データ モデリング

完了

Microsoft Power Platform のデータ モデリングは、データ アーキテクチャのデータ全体図を検証し、コネクタを使用することで Dataverse、Data Lakes、および外部ソースからの論理的データが含まれます。

データ モデルでは、統一モデリング言語 (UML)、IDEF1X、その他を含むさまざまなタイプや標準を利用できます。 特定のデータ モデルの標準についてはこのユニットでは扱いませんが、Dataverse データ構造のデータ モデルは、通常 2 つの一般的なカテゴリに分類されます。

  • 論理データ モデル
  • 物理データ モデル

エンティティ関係図

論理データ モデルは、システム内でデータがどのように流れるかを示すハイレベルの図です。 多くの場合、論理データ モデルは、探索時およびすべての列が定義される前のプロジェクトの開始時に一緒に配置されます。 通常、論理データ モデルの図では、スキーマ名ではなく、エンティティのビジネス名を使用します。

次の論理データ モデルの図は、物理的な実装を考慮せず、ソリューション内のデータの流れを表しています。

顧客向けの論理データ モデルの図。

物理データ モデルは、論理データ モデルよりも下位レベルです。 一般的に、列レベルの詳細と正確なデザインの関連性が含まれます。 物理データ モデルは、ハイレベルの論理デザインが物理エンティティに変換されるときに作成されます。

物理データ モデルの図では、Dataverse、Microsoft Azure Data Lake Storage、Analysis Services コネクタ、または他のデータ ストアとの境界を示す必要があります。

テーブルや列を示す物理データ モデルの図。

また、オブジェクト図を作成することもできます。 オブジェクト図を作成することで、理解すべきことと、理解する必要のないことを区別できます。 オブジェクト図の作成は、ドメイン専門家とのモデリング セッションで行う必要があります。

リレーションシップを示すオブジェクト図の画像。

データ モデリング戦略

データ モデルを構築する際は、次のガイドラインを考慮します。

  • 主要なテーブルとリレーションシップから着手する - 課題全体を見ると脱線しがちです。問題の細かい部分を解決した後で全体像を捉える方がはるかに簡単です。
  • 過剰な正規化 - データ アーキテクチャに豊富な経歴を持つメンバーがいるチームでは、Dataverse データ モデルを従来の SQL Server データベースと同様に構築しようとしがちです。 そのため、ユーザー エクスペリエンスが低下し、余分なプロセスが必要になる場合があります。 ソリューション アーキテクトは、このようなメンバーと協力して、目標を理解するためにユーザー エクスペリエンスにおけるリレーションシップの原因と結果を特定する必要があります。
  • 現在のニーズ - Dataverse では、アジャイル プロセスを使って少しずつ構築することができますが、短・中期の目標を持つことは基盤を作るのに役立ちます。 将来、考え得るすべての要件を識別しようとすることに集中しすぎないようにします。
  • 概念実証 - Dataverse は、環境を作成し、モデルを試して削除し、再度モデルを作成するプロセスを簡素化します。 同じデータ モデリングの課題を 2 つのチームに割り当てて競い合わせることで、有益な結果が得られる場合もあります。

データ モデリングに影響する要因

データ モデルは次の条件により影響を受ける可能性があります。

  • セキュリティ要件 - ソリューション アーキテクトは常に簡素化を目指すことが重要ですが、簡素化によってデータ モデルの要件が増える可能性があります。
  • ユーザー エクスペリエンス - 正規化やリレーションシップを追加する中で、ユーザーがアプリをうまく使えるようにするための構成要素を作成する必要があることを忘れがちです。
  • データの場所と保持 - データには保存できないものがあります。 多くの場合、サービスのデータはキャッシュできないため、企業はデータの使用を管理する社内方針を定めています。 一部のデータは政府が定める法律によって保護されているほか、ID 情報やクレジット カード番号などは、保存に関して一定の要件があります。
  • セルフサービスのレポート - データ モデルの操作でデータ アーキテクトが必要な場合、Power BI の多くのツールや Excel へのエクスポートはユーザーにとって有益ではなくなります。 Dataverse のセルフサービス機能のほとんどで、1 レベルのリレーションシップを操作できます。
  • 既存のシステム - システムがレガシ システムかどうか、API が存在するかどうか、データにアクセスできるか、またコピーできるかどうかを検討します。
  • ローカライズ - 多地域、多言語、複数通貨に関する要件が存在するか検討します。