Azure Storage のレプリケーション

Microsoft Azure ストレージ アカウント内のデータは、持続性と高可用性を保証するため、常にレプリケートされています。 レプリケーションによりデータは同じデータ センター内か、2 番目のデータ センターにコピーされます。このコピー先は、選んだレプリケーション オプションによって変わります。 レプリケーションにより、データが保護され、一時的なハードウェアの障害が発生した際にアプリケーションのアップタイムが維持されます。 データが 2 番目のデータ センターにレプリケートされた場合、データは 1 次拠点で発生した致命的なエラーから保護されます。

レプリケーションにより、障害が発生しても、ストレージ アカウントはストレージのサービス レベル アグリーメント (SLA) を満たすことができます。 Azure Storage の持続性と可用性の保証については、SLA をご覧ください。

ストレージ アカウントを作成するときは、次のレプリケーション オプションのいずれかを選択できます。

読み取りアクセス geo 冗長ストレージ (RA-GRS) は、ストレージ アカウントを作成するときの既定のオプションです。

次の表は、LRS、ZRS、GRS、RA-GRS の違いについて、簡単に概要を示したものです。以降のセクションでは、それぞれのレプリケーションの種類について詳細に説明します。

レプリケーションの方法 LRS ZRS GRS RA-GRS
複数のデータセンター間でのデータのレプリケート いいえ はい あり あり
1 次拠点に加えて 2 次拠点からもデータの読み取り可能 いいえ いいえ いいえ はい
個別のノードで保持されるデータ コピーの数 3 3 6 6

さまざまな冗長オプションの料金情報については、「 Azure Storage 料金 」をご覧ください。

注意

Premium Storage でサポートされるのは、ローカル冗長ストレージ (LRS) だけです。 Premium Storage については、「 Premium Storage: Azure 仮想マシン ワークロード向けの高パフォーマンス ストレージ」をご覧ください。

ローカル冗長ストレージ

ローカル冗長ストレージ (LRS) は、ストレージ アカウントが作成されたリージョンのデータセンターでホストされているストレージ スケール ユニット内でデータを 3 回レプリケートします。 3 つのレプリカのすべてに書き込まれた場合にのみ、書き込み要求は正常に終了します。 これらの 3 つのレプリカはそれぞれ、1 つのストレージ スケール ユニット内の異なる障害ドメインとアップグレード ドメインに存在します。

ストレージ スケール ユニットは、ストレージ ノードのラックのコレクションです。 障害ドメイン (FD) は、障害の物理ユニットを表すノードのグループで、同じ物理ラックに属するノードと見なすことができます。 アップグレード ドメイン (UD) は、サービス アップグレード (ロールアウト) のプロセス実行時に同時にアップグレードされるノードのグループです。 3 つのレプリカは 1 つのストレージ スケール ユニット内の複数の UD と FD にわたって分散されるため、ハードウェア障害によって単一のラックが影響を受ける場合や、ロールアウト中にノードがアップグレードされる場合でも、データを使うことができます。

LRS は、コストが最も安いオプションであり、他のオプションと比較して最低の持続性を提供します。 データセンター レベルの障害 (火災、洪水など) が発生した場合は、3 つのレプリカすべてが失われたり、回復不能になる可能性があります。 このリスクを軽減するため、ほとんどのアプリケーションには geo 冗長ストレージ (GRS) が推奨されます。

それでも、ローカル冗長ストレージが望ましい場合があるシナリオもあります。

  • Azure Storage のレプリケーション オプションで最高の最大帯域幅を提供します。
  • 再構築が簡単なデータをアプリケーションで格納する場合は、LRS を選択することもできます。
  • 一部のアプリケーションは、データ ガバナンスの要件によって、国内でのみデータをレプリケートするように制限されています。 ペア リージョンは、他の国になる可能性があります。 リージョンのペアの詳細については、「Azure リージョン」をご覧ください。

ゾーン冗長ストレージ

ゾーン冗長ストレージ (ZRS) は、LRS と同様に 3 つのレプリカを格納するだけでなく、1 つまたは 2 つのリージョン内のデータセンター間で非同期的にデータをレプリケートするので、LRS よりも高い持続性を提供します。 ZRS に格納されたデータは、プライマリ データセンターが使用不能または回復不能な場合でも、持続可能です。 ZRS を使用する予定のお客様は、次の点に注意してください。

  • ZRS は、汎用ストレージ アカウントのブロック BLOB に対してのみ使うことができ、バージョン 2014-02-14 以降のストレージ サービスでのみサポートされます。
  • 非同期レプリケーションには遅延が伴うため、地域的な災害が発生した場合にデータをプライマリから復旧できないと、セカンダリにまだレプリケートされていない変更は失われる可能性があります。
  • Microsoft がセカンダリへのフェールオーバーを開始するまで、レプリカは利用できない場合があります。
  • ZRS アカウントを後で LRS または GRS に変換することはできません。 同様に、既存の LRS または GRS アカウントを ZRS アカウントに変換することはできません。
  • ZRS アカウントには、メトリックまたはログ機能はありません。

geo 冗長ストレージ

geo 冗長ストレージ (GRS) では、プライマリ リージョンから数百マイル離れたセカンダリ リージョンにデータがレプリケートされます。 ご使用のストレージ アカウントで GRS が有効になっている場合は、地域的な停電やプライマリ リージョンが復旧できない災害が発生しても、データは保持されます。

GRS が有効なストレージ アカウントでは、更新は最初にプライマリ リージョンにコミットされます。プライマリ リージョンでは、更新は 3 回レプリケートされます。 次に、更新はセカンダリ リージョンに非同期にレプリケートされます。セカンダリ リージョンでも、更新は 3 回レプリケートされます。

GRS では、プライマリ リージョンとセカンダリ リージョンの両方が、LRS で説明したように、ストレージ スケール ユニット内の異なる障害ドメインとアップグレード ドメイン間でレプリカを管理します。

考慮事項:

  • 非同期レプリケーションには遅延が伴うため、地域的な災害が発生した場合にデータをプライマリ リージョンから復旧できないと、セカンダリ リージョンにまだレプリケートされていない変更は失われます。
  • Microsoft がセカンダリ リージョンへのフェールオーバーを開始しない限り、レプリカは利用できません。 Microsoft がセカンダリ リージョンへのフェールオーバーを開始した場合、フェールオーバーの完了後、そのデータへの読み取り/書き込みアクセスができるようになります。 詳細については、「障害復旧のガイダンス」を参照してください。
  • アプリケーションでセカンダリ リージョンから読み取る場合は、RA-GRS を有効にする必要があります。

ストレージ アカウントの作成時に、アカウントのプライマリ リージョンを選択します。 セカンダリ リージョンはプライマリ リージョンに基づいて決定され、変更することはできません。 次の表に、プライマリ リージョンとセカンダリ リージョンのペアを示します。

プライマリ セカンダリ
米国中北部 米国中南部
米国中南部 米国中北部
米国東部 米国西部
米国西部 米国東部
米国東部 2 米国中央部
米国中央部 米国東部 2
北ヨーロッパ 西ヨーロッパ
西ヨーロッパ 北ヨーロッパ
東南アジア 東アジア
東アジア 東南アジア
中国東部 中国北部
中国北部 中国東部
東日本 西日本
西日本 東日本
ブラジル南部 米国中南部
オーストラリア東部 オーストラリア南東部
オーストラリア南東部 オーストラリア東部
インド南部 インド中部
インド中部 インド南部
インド西部 インド南部
米国政府アイオワ州 米国政府バージニア州
米国政府バージニア州 米国政府アイオワ州
カナダ中部 カナダ東部
カナダ東部 カナダ中部
英国西部 英国南部
英国南部 英国西部
ドイツ中部 ドイツ北東部
ドイツ北東部 ドイツ中部
米国西部 2 米国中西部
米国中西部 米国西部 2

Azure でサポートされているリージョンに関する最新の情報については、「Azure リージョン」を参照してください。

読み取りアクセス geo 冗長ストレージ

読み取りアクセス geo 冗長ストレージ (RA-GRS) では、GRS が提供する 2 つのリージョンにまたがるレプリケーションに加えて、2 次拠点のデータにも読み取り専用アクセスを提供することで、ストレージ アカウントの可用性が最大限に発揮されます。

セカンダリ リージョンのデータに対して読み取り専用アクセスを有効にすると、ストレージ アカウントのプライマリ エンドポイントだけでなく、セカンダリ エンドポイントのデータも使用できます。 セカンダリ エンドポイントはプライマリ エンドポイントと似ていますが、アカウント名に –secondary というサフィックスが追加されます。 たとえば、BLOB サービスのプライマリ エンドポイントが myaccount.blob.core.windows.net の場合、セカンダリ エンドポイントは myaccount-secondary.blob.core.windows.net になります。 ストレージ アカウントのアクセス キーは、プライマリ エンドポイントとセカンダリ エンドポイントの両方で同じです。

考慮事項:

  • RA-GRS を使うときは、通信対象のエンドポイントをアプリケーションで管理する必要があります。
  • 非同期レプリケーションには遅延が伴うため、地域的な災害が発生した場合にデータをプライマリ リージョンから復旧できないと、セカンダリ リージョンにまだレプリケートされていない変更は失われます。
  • Microsoft がセカンダリ リージョンへのフェールオーバーを開始した場合、フェールオーバーの完了後、そのデータへの読み取り/書き込みアクセスができるようになります。 詳細については、「障害復旧のガイダンス」を参照してください。
  • RA-GRS は高可用性を目的として作られています。 スケーラビリティのガイダンスについては、パフォーマンス チェックリストをご覧ください。

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