ドキュメントで作業ウィンドウを自動的に開く

Office アドインでアドイン コマンドを使用して、Office リボンにボタンを追加することで Office UI を拡張できます。ユーザーがコマンド ボタンをクリックすると、アクション (作業ウィンドウを開くなど) が実行されます。

いくつかのシナリオでは、ドキュメントを開いたときに、ユーザーの明示的な操作なしで、自動的に作業ウィンドウを開くことが必要になります。AddInCommands 1.1 要件セットに導入されている、作業ウィンドウの Autoopen 機能は、作業ウィンドウを自動的に開く必要があるシナリオで使用できます。

Autoopen 機能と作業ウィンドウの挿入の相違点

ユーザーがアドイン コマンドを使用しないアドイン (Office 2013 で実行するアドインなど) を起動すると、それらはドキュメントに挿入され、そのドキュメントに永続化されます。その結果として、別のユーザーがドキュメントを開くと、そのユーザーにアドインのインストールを求めるダイアログが表示され、作業ウィンドウが開きます。このモデルの問題点は、多くの場合、ユーザーの意に反してドキュメントにアドインが永続化することです。たとえば、Word ドキュメントで辞書アドインを使用する学生は、そのドキュメントを同級生や教師が開いたときに、アドインのインストールを求めるダイアログが表示されることを望まない場合もあります。

Autoopen 機能では、特定のドキュメントに特定の作業ウィンドウ アドインを永続化させるかどうかをユーザーが明示的に定義できます。

サポートと可用性

現時点では、Autoopen 機能は次の製品およびプラットフォームでサポートされています。

製品 プラットフォーム
  • Word
  • Excel
  • PowerPoint
  • Windows デスクトップ版 Office。 ビルド 16.0.8121.1000+
  • Office for Mac。 ビルド 15.34.17051500+
  • Office Online

ベスト プラクティス

Autoopen 機能を使用するときには、次に示すベスト プラクティスを適用してください。

  • Autoopen 機能は、アドイン ユーザーの作業効率の向上に役立つ場合に使用します。たとえば、次の場合に使用します。
    • 適切に機能するには、ドキュメントにアドインが必要になる場合。たとえば、アドインで最新の情報に定期的に更新される在庫の値が含まれているスプレッドシート。最新の値が維持されるように、アドインはスプレッドシートが開かれたときに自動的に開かれる必要があります。
    • 特定のドキュメントでユーザーが常にアドインを使用する可能性が高い場合。たとえば、バックエンド システムから情報を取得して、ドキュメントのデータを設定または変更することでユーザーを支援するアドイン。
  • Autoopen 機能はユーザーがオン/オフできるようにします。アドインの作業ウィンドウが自動的に起動されないようにするオプションをユーザーの UI に含めます。
  • 要件セットの検出を使用して Autoopen 機能が利用可能かどうかを確認し、利用できない場合はフォールバック動作を提供します。
  • アドインの使用率を人為的に増やすために、Autoopen 機能を使用しないでください。特定のドキュメントでアドインが無意味に自動的に起動すると、ユーザーを不快にすることになります。

    注:Microsoft では、Autoopen 機能の乱用を見つけた場合は、そのアドインを Office ストアから排除することがあります。

  • この機能は、複数の作業ウィンドウを固定するために使用しないでください。1 つのドキュメントで自動的に開くアドインのウィンドウは 1 つのみ設定できます。

実装

Autoopen 機能を実装するには:

  • 自動的に開く作業ウィンドウを指定します。
  • 作業ウィンドウを自動的に開くドキュメントにタグ設定します。

重要: 自動的に開くように指定したウィンドウは、アドインがユーザーのデバイスに既にインストールされている場合にのみ開きます。ユーザーがドキュメントを開いたときに、アドインがインストールされていない場合、Autoopen 機能は動作せずに、設定は無視されます。また、アドインをドキュメントと共に配布する必要がある場合は、可視性プロパティを 1 に設定する必要があります。これは、OpenXML を使用する場合にのみ実行できます。例についてはこの記事で後述します。

手順 1:開く作業ウィンドウを指定する

自動的に開く作業ウィンドウを指定するには、TaskpaneId の値を Office.AutoShowTaskpaneWithDocument に設定します。この値は 1 つの作業ウィンドウにのみ設定できます。この値を複数の作業ウィンドウに設定すると、最初に見つかった値が認識され、その他は無視されます。

次の例では、Office.AutoShowTaskpaneWithDocument に設定された TaskPaneId の値を示しています。

<Action xsi:type="ShowTaskpane">
    <TaskpaneId>Office.AutoShowTaskpaneWithDocument</TaskpaneId>
    <SourceLocation resid="Contoso.Taskpane.Url" />
</Action>

手順 2:作業ウィンドウを自動的に開くよう、ドキュメントにタグを設定する

Autoopen 機能をトリガーするよう、2 つのうちどちらかの方法でドキュメントにタグを設定できます。 シナリオに最も適した方法を選択します。

クライアント側でドキュメントにタグを設定する

Office.js の settings.set メソッドを使用して、Office.AutoShowTaskpaneWithDocumenttrue に設定します。次に例を示します。

Office.context.document.settings.set("Office.AutoShowTaskpaneWithDocument", true);
Office.context.document.settings.saveAsync();

このメソッドは、アドインの対話式操作の一環としてドキュメントにタグを設定する必要がある場合に使用します (たとえば、ユーザーがバインディングを作成した直後に、または自動的にウィンドウを開くことを示すオプションを選択した直後に使用します)。

Open XML を使用してドキュメントにタグを設定する

Open XML を使用すると、Autoopen 機能をトリガーするために、ドキュメントを作成または変更して、適切な Open Office XML マークアップを追加できます。この方法を示すサンプルについては、「Office-OOXML-EmbedAddin」を参照してください。

次に示す 2 つの Open XML パートをドキュメントに追加します。

  • webextension パート
  • taskpane パート

次の例では、webextension パートを追加する方法を示します。

<we:webextension xmlns:we="http://schemas.microsoft.com/office/webextensions/webextension/2010/11" id="[ADD-IN ID PER MANIFEST]">
  <we:reference id="[GUID or Office Store asset ID]" version="[your add-in version]" store="[Pointer to store or catalog]" storeType="[Store or catalog type]"/>
  <we:alternateReferences/>
  <we:properties>
    <we:property name="Office.AutoShowTaskpaneWithDocument" value="true"/>
  </we:properties>
  <we:bindings/>
  <we:snapshot xmlns:r="http://schemas.openxmlformats.org/officeDocument/2006/relationships"/>
</we:webextension>

webextension パートには、プロパティ バッグと Office.AutoShowTaskpaneWithDocument という名前のプロパティが含まれています。このプロパティは、true に設定する必要があります。

また、webextension パートには、属性が idstoreTypestore、および version のストアまたはカタログへの参照も含まれています。Autoopen 機能に関連する storeType の値は、4 つのみです。その他の 3 つの属性の値は、次の表に示すように、storeType の値に応じて決まります。

storeType id store version
OMEX (Office ストア) アドインの Office ストア アセット ID。* Office ストアのロケール。例: "en-us"。 Office ストア カタログでのバージョン。*
FileSystem (ネットワーク共有) アドイン マニフェストでのアドインの GUID。 ネットワーク共有のパス。例: "\\MyComputer\MySharedFolder"。 アドイン マニフェストでのバージョン。
EXCatalog (Exchange サーバー経由の展開) アドイン マニフェストでのアドインの GUID。 "EXCatalog" アドイン マニフェストでのバージョン。
Registry (システム レジストリ) アドイン マニフェストでのアドインの GUID。 "developer" アドイン マニフェストでのバージョン。

* Office ストアでのアドインのアセット ID とバージョンを確認するには、そのアドインの Office ストア ランディング ページに移動します。アセット ID は、ブラウザーのアドレス バーに表示されます。バージョンは、そのページの [詳細] セクションに示されます。

webextension マークアップの詳細については、「[MS-OWEXML] 2.2.5.WebExtensionReference」を参照してください。

次の例は、taskpane パートを追加する方法を示しています。

<wetp:taskpane dockstate="right" visibility="0" width="350" row="4" xmlns:wetp="http://schemas.microsoft.com/office/webextensions/taskpanes/2010/11">
  <wetp:webextensionref xmlns:r="http://schemas.openxmlformats.org/officeDocument/2006/relationships" r:id="rId1" />
</wetp:taskpane>

この例では、visibility 属性が "0" に設定されている点に注目してください。これは、webextension パートと taskpane パートの追加後に、初めてドキュメントを開いたときに、ユーザーはリボンの [アドイン] ボタンからアドインをインストールする必要があることを意味します。それ以降は、ファイルを開いたときに、アドイン作業ウィンドが自動的に開きます。また、visibility を "0" に設定すると、ユーザーが Autoopen 機能をオン/オフできるようにするために Office.js を使用できるようにもなります。具体的には、スクリプトでドキュメント設定の Office.AutoShowTaskpaneWithDocumenttrue または false に設定します (詳細については、「クライアント側でドキュメントにタグを設定する」を参照してください)。

visibility が "1" に設定されていると、初めてドキュメントを開いたときに、自動的に作業ウィンドウが開きます。アドインを信頼するように求めるダイアログがユーザーに表示され、信頼が付与されるとアドインが開きます。それ以降は、ファイルを開いたときに、アドイン作業ウィンドが自動的に開きます。ただし、visibility を "1" に設定すると、ユーザーが Autoopen 機能をオン/オフできるようにするために Office.js を使用することができなくなります。

アドインとドキュメントのテンプレートまたはコンテンツが緊密に統合されていて、ユーザーが Autoopen 機能をオフにすることない場合は、visibility を "1" に設定することが適切な選択になります。

注: ドキュメントとともにアドインを配布する場合は、ユーザーにアドインをインストールするように求めるために、visibility プロパティを 1 に設定する必要があります。これは、Open XML でのみ実行できます。

この XML を簡単に記述する 1 つの方法として、最初にアドインを実行し、値を書き込むためにクライアント側でドキュメントにタグを設定して、ドキュメントを保存してから生成された XML を調べます。Office により、適切な属性値が検出されて設定されます。また、Open XML SDK 2.5 Productivity Tool ツールを使用して生成した C# コードにより、生成する XML 基づいてプログラムでマークアップを追加することもできます。

追加リソース

Autoopen 機能の使用方法を示すサンプルについては、「Office Add-in commands samples」を参照してください。