Web アプリをスケール アップする

完了

スケールアウトすると、Web アプリのより多くのインスタンスを実行できるようになります。 各インスタンスで使用できるリソースは、Web サービスをホストする App Service プランで使用される価格レベルによって決まります。 各価格レベルでは、提供されるコンピューティング パワーのほか、メモリ、および作成できるインスタンスの最大数が指定されています。

最初に比較的安価な価格レベルを使用して Web アプリをデプロイする場合、作業を開始するのにリソースは十分と考えられます。 しかし、Web サービスの需要が高まるか、より高いパワーを要する機能を追加した場合、リソースが不足する可能性があります。 このような場合は、より強力な価格レベルにスケール アップできます。

あなたは、ホテル予約システムで特別オファーやイベントによって生じる変動を超えて、訪問者数が着実に増加していることに気付きました。 また、会社は、追加のリソースを必要とする機能を Web アプリにさらに追加しています。 App Service プランの現在の価格レベルにおけるスケール アウトの上限に近づいているため、より多くのインスタンスと、より強力なハードウェアを提供するレベルにスケール アップする必要があります。

このユニットでは、高まるリソース要件を満たすために Web アプリをスケール アップする方法を学習します。

App Service プランの価格レベルとハードウェア レベル

App Service プランで利用可能な異なる価格レベルでは、それぞれ異なるレベルまたはリソースが提供されます。 Basic、Standard、および Premium レベルは、それぞれ異なる量のメモリと IO 容量を備えた A シリーズの仮想マシンに基づいています。 PremiumV2 および Isolated レベルは、Dv2 シリーズの仮想マシンに基づいています。 これらのレベルはそれぞれ、おおよそ 1 つ、2 つ、4 つの CPU に対応する 3 つのハードウェア レベルから成ります。 価格レベルとハードウェア レベルの詳細については、App Service の価格に関するページを参照してください。

Web アプリをスケール アップする

App Service プランをスケール アップまたはスケール ダウンするには、使用する価格レベルとハードウェア レベルを変更します。 Free レベルから開始し、要件に合わせて、必要に応じたスケール アップすることができます。 このプロセスは手動で行います。 特定のレベルに関連付けられたリソースが不要になった場合は、再びスケール ダウンすることもできます。

スケール アップにより、その時点で実行されているクライアント アプリに対するサービスが中断する可能性があります。 Web アプリのアクティブな呼び出し中にスケール アップが発生した場合は、サービスからのアプリの切断と再接続が必要になることがあります。 また、スケーリングが終了するまで、新しい接続が拒否される可能性があります。 さらに、スケール アップにより、Web アプリの送信 IP アドレスが変更される可能性もあります。 Web アプリが、着信トラフィックを制限するファイアウォールを備えたその他のサービスに依存する場合は、これらのサービスを再構成する必要があります。

スケール アウトと同様に、スケール アップまたはダウンで目的の効果を確実に得られるように、システムのパフォーマンスを監視する必要があります。 また、スケール アップとスケール アウトが連携し合うことを理解しておくことも重要です。 ご利用の価格レベルに使用できるインスタンスの最大数までスケール アウトする場合、さらにスケール アウトする前にスケール アップする必要があります。