Live Smooth Streaming for IIS 7.0 - はじめに

作成者 :David Nelson

発行日 : 2009 年 3 月 18 日 (作業者 : dmnelson (英語))

更新日 : 2009 年 5 月 12 日 (作業者 : dmnelson (英語))

IS Live Smooth Streaming - Beta は、クライアントにおけるネットワークおよび CPU の状態の変化に合わせて品質 (ビット レート) を即座に調整することで、途切れることのない魅力的なライブ ビデオ ストリームを配信する Internet Information Services (IIS) 7.0 (英語) の拡張機能です。

IIS Live Smooth Streaming を使用すると、Microsoft Silverlight (英語) クライアントに対するライブ イベントのアダプティブ ストリーミングが可能になります。HTTP を使用したライブ イベントの配信では、既存の HTTP ネットワークの規模が活用し、コンテンツをユーザーの近くに配置できることで、Web ブロードキャストで真のハイビジョン (720p 以上) を実現可能にします。HTTP を使用したライブ イベント配信のもう 1 つの利点は、既存の HTTP インフラストラクチャによってライブ イベントの可用性が大幅に高まることです。

一般的なライブ Web ブロードキャストでは、ほとんどの場合、コンテンツ プロバイダーとコンテンツ配信ネットワーク (CDN) にとって、リソースが限られたストリーミング ネットワーク上で割り当て可能な容量の大きさが懸念事項になります。通常はストリーミング ネットワークと比べて 10 ~ 20 倍の規模であるメインの HTTP ネットワークを使用することで、これらのネットワークを活用できると共に、ネットワーク容量の最大化やライブ イベントのユーザー数の制限について懸念せずに済みます。

Live Smooth Streaming - Beta for IIS 7.0 を使用すると、Live Smooth Streaming サーバーとして Web サーバーをセットアップし、シミュレートされた Live Smooth Streaming エンコーダーからプッシュされるコンテンツを取得して、サンプルの Silverlight ベースのクライアント実装に配信できます。このドキュメントでは以下のシナリオについて説明します。

  • IIS Live Smooth Streaming のインストール
  • IIS Live Smooth Streaming サンプル ファイルの展開
  • IIS Live Streaming サーバーの構成
  • Live Smooth Streaming 公開ポイントへのストリームのプッシュ
  • クライアントへのライブ ストリームの配信

IIS Live Smooth Streaming のインストール

IIS Live Smooth Streaming - Beta をインストールするためには、次の前提条件を満たす必要があります。

  • Windows Server 2008 または Windows Vista® Service Pack 1 (SP1) 上で実行している IIS 7.0 を使用する必要があります。
  • IIS マネージャーのユーザー インターフェイスを使用して IIS Live Smooth Streaming を管理するには、IIS 管理コンソールがインストールされている必要があります。サーバー マネージャーで、Web サーバー (IIS) 用の IIS 管理コンソールの役割サービスをインストールできます。

IIS Live Smooth Streaming - Beta のインストールでは、次のオプションを使用できます。

  • Web Platform Installer 2.0 Beta
  • Web Platform Installer 1.0
  • Windows インストーラー ファイル (32 ビット版および 64 ビット版の Windows Server 2008 または Windows Vista SP1 オペレーティング システム用)

IIS Live Smooth Streaming - Beta Readme(英語)」 の「Installation Notes」セクションでは、これらの各インストール オプションについて詳細情報を記載しています。

IIS Live Smooth Streaming サンプル ファイルの展開

IIS 7.0 用のアダプティブ ストリーミング プラットフォームは現在も開発中であるため、エンド ツー エンドの Live Smooth Streaming サービスのデモを行うには、サンプル コンテンツとサンプル ファイルが必要です。このサンプル コンテンツの内容は次のとおりです。

  • Smooth Streaming ビデオ ファイル (.ismv 拡張子を持つファイル)
  • .ismv ビデオ ファイルからデータを取得して、シミュレートされた Live Smooth Streaming 出力をテスト目的で生成するエンコーダー
  • IIS Live Smooth Streaming がインストールされた Web サーバーからライブ ストリームをプログレッシブ ダウンロードして再生するサンプル クライアント

Smooth Streaming のビデオ ソース ファイルをインストールするには

  1. サンプル コンテンツが含まれた実行可能ファイルをダウンロード(英語)して実行します。

  2. インストール ディレクトリにファイルを抽出するためのダイアログ ボックスが表示されたら、ディレクトリ パスを入力します。この記事で説明する Live Smooth Streaming Web サーバーで使用するサンプル コンテンツの抽出先は %**<システム ドライブ>%\inetpub\wwwroot\LiveSmooth とします。次に例を示します。
    Dd775193.file_012_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

    異なる Web サイトや仮想ディレクトリにファイルを抽出する場合は、その物理パスを入力します (例 : %**<システム ドライブ>%\inetpub\wwwroot\MySite\LiveSmooth)。その場合、これ以降の手順では、ここで入力した Web サイトまたは仮想ディレクトリのパスを代わりに使用してください。

メモ : 独自の Smooth Streaming ビデオ (.ismv) ファイルを作成するには、Microsoft Expression Encoder 2(英語) を購入してから、Expression Encoder 2 Service Pack 1(英語) をインストールしてください。この Service Pack が提供する組み込み機能を使用すると、[アダプティブ ストリーミング] というビデオとオーディオのプロファイル、および [IIS スムーズ ストリーミング] という出力メディア形式を選択するだけで、Smooth Streaming のプレゼンテーションを簡単に作成できます。詳細については、「Smooth Streaming for IIS 7.0 – はじめに(英語)」の「独自のコンテンツの作成と公開」セクションを参照してください。

エンコーダー シミュレーターとサンプル クライアントのスターター キットを展開するには

  1. エンコーダーとサンプル クライアントが含まれる実行可能ファイルをダウンロード(英語)して実行します。

  2. インストール ディレクトリにファイルを抽出するためのダイアログ ボックスが表示されたら、前述の手順で Smooth Streaming のビデオ ソース ファイル用に使用したものと同じディレクトリ パスを入力します。次に例を示します。
    Dd775193.file_003_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

    前述の手順と同じように、異なる Web サイトや仮想ディレクトリにファイルを抽出する場合は、その物理パスを入力して (例 : %<システム ドライブ>%\inetpub\wwwroot\MySite\LiveSmooth)、これ以降の手順では、ここで入力した Web サイトまたは仮想ディレクトリのパスを代わりに使用してください。

IIS Live Streaming サーバーの構成

IIS Live Smooth Streaming - Beta をインストールし たら、この拡張機能が正しくインストールされていることを確認します。このためには、IIS マネージャーで Web サイトまたは仮想ディレクトリを選択します。ホーム ページで、次の図のように [Live Smooth Streaming Publishing Points] 機能が [Media Services] 領域に表示されていることを確認してください。
Dd775193.file_007_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

メモ : IIS Live Smooth Streaming - Beta のインストール時に IIS マネージャーが実行されていた場合は、IIS マネージャーを閉じてから再起動すると [Live Smooth Streaming Publishing Points] が表示されます。

Live Smooth Streaming 公開ポイントの追加

ここでは、以前にインストールしたエンコーダーからプッシュされたシミュレートされたライブ ストリームを受け取る公開ポイントを作成する方法を説明します。

  1. まだ公開ポイントを作成していない場合は、[Live Smooth Streaming Publishing Points] アイコンをダブルクリックして機能ページを開きます。
    Dd775193.file_005_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

  2. [操作] ウィンドウで、[追加] をクリックします。
    Dd775193.file_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

  3. [公開ポイントの追加] ダイアログ ボックスの [ファイル名] に、Live Smooth Streaming 公開ポイントの定義ファイルの名前を入力します。この例以降では、LiveSmoothStream というファイル名を使用します。異なるファイル名を指定した場合は、これ以降の手順で、必ずそのファイル名を代わりに使用してください。
    Dd775193.file_011_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

  4. [Estimated duration] には、ライブ ストリームの継続時間 (時間:分:秒) を入力できます (わかっている場合)。入力された時間に基づいて、Silverlight クライアントは、コンテンツの長さに合わせて [Seek] バーのサイズを調整できます。
    Dd775193.file_004_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

    メモ : 本リリースの IIS Live Smooth Streaming では、[Estimated duration] に入力した値はサンプル クライアントによって無視されます。
      

  5. [Live source type] には、[Push Encoder] オプションが表示されていることに注目してください。
    Dd775193.file_009_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

    この記事の目的は、この公開ポイントにプッシュされたライブ ストリームのデモを行うことであるため、これ以上の構成は不要であり、[OK] をクリックしてダイアログ ボックスを閉じてかまいません。

    このダイアログ ボックスで構成できる追加のオプションの詳細については、右上隅の Dd775193.file_008_started(ja-jp,TechNet.10).jpg をクリックして、Live Smooth Streaming のヘルプを開いてください。

  6. 新たに作成した LiveSmoothStream.isml という名前の Live Smooth Streaming 公開ポイント ファイルが Web サイトのルートに追加されています。
    Dd775193.file_002_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

    この公開ポイントを選択して、[操作] ウィンドウで [公開ポイントの開始] をクリックします。
    Dd775193.file_006_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

この公開ポイントでは、Live Smooth Streaming エンコーダーからプッシュされるライブ ストリームを受け取る準備ができています。次のセクションでは、この作業を実行するサンプル エンコーダーの構成方法を説明します。

Live Smooth Streaming 公開ポイントへのストリームのプッシュ

ここでは、Smooth Streaming ビデオ (.ismv) ファイルをシミュレートされた Live Smooth Streaming 出力に変換するようにサンプル エンコーダーを構成する方法を説明します。変換したファイルは、前のセクションで構成した Live Smooth Streaming 公開ポイントにプッシュできます。

  1. コマンド プロンプトを開いて、エンコーダーとサンプル クライアントのファイルをインストールしたディレクトリに移動します。この例では、C:\inetpub\wwwroot\LiveSmooth に移動します。

  2. コマンドを入力して、以前にダウンロードしたサンプルの Smooth Streaming ビデオ (.ismv) ファイルから、シミュレートされた Live Smooth Streaming 出力へのエンコードを開始します。

    このプッシュ事例で使用する pushencoder コマンドの一般的な構文は次のとおりです。

    pushencoder32 <公開ポイントの URL> <ism ファイル>
    

    -または-

    pushencoder64 <公開ポイントの URL> <ism ファイル>
    

    <公開ポイントの URL> には、Web サーバー上の .isml 公開ポイント ファイルの完全修飾 URL を指定し、<ism ファイル> には、サンプル Smooth Streaming ビデオで使用可能なビット レートを記述しているマニフェストの相対 URL を指定します。

    この事例の構成では 32 ビット版のオペレーティング システムにインストールしているため、次のように入力します。

    **pushencoder32 https://localhost/LiveSmoothStream.isml "Big Buck Bunny.ism"

    **このマニフェスト ファイル (.ism) 名には空白が含まれているため、<ism ファイル> の値を引用符で囲んでいます。

  3. エンコーダーが使用可能なビット レートを Live Smooth Streaming 公開ポイントにプッシュすると、このプッシュ操作をコマンド プロンプト ウィンドウで確認できます。

クライアントへのライブ ストリームの配信

これで、Live Smooth Streaming 用の Silverlight ブラウザー プラグインを使用して、Live Smooth Stream を表示する準備がほぼ整いました。Silverlight ブラウザー プラグインを使用すると、Smooth Streaming が実際に再生されている様子を見ることができます。お使いの再生機器のビデオ レンダリング能力とインターネットの帯域幅が十分な場合は、まもなくサンプル コンテンツのハイビジョン (HD) ビデオ再生を体験できます。また、帯域幅の低下や回復をシミュレートすることで、変動条件に影響を受けやすいエンド ユーザーの環境をシミュレートすることもできます。実際の帯域幅が 3 Mbps (メガビット/秒) を下回る場合や、再生機器のビデオ性能が低い場合は、帯域幅の制限をシミュレートすることなく、Live Smooth Streaming のアダプティブ機能 (再生環境に応じてストリーミング品質を自動的に調整する機能) を体験できます。

先に進む前に、最新バージョンの Microsoft Silverlight(英語) が、Live Smooth Streaming を再生するクライアント コンピューターにインストールされていることを確認してください。

  1. Web サーバー上のサンプル Silverlight プロジェクト テスト ページを更新します。

    公開ポイントから配信され る Live Smooth Streaming 出力を表示するには、まず、エンコーダーと共にインストールしたサンプル Silverlight プロジェクト テスト ページを更新して、クライアントがライブ ストリーミング出力を参照できるようにする必要があります(このファイルの場所は、この実装例では <システム ドライブ>%\inetpub\wwwroot\LiveSmooth\default.html です)。

    メモ帳などのテキスト エディターでこのファイルを開いて、mediaSource 属性の値を、次のように Live Smooth Streaming 公開ポイントの定義ファイルの相対 URL に変更します。

    mediaSource="<公開ポイントの URL>/Manifest"
    

    次に例を示します。mediaSource="../LiveSmoothStream.isml/Manifest"

  2. クライアント コンピューター上の Web ブラウザーで、Web サーバーからテスト ページをダウンロードして、ストリームの再生を開始できます。Web ブラウザーのアドレス バーに、**「http://<サーバー名>/LiveSmooth/default.html」**と入力します。<サーバー名> には、Web サーバーの名前を指定します。

    Live Smooth Streaming 用の Silverlight ブラウザー プラグインを使用して、Web ブラウザー上で Live Smooth Stream が開きます。
    Dd775193.file_010_started(ja-jp,TechNet.10).jpg

    使用可能な帯域幅を変更したり Live Smooth Streaming のアダプティブ機能を実行したりするためのコントロールの詳細については、Experience Smooth Streaming の Web ページ (英語) で「User Interface Key」セクションを参照してください。

メモ  : Smooth Streaming ビデオ (.ismv) ソースの再生時間はわずか 10 分間です。そのため、この説明を読んでいる時点で、シミュレートされたライブ ストリームは既に終了している可能性があります。ビデオが見られない場合は、もう一度 pushencoder32 または pushencoder64 コマンドを使用してこのビデオを公開ポイントにプッシュしてから、クライアント コンピューター上の Web ブラウザーの画面を更新してください。

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