インターフェイス (C++/CX)

[アーティクル]
04/03/2023

ref クラスは多くても 1 つの具象基底クラスからしか継承できませんが、任意の数のインターフェイスクラスを実装できます。インターフェイスクラス (インターフェイス構造体) 自体は、複数のインターフェイスクラスを継承 (または要求) でき、メンバー関数をオーバーロードすることができ、型パラメーターを持つことができます。

特性

インターフェイスには、以下の特性があります。

インターフェイスクラス (または構造体) は、名前空間内部で宣言される必要があり、その名前空間内で public または private のアクセシビリティを持つことができます。パブリックインターフェイスだけがメタデータに出力されます。
インターフェイスのメンバーには、プロパティ、メソッド、およびイベントを含めることができます。
すべてのインターフェイスメンバーは、暗黙的にパブリックであり、仮想です。
フィールドおよび静的メンバーは使用できません。
プロパティ、メソッドパラメーター、または戻り値として使用される型は Windows ランタイム型のみです。これには、基本型と enum クラス型が含まれています。

宣言と使用法

インターフェイスの宣言方法を次に示します。インターフェイスはクラス型または構造体型として宣言できます。

namespace InterfacesTest
{
    public enum class PlayState {Playing, Paused, Stopped, Forward, Reverse};

    public ref struct MediaPlayerEventArgs sealed
    {
        property PlayState oldState;
        property PlayState newState;
    };

    public delegate void OnStateChanged(Platform::Object^ sender, MediaPlayerEventArgs^ a);
    public interface class IMediaPlayer // or public interface struct IMediaPlayer 
    {
        event OnStateChanged^ StateChanged;
        property Platform::String^ CurrentTitle;
        property PlayState CurrentState;
        void Play();
        void Pause();
        void Stop();
        void Back(float speed);
        void Forward(float speed);
    };
}

インターフェイスを実装するには、ref クラスまたは ref 構造体で仮想メソッドと仮想プロパティを宣言し、実装します。インターフェイスおよび ref クラスの実装では、この例に示すように、同じメソッドパラメーター名を使用する必要があります。

public ref class MyMediaPlayer sealed : public IMediaPlayer
{
public:
    //IMediaPlayer
    virtual event OnStateChanged^ StateChanged;
    virtual property Platform::String^ CurrentTitle;
    virtual property PlayState CurrentState;
    virtual void Play()
    {
        // ...
        auto args = ref new MediaPlayerEventArgs(); 
        args->newState = PlayState::Playing;
        args->oldState = PlayState::Stopped;
        StateChanged(this, args);
    }
    virtual void Pause(){/*...*/}
    virtual void Stop(){/*...*/}
    virtual void Forward(float speed){/*...*/}
    virtual void Back(float speed){/*...*/}
private:
    //...
};

インターフェイス継承階層

インターフェイスは、1 つ以上のインターフェイスから継承できます。ただし、ref クラスまたは ref 構造体とは異なり、インターフェイスは継承インターフェイスメンバーを宣言しません。インターフェイス B がインターフェイス A から継承し、ref クラス C が B から継承する場合、C は A と B の両方を実装する必要があります。これを次の例に示します。

public interface struct A { void DoSomething(); };
public interface struct B : A { void DoSomethingMore();};

public ref struct C sealed : B
{
    virtual void DoSomething(){}
    virtual void DoSomethingMore(){}
};

インターフェイスのプロパティとイベントの実装

前の例に示したように、単純な仮想プロパティを使用してインターフェイスのプロパティを実装できます。また、実装するクラスでカスタムの get アクセス操作子および set アクセス操作子を提供できます。インターフェイスプロパティで、get および set アクセス操作子が両方ともパブリックである必要があります。

//Alternate implementation in MediaPlayer class of IMediaPlayer::CurrentTitle
virtual property Platform::String^ CurrentTitle
{
    Platform::String^ get() {return "Now playing: " + _title;}
    void set(Platform::String^ t) {_title = t; }
}

インターフェイスで取得専用または設定専用のプロパティを宣言する場合、実装するクラスは明示的に get または set アクセス操作子を提供する必要があります。

public interface class IMediaPlayer
{
    //...
    property Platform::String^ CurrentTitle
    {
        Platform::String^ get();           
    }
};

public ref class MyMediaPlayer3 sealed : public IMediaPlayer
{
public:
    //...
    virtual property Platform::String^ CurrentTitle
    {
        Platform::String^ get() {return "Now playing: " + _title;}
    }
private:
    Platform::String^ _title;
};

また、実装するクラスでイベントのカスタムの追加および削除メソッドを実装できます。

明示的なインターフェイスの実装

ref クラスが複数のインターフェイスを実装し、それらのインターフェイスに名前と署名がコンパイラと同じメソッドがある場合、次の構文を使用して、クラスメソッドが実装しているインターフェイスメソッドを明示的に示すことができます。

public interface class IArtist
{     
    Platform::String^ Draw();
};

public interface class ICowboy
{
    Platform::String^ Draw();
};

public ref class MyClass sealed : public IArtist, ICowboy
{
public:     
    MyClass(){}     
    virtual  Platform::String^ ArtistDraw() = IArtist::Draw {return L"Artist";}
    virtual  Platform::String^ CowboyDraw() = ICowboy::Draw {return L"Cowboy";}
};

ジェネリックインターフェイス

C++/CX では、Windows ランタイムのパラメーター化された型を表すために、generic キーワードが使用されます。パラメーター化された型は、メタデータに出力され、型パラメーターをサポートする言語で記述されたコードで利用できます。 Windows ランタイムは、一部のジェネリックインターフェイス (Windows::Foundation::Collections::IVector<T> など) を定義しますが、C++/CX でのパブリックユーザー定義ジェネリックインターフェイスの作成はサポートしません。ただし、プライベートジェネリックインターフェイスは作成できます。

ここで、Windows ランタイム型を使用してジェネリックインターフェイスを作成する方法を示します。

コンポーネント内のジェネリックユーザー定義 interface class を Windows メタデータファイルに出力することはできません。したがって、パブリックアクセシビリティを持つことはできず、他の .winmd ファイル内のクライアントコードでは実装できません。実装するには、同じコンポーネント内の非パブリック ref クラスを使用することが必要です。パブリック ref クラスは、プライベートメンバーとしてジェネリックインターフェイス型を持つことができます。

次のコードスニペットは、ジェネリック interface class を宣言してから、プライベート ref クラスに実装し、その ref クラスをパブリック ref クラスのプライベートメンバーとして使用する方法を示します。

public ref class MediaFile sealed {};

generic <typename T>
private interface class  IFileCollection
{
    property Windows::Foundation::Collections::IVector<T>^ Files;
    Platform::String^  GetFileInfoAsString(T file);
};

private ref class MediaFileCollection : IFileCollection<MediaFile^>
{
public:
    virtual property Windows::Foundation::Collections::IVector<MediaFile^>^ Files;
    virtual Platform::String^  GetFileInfoAsString(MediaFile^ file){return "";}
};

public interface class ILibraryClient
{
    bool FindTitle(Platform::String^ title);       
    //...
};

public ref class MediaPlayer sealed : public IMediaPlayer, public ILibraryClient
{
public:
    //IMediaPlayer
    virtual event OnStateChanged^ StateChanged;
    virtual property Platform::String^ CurrentTitle;
    virtual property PlayState CurrentState;
    virtual void Play()
    {
        auto args = ref new MediaPlayerEventArgs(); 
        args->newState = PlayState::Playing;
        args->oldState = PlayState::Stopped;
        StateChanged(this, args);
    }
    virtual void Pause(){/*...*/}
    virtual void Stop(){/*...*/}
    virtual void Forward(float speed){/*...*/}
    virtual void Back(float speed){/*...*/}

    //ILibraryClient
    virtual bool FindTitle(Platform::String^ title){/*...*/ return true;}

private:
    MediaFileCollection^ fileCollection;

};

ジェネリックインターフェイスは、アクセシビリティ、メンバー、要求リレーションシップ、基底クラスなどを管理する標準インターフェイス規則に従う必要があります。
ジェネリックインターフェイスは、 typename または classを指定する 1 つ以上のジェネリック型パラメーターを受け取ることができます。非型パラメーターはサポートされていません。
型パラメーターには任意の Windows ランタイム型を使用できます。つまり、型パラメーターには、参照型、値の型、インターフェイスクラス、デリゲート、基本型、またはパブリック列挙型クラスを指定できます。
クローズジェネリックインターフェイス は、ジェネリックインターフェイスから継承し、すべての型パラメーターに対して具象型引数を指定するインターフェイスです。これは、非ジェネリックプライベートインターフェイスを使用できる場所のどこにでも使用できます。
オープンジェネリックインターフェイス は、具象型がまだ提供されていない 1 つ以上の型パラメーターを持つインターフェイスです。これは型を使用できる場所のどこにでも使用できます。これには、別のジェネリックインターフェイスの型引数としての使用も含まれます。
パラメーター化できるのは、個々のメソッドではなくインターフェイス全体だけです。
型パラメーターを制約することはできません。
クローズジェネリックインターフェイスには、暗黙的に生成される UUID があります。ユーザーは UUID を指定できません。
インターフェイスでは、メソッドパラメーター、戻り値、またはプロパティでの現在のインターフェイスへの参照は、現在のインスタンス化への参照と見なされます。たとえば、IMyIntf は IMyIntf<T> を意味します。
メソッドパラメーターの型が型パラメーターの場合、そのパラメーターまたは変数の宣言では、ポインター、ネイティブ参照、またはハンドル宣言子なしで型パラメーターの名前が使用されます。つまり、"T^" を作成することはありません。
template 宣言された ref クラスは、プライベートである必要があります。それらは、ジェネリックインターフェイスを実装でき、テンプレートパラメーター T を汎用引数 T に渡すことができます。テンプレート化された ref クラスの各インスタンス化は、それ自体が ref クラスです。

インターフェイス (C++/CX)

特性

宣言と使用法

インターフェイス継承階層

インターフェイスのプロパティとイベントの実装

明示的なインターフェイスの実装

ジェネリックインターフェイス

関連項目

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その他のリソース

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インターフェイスのプロパティとイベントの実装

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ジェネリック インターフェイス

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