予算計画の概要

この記事では予算計画を紹介し、予算計画のコンフィギュレーションと予算計画プロセスの設定に役立つ情報が含まれています。

予算計画の概要

組織で実装される予算を作成する際には、予算計画を実行します。 組織は、予算作成のための組織のポリシー、手順および要件を満たすように、予算計画をコンフィギュレーションし、予算計画プロセスを設定します。

Microsoft Dynamics 365 for Finance and Operations, Enterprise Edition で使用されている概念と用語を理解すると、組織の予算計画の実装がより簡単になります。

重要な用語

  • 予算計画プロセス – 予算計画プロセスは、予算作成の組織階層で、予算計画が更新、ルーティング、確認、および承認される方法を決定します。 予算計画プロセスは法人で予算サイクルと組織にリンクされます。
  • 予算計画 – 予算計画には、予算サイクルの予算データが含まれます。 さまざまな目的に使用される複数の予算計画を設定できます。 たとえば、異なる組織単位に対しても、予算金額を作成するために、予算計画を使用することができます。また予算計画は比較したり、情報に基づいて決断を下す助けになります。
  • 予算計画シナリオ – 予算計画シナリオは、予算計画のデータのカテゴリを定義します。 数量などの、財務および測定単位クラスをサポートするために、予算計画シナリオを定義します。 財務予算計画シナリオの例には、前年の部門および部門の要求が含まれます。 明細行を使用する予算計画シナリオの例には、前年度のサポート コールおよびフルタイム相当 (FTE) のカウントが含まれます。
  • 予算計画ステージ – 予算計画ステージは、予算計画の開始から最終的な承認までの手順を定義します。 予算計画ステージは予算計画のワークフローに表示されます。
  • 予算計画のワークフロー – 予算計画のワークフローは、予算計画ステージにより構成され、また定義されます。 予算計画のワークフローは、予算作成のワークフローと関連付けられます。 予算作成ワークフローは、予算計画ステージを使用して予算計画を動かす自動化されたプロセス、または手動のプロセスです。

予算計画用語

一般的なタスク

予算計画を使用して次のタスクを実行できます。

  • 予算サイクルの売り上げ見込みおよび支出を定義する予算計画を作成します。
  • 複数のシナリオの予算計画を分析および更新します。
  • 予算計画を、確認および承認するために、ワークシート、妥当性ドキュメント、および他の添付ファイルと一緒に自動的に送ることができます。
  • 下位レベルの組織からの複数の予算計画を、組織の高レベルの単一の親予算計画に連結します。 また、組織で高レベルの 1 つの予算計画を作成して、下位レベルの組織に予算を割り当てることもできます。

予算計画は他の Microsoft Dynamics 365 for Finance and Operations モジュールと統合されます。 したがって、前の予算、実際の支出、固定資産、および人事管理の情報を取り込むことができます。 予算計画は Microsoft Excel や Microsoft Word とも統合されるので、これらのプログラムを使用して予算計画データの作業ができます。 たとえば、予算マネージャーは、部門の予算の要求を予算計画シナリオから Excel ワークシートにエクスポートできます。 データは、ワークシート内で分析、更新、および図表化され、予算計画明細行に公開できます。

予算計画コンフィギュレーション

予算計画を設定するために必要な設定の多くが 予算計画のコンフィギュレーション ページに含まれています。 次のセクションでは、予算計画をコンフィギュレーションする際に考慮する必要がある鍵となる要素のいくつかについて説明します。 コンフィギュレーションが完了した後で、予算計画プロセスを設定します。

予算計画スキーマの作成

オプションですが、推奨される最初のステップは、予算を編成するために組織の手順を示すスキーマを作成することです。 このスキーマを作成する任意の方法を使用できます。 次の図は、個別の予算計画のワークフローが組織のさまざまなレベルに対して作成される一般的な例を示します。 ステージは、各ワークフロー内で定義され、予算データを保持する各ステージに、特定のシナリオが割り当てられます。 タスクは、1 つのステージから次のステージへデータを移動するために実行されます。 たとえば、金額は、異なる勘定、承認、または他の確認のために割り当てるか、または集計できます。 この例では、斜体のテキストはステージの間では編集できないシナリオ、または過去のデータ、または前のステージで承認されたので、変更できないデータを示します。

予算計画汎用スキーマ

次の例では、本社が最初の予算のベースライン金額を見積、販売部門に配分します。 次に販売部門は見積を作成し、予測を本社に提出し、予算マネージャーはそれらを集計し予測を調整します。 最後に、予算マネージャーが確認および調整された予算金額を CFO に送信し、CFO はそれを確認し、最終調整を行い、承認します。

予算計画スキーマ例

予算計画の組織階層

組織階層 ページで、各予算計画プロセスの予算計画の階層として組織階層を指定できます。 予算計画の階層は、他の目的に使用される標準的な組織階層と一致させる必要はありません。 この階層は、データの集計および配布に使用されるため、別の構造にすることもできます。 例のスキーマでは、販売部門は予算と財務部門を含む本社より下のレベルです。 この構造は販売部門の工程を管理するために使用される構造とは異なる可能性があります。 1 つの組織階層のみを各予算計画プロセスに割り当てることができます。

詳細については、「組織と組織階層」を参照してください。

ユーザーのセキュリティ

予算計画は、ユーザーのアクセス許可を定義するために、2 つのセキュリティ モデルのうち 1 つに倣うことができます。 セキュリティ モデルを指定するには、予算計画のコンフィギュレーション ページで、予算計画のパラメーターを設定します。

予算計画ワークフロー ステージ

予算計画のワークフローが予算作成ワークフローと共に、予算計画の作成や発展の管理に使用されます。

予算計画のワークフローは、予算計画を実行するステージの順序付けセットで構成されます。 各予算計画のワークフローは、予算作成のワークフローと関連付けられます。 予算作成ワークフローは、Finance and Operations 全体で使用されるワークフローのタイプの 1 つです。 予算作成ワークフローは、予算計画を、ワークシート、妥当性、および添付ファイルと一緒に、確認と承認のために、組織内で回覧させることができます。

予算計画のコンフィギュレーション ページのワークフロー ステージ セクションで予算計画ワークフローを作成します。 ここでは、使用するステージおよび予算作成ワークフローを選択し、そのほかの設定をコンフィギュレーションします。

予算の階層の各レベルで予算計画のワークフローを作成するようにお勧めします。 その後、予算計画のワークフローのステージに対応する要素を含む予算作成ワークフローを割り当てます。 先ほど示した例のスキーマでは、1 つの予算計画ワークフローが販売部門用に作成され、別の予算計画ワークフローが本社用に作成されます。 予算作成ワークフローがステージを介して予算計画を移動します。

予算作成ワークフロー ページで、予算計画の予算作成ワークフロー作成します。 このプロセスは、Finance and Operations で他のワークフローを作成するプロセスに似ています。 次の図は、本社のワークフローの例を示します。

予算計画用のワークフロー予算作成

このワークフローには、販売部門への配賦、送信の集約、予算マネージャーによる確認、CFO による承認、各ステージ間のステージの切り替えなどの要素が含まれます。

予算計画のコンフィギュレーション ページの ワークフロー ステージ セクションで予算計画ワークフローごとに、予算作成ワークフローを割り当てます。

パラメーター、シナリオ、ステージ

予算計画のコンフィギュレーション ページの初期設定で、後のコンフィギュレーション手順の一部の構成要素を作成します。

  • パラメーター – パラメーターは、予算計画で適用するセキュリティ ルール、およびユーザーが予算計画シナリオの金額を詳細表示するために使用する財務分析コードを定義します。
  • シナリオ – シナリオは、予算計画に必要なデータのカテゴリを含みます。 数量などの、財務および測定単位クラスをサポートするために、予算計画シナリオを定義します。 予算計画では、シナリオは予算計画データの 1 つのバージョンを表します。 財務予算計画シナリオの例には、前年の販売および署名された契約が含まれます。 売り込み数およびフルタイム相当 (FTE) カウントは、数量を使用するシナリオの例です。
  • ステージ – ステージは予算計画の開始から最終的な承認までの手順を定義します。 予算計画ステージの例には、HQ ロールアップ、CFO の確認、および最終確認が含まれます。

配賦スケジュール

予算計画で、予算計画の明細行の金額または数量を 1 つのシナリオから別のシナリオ、または同じシナリオに対しても割り当てることができます。 たとえば、財務分析コードに対して変更を適用する場合、またはそのシナリオの金額の日付の変更を適用する場合に、同じシナリオを割り当てることができます。 配賦は 1 つの予算計画内または他の 1 つの予算計画から実行できます。

配賦スケジュールが、ワークフローの処理中に自動的に予算計画明細行を割り当てます。 [配賦方法] リストの次のいずれかの配賦方法を使用して配賦を実行できます。

  • [複数の期間に割り当て] – 期間割り当てキーを使用して、予算計画明細行を、ソース予算計画シナリオからターゲット シナリオの期間全域に配賦します。 注記: 期間に割り当てる前に、*期間割り当てカテゴリ* ページで、期間割り当てキーを設定する必要があります。
  • [分析コードへの配賦] - 予算計画明細行は、ターゲット シナリオ内の財務分析コード全域で、ソース予算計画シナリオから配賦されます。 注記: 分析コードに割り当てる前に、*予算配賦条件* ページで予算配賦条件を設定する必要があります。
  • [集計] - 予算計画の明細行は、関連付けられた予算計画のターゲット シナリオから、親予算計画のターゲット シナリオに集計されます。
  • [配分] – 予算計画の明細行は、親予算計画のソース予算計画シナリオから、関連付けられた予算計画のターゲット シナリオに分配されます。
  • [元帳配賦ルールの使用] – 選択された元帳配賦ルールに基づいて、ソース予算計画シナリオからターゲット予算計画シナリオに予算計画明細行を分配します。
  • [予算計画からのコピー] – 配賦のソースとして使用する別の予算計画を選択できます。

ステージの配賦

ステージ配賦は、ワークフローの処理中に予算計画ラインを自動的に割り当てるために使用されます。 ステージ配賦が使用されると、ターゲット シナリオの予算計画ラインは、予算計画の作成者またはレビュー担当者の介在なしで、明細行の作成および変更ができます。

ステージ配賦を設定する際、予算計画のワークフローおよびステージを配賦スケジュールと関連付けます。 予算計画のワークフローは、[*予算計画ステージ配賦*] 自動化ワークフロー タスクを使用する予算作成ワークフローに関連付ける必要があります。 ワークフローが指定されたステージに達すると、配賦は自動的に行われます。 この自動化タスクは、新しいシナリオの予算計画明細行の作成に使用できます。

この記事で先ほど示した例のスキーマでは、1 つの配賦が実行され、予算計画と本社のベースライン ステージのシナリオから、販売部門の見積ステージの予算計画とシナリオへと金額が振り替えられます。 次の図は、例のスキーマの関連するセクションを示します。

ステージ割り当て

また例のスキーマでは、予算計画および販売部門が提出したステージから、HQ ロールアップ ステージの親の計画に集約が実行されます。 次の図は、例のスキーマの関連するセクションを示します。

Aggregation

優先順位

設定した予算計画のカテゴリと目標を定義するために、予算計画優先順位を使用することもできます。 優先順位は、複数の予算計画の組織化、分類、および評価にも使用できます。 たとえば、健康および安全のための予算計画優先順位を作成し、その優先順位に割り当てられる予算計画を評価できます。 また、番号を割り当てて、すべての予算計画全域で予算計画にランクを付けることができます。

列とレイアウト

予算の数値が、行および列の予算計画に表示されます。 最初に列を定義してから、列の表示を定義するレイアウトを作成します。

列を定義するには、予算計画シナリオを選択します。 そのシナリオの明細行金額が予算計画に表示されます。 金額をフィルタ処理する期間を選択するか、または勘定科目に基づくフィルターを適用できます。

レイアウトを定義するときに、勘定分析コードを選択して、表示する予算計画の行を作成し、レイアウトの要素として列を選択します。 予算計画プロセスのさまざまなステージのデータを予算計画が表示するように、複数のレイアウトを作成できます。

予算金額の列に加えて、予算計画のプロジェクト、提案されたプロジェクト、資産および提案された資産フィールドの列を定義できます。 予算化された職位の列も定義できます。 このオプションは、従業員の予算を分析する必要がある場合、非常に便利です。

例のスキーマの場合、PY の販売、契約、およびシナリオの予測のために列を作成することもできます (次の図は、スキーマの関連するセクションを表示します)。 次に、会計年度期間の各四半期ごとにこれらのシナリオの 1 つまたはすべてを細分化します。これにより販売部門のマネージャーは各期間の正確な予測金額を入力できます。

列

各レイアウト要素 (列) が編集可能で、そのレイアウトに作成されたワークシート テンプレートすべてを使用可能にするかどうかも指定します。 見積のステージで使用されるレイアウトの例のスキーマでは、予測の列は編集可能ですが、PY の販売、および契約の列は読み取り専用です。

テンプレート

予算計画構成 ページの [レイアウト] セクション では、Excel テンプレートの生成、表示、またはアップロードもできます。 これらのテンプレートは追加の分析、図表、データ入力の機能を提供する各予算計画にリンクされているワークブックです。

各レイアウトのテンプレートを生成、表示、またはアップロードできます。 テンプレートの生成時には、レイアウトはロックされ、編集できません。 このロックはテンプレートの形式が予算計画のレイアウトに一致し、同じデータが含まれているということを保証するために役立ちます。 テンプレートが生成された後に、表示、編集ができます。 たとえば、テンプレートにグラフを追加するか、またはさらに外観をカスタマイズできます。

注意

テンプレートは、編集が完了した後にレイアウトにアップロードできるように、ユーザーがアクセス可能な場所に保存する必要があります。 これにより、レイアウトを使用する予算計画と共にテンプレートが使用されます。

説明

[レイアウト] セクションで割り当てることができる説明は、レイアウトに含まれる財務分析コードの名前を表示するために使用されます。 たとえば、ある組織が予算計画の主勘定番号の横に主勘定名の表示をする場合、不自然にディスプレイに表示されることを避けるために、他の財務分析コードの名前を除外することもできます。

予算計画プロセス設定

予算計画のコンフィギュレーションが完了した後に、予算計画プロセス ページの予算計画プロセスを設定できます。 予算計画プロセスは、予算作成の組織階層で、予算計画が更新、ルーティング、確認、および承認される方法を決定するルールの組み合わせです。

各予算計画プロセスで、最初に予算サイクルおよび元帳を選択します。 各予算計画プロセスには、1 つの予算サイクルと 1 つの元帳のみが関連付けられます。 [予算計画プロセス管理] クイック タブで予算の組織階層を選択後、グリッドに表示される組織のすべての責任センターに予算計画のワークフローを割り当てます。

同様の責任センターに予算計画ワークフローを割当てまたは変更するには、[ワークフローの割り当て] をクリックし、目的とする組織タイプおよび使用する予算計画ワークフローを選択します。 各予算計画のワークフローに関連付けられている予算作成ワークフロー ID がグリッドに自動的に追加されます。

[予算計画のステージ ルールとレイアウト] クイック タブ上にステージ ルールとテンプレートを定義すると、各予算計画フェーズに異なるルールのセットおよび既定のレイアウトを定義できます。 たとえば、販売部門の見積ステージで、ユーザーが予算計画の行を変更できても、行の追加は禁止することができます。 [提出済] ステージでは、ユーザーに行の表示を許可しますが、行の追加または変更を許可しません。ステージは既に完了済で、予算計画の変更を阻止する必要があるからです。 予算計画に使用できるレイアウトを選択するには、[代替レイアウト] をクリックします。

必要に応じて、[予算計画優先順位の制約] クイック タブで予算計画の優先順位を選択します。 次に予算計画で優先順位を選択します。

最後のステップは、[アクション] メニューを介して、予算計画プロセスを有効化することです。予算計画プロセスは有効化するまで使用できません。

[アクション] メニューで、既存のプロセスをコピーして新しいプロセスを作成することもできます。 この機能は、各予算サイクルで同じプロセス フローに従い、少しの変更を行うか、または変更を行なわない組織に役立ちます。

[アクション] メニューで、別の役立つコマンドは [予算プロセス状態の表示] です。 このコマンドは、計画のワークフロー ステータス、金額別および単位別集計、予算計画自体へのワンクリック ナビゲーションなどの関連するデータと共に、プロセス内の予算計画をグラフィック表示します。

予算計画プロセス状態