チャットボットの構築オプション
Microsoft では、チャットボットを構築するためのオプションを数多くご用意しています。
Azure Bot Framework
Azure Bot Framework Composer
Microsoft Copilot Studio
Azure Bot Framework
Microsoft Azure Bot Service は Azure Bot Framework に含まれる一連の SDK およびツールです。カスタムなボットと仮想アシスタントを、開発者がコードを使用して作成および展開することができます。 Azure Bot Service は、ボットを開発するためのマネージド サービスです。
ボットは Microsoft Azure App Service の Web Apps 機能を使用して通信を処理し、メッセージの受信や応答の送信を行います。 ボットは Web アプリケーションと似た方法で要求を受け取り、応答を返します。 データベースへのアクセスや、他のサービスへの API の呼び出し、ファイルの読み取り、そして計算などの操作を、他のアプリケーションのように実行することができます。
メッセージを受信してユーザーに応答を返すプロセスは、ターンと呼ばれます。 人間どうしで会話するとき、人は互いに 1 回ずつ、つまり順番 (ターン) に話します。 ボットも同じように、ユーザーのインプットに順番に応答します。
開発者は、Azure Cognitive Services に含まれる Language Understanding (LUIS) サービスを使用して Azure Bot Service のボットに接続し、言語の理解をボットに追加することで会話を可能にします。 また、QnA Maker で作成されたサポート情報を使用できるボットを開発することもできます。
Azure Bot Service には、ボットを一度構築するだけで、Facebook や Slack などの他の複数のチャネルにも、コードを変更することなくボットを展開できるという利点があります。 Azure Bot Service は、これらのチャネルとボットの間の通信を管理し、ボットが接続先のチャネルの形式で生成したメッセージを受け取って処理することができます。
Azure Bot Framework で作成されたボットは、Microsoft Copilot Studio のボットと統合できます。
Bot Service テンプレート
Bot Service には、ボットの構築を始める際に便利なテンプレートが含まれています。 Azure Portal でボットを作成する場合は、ユーザーのインプットをそのまま返す エコー ボット テンプレートと、LUIS を含む コア ボット テンプレートのいずれかを選択できます。
Bot Framework Composer
Bot Framework Composer はビジュアルなユーザー インターフェイスを備えるボット構築ツールです。これを使用して会話のフローを作成したり、応答を生成したりできます。 Bot Framework Composer が Azure Bot Service に追加されたのは最近のことです。現在も開発が続けられており、今後も機能が追加される予定です。
Bot Framework Composer には次の機能があります。
会話のフローをビジュアルに編集できるキャンバス。
LUIS と QnA コンポーネントを作成および管理するためのツール。
強力な言語生成およびテンプレート システム。
すぐに使用できるボット ランタイムの実行可能プログラム。
Bot Framework Composer を使用すると、コードを作成することなくボットを構築できます。また、LUIS と QnA Maker にも対応しています。
Microsoft Copilot Studio と Bot Framework Composer にはいくつか類似点があります。 どちらもコードなしでボットを構築できるキャンバスが用意されているという点が似ています。 一方で、この 2 つには機能やテクノロジの面で重要な違いもあります。 たとえば、Microsoft Copilot Studio のトピックは、Bot Framework Composer ではダイアログと呼ばれます。
Bot Framework Composer はオープン ソースであり、Microsoft Windows、Linux、macOS のマルチプラットフォーム サービスをサポートしています。 詳細については、GitHub の Bot Composer を参照してください。
Bot Framework Composer を使用してボットを作成すると、カスタムなコンテンツを作成して Microsoft Copilot Studio に追加できます。
QnA Maker
QnA Maker は、既存のドキュメントや Web サイトから検索可能なサポート情報を作成できるサービスです。 このサポート情報には、自然言語を処理する機能が組み込まれているため、 QnA Maker のサポート情報をボットや他のアプリケーションで使用することで、FAQ タイプの質問に回答することが可能になります。
QnA Maker からボットが提供されることはありませんが、Azure Bot Service のボットを QnA Maker サポート情報からすばやく簡単に、コードを作成することなく生成できます。
サポート情報は、質問と回答の対で構成されます。 この質問と回答は、次に示すさまざまな方法で作成できます。
既存のドキュメントから抽出する
Web ページから抽出する
手動入力
QnA Maker のサポート情報と Microsoft Copilot Studio のボットを、Power Automate を使用して統合することができます。
Microsoft Copilot Studio
Microsoft Copilot Studio のコパイロットは AI を活用したチャットボットです。これを使用すると、繰り返し行われる簡単な対話の処理をコパイロットに処理させることで、より複雑で価値の高い作業に集中できるようになります。 Microsoft Copilot Studio では、コード不要の使いやすいグラフィカル インターフェイスを Web ブラウザーから操作しながらコパイロット (チャットボット) を作成できます。
Microsoft Copilot Studio のコパイロットでは、顧客や従業員との対話、質問への回答、および情報の提供が行えます。 自分の Web サイトや Facebook、Microsoft Teams など複数のチャネルに、Microsoft Copilot Studio を展開することができます。
Microsoft Copilot Studio のチャットボットは、データ科学者や開発者がいなくても、簡単に作成できます。
Microsoft Copilot Studio は Azure Bot Framework を基に構築されているため、Bot Framework の機能を、コードを必要としない環境で使用することができます。
Microsoft Copilot Studio を使用すると、社内や外部の簡単な要件を数多く満たすことができます。また、領域の専門家 (SME) と一緒に、または専門家が使用するようにも作られています。
Microsoft Copilot Studio でコパイロットを作成するユーザーは、テナント ライセンスとユーザー ライセンスが必要です。
ソリューション アーキテクトは、どのボット テクノロジを採用するか、あるいはどのテクノロジを組み合わせてソリューションに使用するかを判断しなくてはなりません。 チームに備わるスキルや、ボットが既に展開されているかどうか、ボットの要件の複雑さなどを考慮して判断をしてください。