ラスタライザー ステージ (Direct3D 10)

ラスター化ステージでは、リアルタイム 3D グラフィックの表示を目的として、ベクトル情報 (図形またはプリミティブで構成) がラスター イメージ (ピクセルで構成) に変換されます。ラスター化時には、各プリミティブがピクセルに変換され、各プリミティブ間で頂点単位の値が補間されます。ラスター化では、視錘台への頂点のクリッピング、パースペクティブを求めるための z での除算、2D ビューポートへのプリミティブのマッピング、およびピクセル シェーダーの呼び出し方法の決定などが行われます。ピクセル シェーダーの使用はオプションですが、ラスタライザー ステージでは常に、クリッピング、点を同次空間に変換するためのパースペクティブ除算、およびビューポートへの頂点のマッピングが実行されます。

ラスタライザー ステージに入力された頂点 (x, y, z, w) は、同次クリップ空間にあるものと見なされます。この座標空間では、X 軸は右を指し、Y 軸は上を指し、Z 軸はカメラから離れた方向を指します。

ラスター化を無効にするには、ピクセル シェーダーがないことをパイプラインに知らせ (ID3D10Device::PSSetShader を使用してピクセル シェーダー ステージを NULL に設定します)、深度およびステンシル テストを無効にします (D3D10_DEPTH_STENCIL_DESC の DepthEnable および StencilEnable を FALSE に設定します)。無効にしている間、ラスター化に関連するパイプライン カウンターは更新されません。ラスター化ルールの詳細な説明も参照してください。

階層的 Z バッファーの最適化を実装するハードウェアでは、ピクセル シェーダー ステージを NULL に設定し、深度およびステンシル テストを有効にすることで、Z バッファーのプリロードを有効にすることができます。

関連項目

パイプライン ステージ (Direct3D 10)