TCP/IP 通信 (AppFabric 1.1 キャッシュ)

Microsoft AppFabric 1.1 for Windows Server のすべてのキャッシュ ホストでは、TCP/IP を使用して互いに通信し、キャッシュ クラスターをサポートします。この通信を有効にするため、キャッシュ ホストでファイアウォール例外が必要なことがあります。キャッシュ クライアントではキャッシュ操作に TCP/IP を使用しますが、クラスターとの通信にファイアウォール例外は必要ありません。

TCP/IP ポート構成

各キャッシュ サーバーを正しく機能させるには、キャッシュ サービスに対してファイアウォール例外を構成する必要があります。4 つの異なるポートが使用されます (キャッシュ ポート、クラスター ポート、判別ポート、レプリケーションポート)。

これらのポートにはキャッシュ ホストとキャッシュ クライアントごとに異なるポート番号を指定できます。キャッシュ クラスターでは、キャッシュ ホストが互いの通信を保持できるよう、クラスター構成設定の全キャッシュ ホストのポートの状況を記録します。

ヒント

Windows ファイアウォールを使用する場合、AppFabric 構成ウィザードでこれらのポートのファイアウォール例外の自動作成を選択できます。

次の表に、これら 4 つのポートの概要を示します。

ポート名 既定値 アプリケーション構成ファイルの属性 クラスター構成ファイルの属性

キャッシュ ポート

22233

cachePort

cachePort

クラスター ポート

22234

該当なし

clusterPort

判別ポート

22235

該当なし

arbitratorPort

レプリケーション ポート

22236

該当なし

replicationPort

ヒント

これらのポート値は Set-CacheHostConfig Windows PowerShell コマンドを使用して変更できます。詳細については、「Windows PowerShell を使用した AppFabric 1.1 キャッシュ機能の管理」を参照してください。

キャッシュ ポート

キャッシュ ポートはキャッシュ ホストとキャッシュが有効なアプリケーション間のデータ転送に使用されます。既定値は 22233 です。

クラスター ポート

キャッシュ ホストではクラスター ポートを使用して、クラスター内の各近隣ホストに可用性を伝えます。既定値は 22234 です。

判別ポート

キャッシュ ポートに障害が発生した場合、判別ポートを使用して、キャッシュ ホストが利用できないことを確認します。既定値は 22235 です。

レプリケーション ポート

レプリケーション ポートはキャッシュ クラスターのホスト間のデータ移動に使用されます。レプリケーション ポートでは高可用性、負荷分散などの機能をサポートします。既定値は 22236 です。

セキュリティに関する考慮事項

構成時にこれらのポートのファイアウォール例外を作成する必要があります。Windows ファイアウォールを使用する場合、AppFabric 構成ウィザードによる自動作成を選択できます。キャッシュ サービスのアンインストール後、企業のセキュリティ ポリシーとサーバーの他のアプリケーションのニーズに基づいてこれらのポートを手動で再構成することをお勧めします。場合によっては、ファイアウォールでこれらのポートを閉じる可能性もあります。

関連項目

概念

AppFabric キャッシュの物理アーキテクチャ図 (AppFabric 1.1 キャッシュ)
AppFabric キャッシュの論理アーキテクチャ図 (AppFabric 1.1 キャッシュ)
Windows PowerShell を使用した AppFabric 1.1 キャッシュ機能の管理

  2012-03-05