サービス レベル アグリーメント (SLA) や権利を含む、サポート案件のライフサイクルについて説明する

完了

Dynamics 365 Customer Service を使用すると、サポート案件を簡単に処理および管理できます。 また、携帯電話、タブレット、PC など、どのプラットフォームで使用する場合でも、同じ方法でユーザーが操作できます。

サポート案件ライフサイクル管理では、割り当てられたサポート案件レコードの管理および解決に役立つ複数の機能を使用します。

  • セッション管理: [セッション] タブを使用して、エージェントは複数の顧客に同時に対応できます。 この機能により、顧客との会話のコンテキストや詳細を失わずに効率を高め、セッション間を移動できます。

  • タイムライン: 関連するサポート案件活動が表示されます。 サポート案件に関連する活動に費やした時間を記録して、顧客に請求する時間を決定します。

    • たとえば、エージェントがある顧客に 3 回電話をかけ、毎回 15 分通話が続いた場合、45 分間を顧客に請求します。
  • 関連: サポート案件レコードから直接サポート情報をすばやく検索できるようになります。 サポート案件レコードのデータは、検索条件を入力するために使用されます。

    • 特定されたナレッジ記事は、ケースから直接顧客に電子メールで送信し、ケース レコードに添付できます。 このレコードは、将来、担当者が同様のサポート案件を処理する際に役立ちます。
  • スマート アシスト: 顧客からの問い合わせに対応するエージェントに提案をインテリジェントに提供する、AI を基盤に開発されたボットです。 Dynamics 365 Customer Service にはあらかじめ、ナレッジ記事を提案するモデルと、類似のサポート案件を提案するモデルの 2 つが含まれています。

  • ビジネス プロセス フロー: 自動化されたビジネス プロセスを使用して、ガイド付きプロセス フローを定義し、担当者が問題を解決するのを支援できます。 分岐などの機能を使用すると、サポート案件のデータが変更されるたびにビジネス プロセスのステージが動的に変更されます。 ビジネス プロセス フローにより、エージェントは対応している特定のサポート案件に基づいて、最適なビジネス プロセスを利用できるようになります。

自動化されたビジネス プロセス フローのスクリーンショット。

権利と SLA

サポート組織は、その業務の中で顧客のニーズを満たし、顧客との約束を守る必要があります。 顧客によるサポートへの期待に応えるために、顧客にサポート契約を提供するという方法があります。 サポート契約により、顧客には通常、指定された期間について、指定された量のサポートを受ける権利が与えられます。 例を挙げると、Contoso Coffee が顧客に 6 か月間に 10 時間まで、電話でのサポートを受けられる権利を与える、というようなことです。 そうでない場合、Contoso Coffee はある特定の製品のサポート案件を 15 件開始しなくてはならないでしょう。

また別の方法として、応答時間と解決時間を測定することでも、顧客へのサポートを成功させることができます。 問題の報告者や種類などの要因に基づいて、さまざまな時間枠を項目に関連付けて約束することができます。

たとえば、組織とサポート契約を結んでいる顧客に対し、サポート契約を結んでいない顧客よりも短い応答時間で対応することを約束します。 Dynamics 365 Customer Service を使用すると、顧客に約束したサービスを 2 つのメカニズムで管理することができます。

  • サービス レベル アグリーメント: サポート案件に開始時に必要な手順を追跡および定義します。 SLA には、サポート エンジニアによる初期対応時間や、サポート案件の解決に要する時間などを定義します。

  • 権利: 顧客に提供すべきサポートのレベルと種類が定義された契約。

サービス レベル アグリーメント (SLA) は、顧客にサポートを提供する際に要求されるサービス レベルを満たすために役立ちます。 Dynamics 365 Customer Service の SLA では、送られてくるすべてのサポート案件について、初期の応答時間や解決に要する時間などの一般的な主要業績評価指標 (KPI) を追跡できます。

次の図は、約束するサービスのレベルが異なるさまざまな種類の顧客に対する典型的な SLA の概要を示しています。

典型的な SLA を示す図。

権利では、顧客に対して約束された具体的なサポートの詳細が定義されています。 サポートを提供する期間、サポート案件の数、時間の長さなどを定義します。 たとえば、顧客はヘルプ デスク チームに 35 回電話をかけることができる、といった場合です。 あるいは、顧客がマルチ チャネルのコミュニケーションで合計 100 時間まで技術サポートが受けられるようにできる場合があります。

Dynamics 365 Customer Service の権利では、これらの種類のインスタンスをサポートすることができます。また、次のようなさまざまなシナリオを管理および強制するために使用できます。

  • 保証契約の管理

  • サービス固有の契約

  • インシデントに基づくサポート契約

  • 時間に基づくサポート契約