Exchange Server の開発作業の開始

公開日: 2005年8月1日

Ryan Wike

Microsoft Exchange Server の開発に初めて取り組む人は、Microsoft Exchange Server 2003、Microsoft Exchange 2000 Server、または Microsoft Exchange Server 5.5 でどのような開発テクノロジや開発リソースを利用できるのかわからないかもしれません。しかし、必要な情報はすべてここにあります。Exchange Server は、独自のコラボレーション アプリケーションやメッセージング サービス アプリケーションを作成するために、電子メール、スケジュール機能、オンライン フォーム、およびツールを提供するメッセージング プラットフォームです。このドキュメントでは、Exchange Server で利用できる開発テクノロジ、プログラム機能、および開発リソースについて説明します。

Exchange の開発テクノロジ

Exchange Server 5.5、Exchange 2000 Server、および Exchange Server 2003 に対応するアプリケーションを開発する際は、数多くのプログラミング テクノロジやプログラミング言語を使用できます。Exchange に組み込まれているテクノロジもあれば、Microsoft Windows® の一部となっているテクノロジもあります。Exchange に格納されているデータをアプリケーションで操作できるようにするテクノロジや、Exchange サーバーの管理および制御を行うテクノロジもあります。多くの場合、対象の作業を実行するために使用できるプログラミング テクノロジやプログラミング言語は複数あり、自分が使い慣れたテクノロジや言語を使用できます。たとえば、Exchange のアイテムのプロパティを設定する場合は、WebDAV、Microsoft ActiveX® データ オブジェクト (ADO)、または Collaboration Data Objects (CDO) を使用できます。これらのテクノロジの詳細については、「Selecting Development Technologies for Exchange」(英語) を参照してください。

Exchange の開発テクノロジには次のものがあります (英語)。

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Exchange のプログラム機能

Exchange サーバーはメッセージングとコラボレーションのプラットフォームであり、次の機能を開発者に提供します。

バックアップと復元

  • Exchange Server 2003 Exchange Storage Engine (ESE) は、Exchange Server 2003 が使用するストレージ グループとデータベースを管理します。ESE にはバックアップと復元のためのアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) が含まれています。Microsoft Windows Server™ 2003 のボリューム シャドウ コピー サービス機能を使用すると、Exchange Server 2003 のバックアップと復元を実行するアプリケーションを作成できます。

  • Exchange 2000 Server Exchange Storage Engine (ESE) は、Exchange 2000 Server が使用するストレージ グループとデータベースを管理します。ESE にはバックアップと復元のためのアプリケーション プログラミング インターフェイス (API) が含まれています。

予定表管理

  • Exchange Server 2003 Collaboration Data Objects (CDO) は、ADO 2.5 および Active Directory サービス インターフェイス (ADSI) と一緒に使用される、サーバー側でのコラボレーション コンポーネントです。CDO は、予定、会議、メッセージ、およびその他の予定表アイテムを組み込んだアプリケーションを作成する際に必要なロジックを提供します。また、WebDAV プロトコルを使用して、予定表アイテムをリモートで作成して会議出席依頼を送ることもできます。

  • Exchange 2000 Server Collaboration Data Objects (CDO) は、ADO 2.5 および ADSI と一緒に使用される、サーバー側でのコラボレーション コンポーネントです。CDO は、予定、会議、メッセージ、およびその他の予定表アイテムを組み込んだアプリケーションを作成する際に必要なロジックを提供します。また、WebDAV プロトコルを使用して、予定表アイテムをリモートで作成して会議出席依頼を送ることもできます。

  • Exchange Server 5.5 Collaboration Data Objects Version 1.2.1 は、会議や予定を整理するためのオブジェクト、メソッド、およびプロパティを提供します。

連絡先

  • Exchange Server 2003 Collaboration Data Objects (CDO) は、ADO 2.5 および ADSI と一緒に使用される、サーバー側でのコラボレーション コンポーネントです。連絡先は、電話番号、電子メール アドレス、ポケットベル番号など、個人や会社に関する情報の集まりであり、CDO を使用して実装されます。また、WebDAV プロトコルを使用して、連絡先アイテムをリモートで作成することもできます。

  • Exchange 2000 Server Collaboration Data Objects (CDO) は、ADO 2.5 および ADSI と一緒に使用される、サーバー側でのコラボレーション コンポーネントです。連絡先は、電話番号、電子メール アドレス、ポケットベル番号など、個人や会社に関する情報の集まりであり、CDO を使用して実装されます。また、WebDAV プロトコルを使用して、連絡先アイテムをリモートで作成することもできます。

イベント

  • Exchange Server 2003 Exchange ストア イベントを使用すると、サーバー上で動作し、Exchange ストアで発生したデータ変更に応答するカスタム ロジックを作成できます。

  • Exchange 2000 Server Exchange ストア イベントを使用すると、サーバー上で動作し、Exchange ストアで発生したデータ変更に応答するカスタム ロジックを作成できます。

  • SMTP Server Microsoft Windows 2000 SMTP および NNTP サービスは、メッセージの処理、配信、および中継を行うためのコンポーネント ベースの高性能なイベント アーキテクチャを提供します。これらのサービスをイベント シンクを通じて拡張し、メッセージがシステムを通過するときにそのメッセージを処理できるようにすることができます。

管理

  • Exchange Server 2003 CDO for Exchange Management (CDOEXM) を使用すると、Exchange サーバー、メールボックス ストア、パブリック ストア、パブリック フォルダ ツリー、ストレージ グループ、および Exchange 受信者 (ユーザー、連絡先、グループ) をプログラムで管理できます。また、Exchange Server 2003 アプリケーションでは、Active Directory サービス インターフェイス (ADSI) を使用することで、Active Directory に格納されているユーザー情報やグループ情報を参照および変更できます。Microsoft Windows Management Instrumentation (WMI) は、Web-Based Enterprise Management (WBEM) の Microsoft における実装です。WBEM は、管理情報にアクセスするための統一された手段を提供します。これらの管理情報には、システム メモリの状態に関する情報、現在インストールされているクライアント アプリケーションの一覧、クライアントのステータスに関するその他の情報などがあります。

  • Exchange 2000 Server CDO for Exchange Management (CDOEXM) を使用すると、Exchange サーバー、メールボックス ストア、パブリック ストア、パブリック フォルダ ツリー、ストレージ グループ、および Exchange 受信者 (ユーザー、連絡先、グループ) をプログラムで管理できます。また、Exchange 2000 Server アプリケーションでは、Active Directory サービス インターフェイス (ADSI) を使用することで、Active Directory に格納されているユーザー情報やグループ情報を参照および変更できます。Microsoft Windows Management Instrumentation (WMI) は、Web-Based Enterprise Management (WBEM) の Microsoft における実装です。WBEM は、管理情報にアクセスするための統一された手段を提供します。これらの管理情報には、システム メモリの状態に関する情報、現在インストールされているクライアント アプリケーションの一覧、クライアントのステータスに関するその他の情報などがあります。

メッセージング

  • Exchange Server 2003 メッセージングは、ユーザーやプロセスが電子的なメッセージを送受信するためのプラットフォームです。コラボレーション アプリケーションでは、ユーザーやプロセスどうしが通信し、お互いの作業を調整する必要があります。Exchange Server 2003 は、ユーザーが Exchange Server 2003 に付属のさまざまなツールを使用してメッセージを送信するための強力なプラットフォームを提供します。これらのツールには、Collaboration Data Objects (CDO) for Exchange 2000WebDAVSMTP、ネットワーク ニュース転送プロトコル (NNTP)、インターネット メッセージ アクセス プロトコル (IMAP)、MAPI などがあります。

  • Exchange 2000 Server メッセージングは、ユーザーやプロセスが電子的なメッセージを送受信するためのプラットフォームです。コラボレーション アプリケーションでは、ユーザーやプロセスどうしが通信し、お互いの作業を調整する必要があります。Exchange 2000 Server は、ユーザーが Exchange 2000 Server に付属のさまざまなツールを使用してメッセージを送信するための強力なプラットフォームを提供します。これらのツールには、Collaboration Data Objects (CDO) for Exchange 2000WebDAVSMTP、ネットワーク ニュース転送プロトコル (NNTP)、インターネット メッセージ アクセス プロトコル (IMAP)、MAPI などがあります。

  • Exchange Server 5.5 Collaboration Data Objects Version 1.2.1 は、メッセージの作成と送信、転送、および返信を行うためのオブジェクトを提供します。詳細については、「プログラミング タスク」の「メッセージの操作」を参照してください。また、MAPI をメッセージングに使用することもできます。詳細については、「Creating a New Interpersonal (IPM) Message Class」(英語) を参照してください。

  • CDO for Windows 2000 (CDOSYS) Collaboration Data Objects (CDO) for Microsoft Windows 2000 は、インターネット メッセージを作成または操作するプログラムを簡単に開発できるように設計されたコンポーネント オブジェクト モデル (COM) コンポーネントです。この COM コンポーネントを使用すると、クライアントとサーバーの両方のアプリケーションを作成できます。また、Multipurpose Internet Mail Extensions (MIME) 規格などのインターネット規格を使用して整形および送信されるメッセージを作成したり管理したりできます。CDO for Windows 2000 コンポーネントは、SMTP と NNTP の両方のプロトコルを使用したメッセージの送信をサポートしているほか、ローカルの SMTP または NNTP サービスのピックアップ ディレクトリを経由したメッセージの送信もサポートしています。.NET Framework の System.Messaging 名前空間内にあるクラスは、CDOSYS オブジェクトと等価のマネージ コードです。

通知

  • Exchange Server 2003 WebDAV 通知は、多くのシステムでイベント ベースの処理の実行に広く使用されているメカニズムです。イベント ベースの処理は Web ベースのドキュメント ストレージ環境で役立ちます。クライアントはイベント ベースの処理を使用することで、サーバーの状態の変更に基づいてアクションを実行できます。

  • Exchange 2000 Server WebDAV 通知は、多くのシステムでイベント ベースの処理の実行に広く使用されているメカニズムです。イベント ベースの処理は Web ベースのドキュメント ストレージ環境で役立ちます。クライアントはイベント ベースの処理を使用することで、サーバーの状態の変更に基づいてアクションを実行できます。

検索

ワークフロー

より複雑なワークフロー プロセスを実装する場合は、Microsoft BizTalk® Server を使用することを検討してください。特に、より複雑なワークフロー処理を必要とする実装が組織上の境界を超える必要がある場合や、それらの実装がメッセージングに関連しない場合に、BizTalk Server の使用を検討してください。

  • Exchange Server 2003 ワークフロー アプリケーションは、ビジネス プロセスをモデル化します。これらのアプリケーションによって、プロセス ステップ間の情報のフローが自動化され、ステップの実行が促進されます。ワークフロー プロセスを管理するアプリケーションは、ワークフローの自動化の実効性を計画、設計、実装、および測定するのに使用します。CDO for Workflow (CDOWF) は、Exchange Server 2003 で提供されている組み込みの機能です。

  • Exchange 2000 Server ワークフロー アプリケーションは、ビジネス プロセスをモデル化します。これらのアプリケーションによって、プロセス ステップ間の情報のフローが自動化され、ステップの実行が促進されます。ワークフロー プロセスを管理するアプリケーションは、ワークフローの自動化の実効性を計画、設計、実装、および測定するのに使用します。CDO for Workflow (CDOWF) は、Exchange 2000 Server で提供されている組み込みの機能です。

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Exchange の開発リソース

Exchange の開発に利用できる技術リソースやサポート リソースが多数あります。

Exchange SDK

現在のバージョンの Exchange 2000 SDK および Exchange 2003 SDK に関するドキュメントとサンプルは、MSDN® の「Microsoft Exchange Server」(英語) ページでオンラインで参照でき、「Microsoft Exchange Server Downloads」(英語) ページからダウンロードできます。

バージョン間で変更されたプログラム機能や API の詳細については、「Differences Between Exchange 2003 and Exchange 2000」(英語) を参照してください。

Exchange Server 5.5 の最終バージョンのドキュメントは、「Microsoft Exchange Server 5.5」(英語) でオンラインで参照でき、「Microsoft Exchange Server Downloads」(英語) ページからダウンロードできます。

MSDN ライブラリの「メッセージおよびコラボレーション」

MSDN ライブラリの「メッセージおよびコラボレーション」では、CDOSYS、CDO 1.2.1、SMTP Server など、クライアント側での電子メール、予定表管理、連絡先などのコラボレーション テクノロジをアプリケーション開発者に提供しています。

技術文書とオンライン ブック

コミュニティ

Exchange ダウンロード ページ

Microsoft Exchange Server Downloads」(英語) ページでは、最新の Exchange をダウンロードできます。現在のバージョンの Exchange 2000 SDK および Exchange 2003 SDK のドキュメントとサンプル、最終バージョンの Exchange 5.5 SDK、Exchange SDK 開発ツール、およびその他のツールをダウンロードできます。

サポートとトレーニング

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