ビジネス インテリジェンス 2018 年 10 月リリースの概要

重要

このコンテンツはアーカイブされており、更新されていません。 最新のドキュメントについては、Microsoft Dynamics 365 製品のドキュメントを参照してください。 最新のリリース計画については、Dynamics 365 および Microsoft Power Platform のリリース計画を参照してください。

ビジネス ユーザーにソリューションのメリットをすばやく提供できるようにするため、Power BI では、事前パッケージ済みのコンテンツを利用できるようになったほか、レポートやダッシュボードを簡単に開発して共有できるようになりました。これによりユーザーは、独自のニーズに効果的に対応することができます。 分析情報へのアクセスがこのように容易になることは、組織がデータドリブンのビジネス手法を徹底させるうえで重要な鍵となります。

2018 年 10 月リリースでは、ビジネス インテリジェンスをエンタープライズ組織の全域に行き渡らせるためのイノベーションが複数導入されています。 (リリース ノートで説明されている機能は、まだリリースされていない場合があります。 提供タイムラインおよび予定されている機能は、変更される可能性、または出荷されない可能性があります (Microsoft ポリシーを参照)。

Power BI Desktop

Microsoft では、提案された機能に関するユーザーからの熱心なフィードバックに応えるため、一連の月次更新プログラムを通じて、215 以上の Power BI Desktop 機能を迅速に提供してきました。 今回の 2018 年 10 月リリースでは、レポートのユーザーが、データに関する特定の質問に答えるためのビジュアルを (レポートへの編集アクセス権がなくても) 作成できるようになったほか、マトリックス ビジュアルをピボット テーブルのように展開したり折りたたんだりできるようになりました。また、Q&A の使いやすさも改善されました。

Power BI 作成者向けの機能としては、デスクトップに複合モデルが追加されたことで、DirectQuery とインポートされたデータ ソースとのデータ マッシュアップが可能になり、データを追加の分析情報で補足できるようになりました。 また、新しいナビゲーション オプションが追加されたほか、テーマ化とブランディングの柔軟性が向上し、式ベースの書式設定も可能になったことで、リッチな Power BI コンテンツを簡単に作成できるようになりました。

Power BI Desktop では、AI と自然言語を使用して、作成者の作業を簡略化することができます。 Power BI の新しいテレメトリを使用して、ISV はアプリでの Q&A の使用状況を把握し、このデータを使用して Q&A の結果を改善できます。 また、クイック分析情報は、複雑なビジネス ロジックを使用した非加法メジャーにも対応しています。 これらの機能を使用することで、レポート作成者は AI と自分の専門知識の両方を活用し、ユーザーに最良の結果を提供することができます。

Power BI サービス

2018 年 10 月リリースで提供される新機能は、主に 2 つの領域に分類できます。ビッグデータとエンタープライズ BI です。

ビッグデータの操作

  • Common Data Model の利用開始 – Power BI では、Microsoft によって公開された Common Data Model がサポートされます。これは、標準でありながらも拡張可能な、ビジネス アプリケーション用のデータ スキーマ コレクション (エンティティ、属性、リレーションシップ) です。 ユーザーは、標準スキーマを使用することもできますし、独自のニーズに基づいてスキーマをカスタマイズすることもできます。これにより、他のデータ ソース (Microsoft やサードパーティのソース) によってデータをエンリッチする作業を簡略化し、分析を迅速化することができます。

  • ビッグデータに対応したセルフサービスのデータ準備 – Microsoft では、ビッグデータからの分析情報取得を支援する新機能によって、Power BI でのセルフサービス データ準備を拡張しています。 ビジネス アナリストは、Power BI Desktop や Excel の数百万人ものユーザーが使い慣れている、Power Query のエクスペリエンスを使用して、データの取り込み、変換、統合を行い、Power BI でデータをエンリッチすることができます。サポートされるデータ ソース (オンプレミスおよびクラウドベース) は幅広く、継続的に拡大されています (Dynamics 365、Salesforce、Azure SQL Data Warehouse、Excel、SharePoint など)。 ユーザーは、データを既知のエンティティに直接マップしたり、既存のエンティティを変更して拡張したり、ユーザー定義エンティティを作成することができます。またそれらの作業はすべて、Power BI 内で行うことができます。

  • Azure を使用した高度な分析と AI - Power BI と Azure Data Lake Storage との間でのデータ アクセスを統合することで、ロール間でのコラボレーションを強化しています。 ビジネス アナリストは、Power BI のセルフサービス機能を使用して、Azure Data Lake Storage に格納されたデータをシームレスに操作することができます。また、データ エンジニア、データ サイエンティスト、およびその他のユーザーは、補助となる Azure Data Services (Azure Data Factory、Azure Databricks、Azure Machine Learning など) の高度な分析機能や AI を使用して、分析情報へのアクセスを拡張できます。 たとえば、データ エンジニアは、データの追加、エンリッチ、オーケストレーションを行うことができますし、データ サイエンティストは、機械学習モデルを作成することができます。またビジネス アナリストは、他のユーザーの成果物や、Azure Data Lake Storage のデータを利用しながら、Power BI のセルフサービス ツールを使用して、分析情報を幅広く構築し、共有することができます。

エンタープライズ BI

  • Enterprise reporting – 今回のリリースでは、人気と信頼性を兼ね備えた SQL Server Reporting Services テクノロジを、Power BI で使用できるようになりました。これにより、統合性とセキュリティに優れたエンタープライズ規模のレポート プラットフォームを、あらゆるユーザーやデバイス向けに提供できるようになりました。 また、ピクセル パーフェクトなページ付けされたレポートを、Power BI の既存の対話型レポートと一緒に使用できるようになりました。

  • 展開先の拡充 – 展開の柔軟度が改善され、Power BI を展開できる地域が追加されたため、データをユーザーの近くに配置して、パフォーマンスを最適化すると共に、データの所在地要件に準拠することができます。

  • エンタープライズ規模の BI モデル – Microsoft では、SQL Server Analysis Services の全機能を Power BI に統合すると共に、セマンティック BI モデルに対応した拡張性の高いプラットフォームによって、サービスを拡張しています。 お客様は、独自のコンプライアンス要件に準拠しながら、高速性と可用性に優れた、管理しやすいレポートをユーザーに提供できます。 また Power BI では、増分更新や集約機能を使用することで、大量のデータに対するクエリを実行しながらも、迅速でインタラクティブなユーザー エクスペリエンスを維持することができます。

Power BI Mobile

Power BI Mobile アプリを使用すると、あらゆるデバイスにデータと分析情報を提供できます。 ビジネス ユーザーは、Power BI のダッシュボードやレポートに任意のデバイスから安全にアクセスし、モバイル用に最適化されたエクスペリエンス (Windows、iOS、Android に対応) でそれらを表示できます。 2018 年 10 月リリースの主な機能としては、Office アプリとの資格情報の共有、データ操作のコラボレーション機能、Windows に対するシングル サインオン、およびモバイルでのドリルスルーによる高度なデータ探索があります。

Power BI Embedded

2018 年 10 月リリースでは、次の機能が追加されています。

  • Power BI ソリューションの開発に必要なリソースを開発者に提供するデベロッパー センター。
  • Power BI Embedded ソリューションの自動エンド ツー エンド展開。
  • Azure 診断および Azure Health との統合。

Power BI Report Server

Power BI Report Server を使用すると、お客様は最新の Power BI レポートのメリットを享受しながら、政府機関や展開に関する固有の要件に準拠することができます。 Power BI Report Server の 2019 年 1 月更新プログラムでは、過去数か月間に Power BI Desktop でリリースされた機能の多くを利用することができます (メジャーに基づくドリルスルー、他の列に基づく条件付き書式など)。

Azure Analysis Services

Azure Analysis Services は、SQL Server Analysis Services の実績ある分析エンジンを、完全なマネージド ホスティング サービスとして提供するものです。 2018 年 10 月リリースでは、次の新機能が提供されます。

  • リソース ガバナンス プロパティ – クエリあたりの最大メモリ サイズや、結果あたりの最大行数を設定して、リソース使用の制御性を改善することができます。
  • MDX 列コントロール – 特定の列の MDX 使用をオフにして、処理時間とメモリ消費を劇的に減らすことができます。