://management.core.cloudapi.de/
GalleryURL https://gallery.cloudapi.de/
ManagementPortalUrl https://portal.microsoftazure.de/
ServiceManagementUrl https://manage.core.cloudapi.de/
PublishSettingsFileUrl https://manage.microsoftazure.de/publishsettings/index
ResourceManagerUrl http://management.microsoftazure.de/
SqlDatabaseDnsSuffix .database.cloudapi.de
StorageEndpointSuffix core.cloudapi.de
... ...

ストレージ エンドポイント サフィックス プロパティだけを取得するには、特定のクラウドを取得し、その 1 つのプロパティだけを要求します。

$environment = Get-AzEnvironment -Name AzureGermanCloud
Write-Host "Storage EndPoint Suffix = " $environment.StorageEndpointSuffix

このコマンドは、次の情報を返します。

Storage Endpoint Suffix = core.cloudapi.de

ストレージ アカウントからエンドポイントを取得する

ストレージ アカウントのプロパティを確認して、エンドポイントを取得することもできます。

# Get a reference to the storage account.
$resourceGroup = "myexistingresourcegroup"
$storageAccountName = "myexistingstorageaccount"
$storageAccount = Get-AzStorageAccount `
  -ResourceGroupName $resourceGroup `
  -Name $storageAccountName 
  # Output the endpoints.
Write-Host "blob endpoint = " $storageAccount.PrimaryEndPoints.Blob 
Write-Host "file endpoint = " $storageAccount.PrimaryEndPoints.File
Write-Host "queue endpoint = " $storageAccount.PrimaryEndPoints.Queue
Write-Host "table endpoint = " $storageAccount.PrimaryEndPoints.Table

Government Cloud のストレージ アカウントでは、このコマンドによって次の出力が返されます。

blob endpoint = http://myexistingstorageaccount.blob.core.usgovcloudapi.net/
file endpoint = http://myexistingstorageaccount.file.core.usgovcloudapi.net/
queue endpoint = http://myexistingstorageaccount.queue.core.usgovcloudapi.net/
table endpoint = http://myexistingstorageaccount.table.core.usgovcloudapi.net/

環境をセットアップした後

これで PowerShell を使用し、ストレージ アカウントを管理し、BLOB、キュー、ファイル、テーブル データにアクセスできるようになりました。 詳細については、「Az.Storage」を参照してください。

リソースをクリーンアップする

この演習用に新しいリソース グループとストレージ アカウントを作成した場合は、リソース グループを削除することで、両方のアセットを削除できます。 リソース グループを削除すると、そのグループに含まれるすべてのリソースが削除されます。

Remove-AzResourceGroup -Name $resourceGroup

次のステップ