AppFabric 1.1 の導入

Microsoft AppFabric 1.1 for Windows Server (AppFabric 1.1) は、Windows Server AppFabric 1.0 の更新プログラムです。このトピックでは、AppFabric 1.1 リリースの新しい機能について説明します。ここで紹介する AppFabric 1.1 の新しい機能に加え、AppFabric は、最初のリリースの AppFabric で提供されたホスティング、管理、およびキャッシュのすべての機能を備えています。バージョン 1.0 の機能を確認するには、「Windows Server AppFabric 1.0 の導入」を参照してください。

AppFabric の詳細については、Windows Server デベロッパー センター (https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=182970) を参照してください。

このリリースの新機能

AppFabric 1.1 は、元の Windows Server AppFabric 1.0 のリリースに関していくつかの点で改善されています。このリリースには Windows Server AppFabric 1.0 からのアップグレード パスが含まれていますが、スタンドアロンでインストールすることもできます。

このリリースでは、次の AppFabric キャッシュ機能が追加されました。

リード スルー/ライト ビハインド

これにより、バックエンド プロバイダーをキャッシュ サーバーで使用して、データベースなどのバックエンドに対してデータの取得および格納ができるようになりました。リード スルー機能によって、キャッシュは取得 (Get) 要求でバックエンドへの "読み取り (リードスルー)" が可能になります。ライト ビハインド機能によって、キャッシュされたデータの更新内容を非同期でバックグラウンドに保存することができます。詳細については、「リード スルー/ライト ビハインド プロバイダーの作成 (AppFabric 1.1 キャッシュ)」を参照してください。

正常なシャットダウン

これは、キャッシュ ホストをメンテナンスのためにシャットダウンする前に、キャッシュ クラスター内の単一のキャッシュ ホストから残りのサーバーにデータを移動する場合に役立ちます。これにより、実行中のキャッシュ クラスター内でのキャッシュ データの予期せぬ損失を防ぐことができます。これは、Stop-CacheHost Windows PowerShell コマンドの Graceful パラメーターで設定できます。

ドメイン アカウント

AppFabric キャッシュ サービスが NETWORK SERVICE アカウントで実行できるだけでなく、ドメイン アカウントとしても実行できるようになりました。詳細については、「キャッシュ サービス アカウントの変更 (AppFabric 1.1 キャッシュ)」を参照してください。

新しい ASP.NET セッション状態プロバイダーと出力キャッシュ プロバイダー

新しい ASP.NET セッション状態プロバイダーと出力キャッシュ プロバイダーを使用できます。新しいセッション状態プロバイダーは、AppFabric キャッシュをバッキング ストアとして使用して個々のセッション状態項目の遅延読み込みをサポートします。これにより、小さなセッション状態データと大きなセッション状態データが混在するサイトでは、大きなセッション状態項目を必要としないページがネットワークを介してデータを送信するコストがなくなるので、処理がより効率的になります。詳細については、「AppFabric 1.1 用の ASP.NET 4 キャッシュ プロバイダーの使用」を参照してください。

圧縮

キャッシュ クライアントで圧縮が使用できるようになりました。詳細については、「アプリケーション構成設定 (AppFabric 1.1 キャッシュ)」を参照してください。

複数のキャッシュ クライアント アプリケーション構成セクション

新しい dataCacheClients セクションが使用できるようになり、複数の名前が付いた dataCacheClient セクションをアプリケーション構成ファイルで指定することができます。実行時に使用するキャッシュ クライアント設定のグループをプログラムで指定することができます。詳細については、「アプリケーション構成設定 (AppFabric 1.1 キャッシュ)」を参照してください。

このリリースでは、AppFabric 1.1 のクリーン インストールを実行することをお勧めします。ただし、Windows Server AppFabric 1.0 からのアップグレード パスを使用することができます。アップグレードをテストする前に、既知の問題を確認してください。新しい Windows PowerShell コマンドが追加され、オンライン アップグレードが可能になりました。詳細については、「AppFabric キャッシュ クラスター (AppFabric 1.1) のアップグレード手順」を参照してください。

その他の変更点および既知の問題については、AppFabric 1.1 のリリース ノートを参照してください。

関連項目

その他のリソース

Microsoft AppFabric 1.1 for Windows Server

  2012-03-05