System.Diagnostics 名前空間

System.Diagnostics 名前空間には、システム プロセス、イベント ログ、およびパフォーマンス カウンタと対話するためのクラスが用意されています。

  • EventLog コンポーネントを使用すると、イベント ログへの書き込み、イベント ログ エントリの読み取り、ネットワーク上のイベント ログとイベント ソースの作成および削除などができます。 EntryWrittenEventHandler を使用すると、イベント ログと非同期的に対話できます。サポートされているクラスは、より詳細なコントロールへのアクセスを提供します。これには、アクセス許可制限、(イベント ログ エントリに書き込まれる既定のデータ型を制御する) イベント ログの種類を指定する機能、およびイベント ログ エントリのコレクションの反復処理などがあります。これらのタスクの詳細については、 EventLogPermissionEventLogEntryTypeEventLogEntryCollection の各クラスのトピックを参照してください。
  • Process クラスは、ネットワークを通じてシステム プロセスを監視し、ローカル システム プロセスを開始および終了する機能を提供します。(コンピュータ、プロセス名、またはプロセス ID のいずれかを指定して) 実行中のプロセスの一覧を取得したり、現在プロセッサにアクセスしているプロセスについての情報を表示したりできます。また、 Process クラス自体によって、または ProcessThread クラスおよび ProcessModule クラスと対話することによって、プロセス スレッドとモジュールについての詳細な情報を得ることができます。 ProcessStartInfo クラスを使用すると、入力、出力、エラー ストリーム、作業ディレクトリ、コマンド ライン動詞、コマンド ライン引数などの新しいプロセスを開始するさまざまな要素を指定できます。これらによって、プロセスの動作を詳細に制御できます。その他の関連クラスでは、ウィンドウ スタイルとプロセスおよびスレッドの優先順位を指定すると、スレッドとモジュールのコレクションと対話できます。
  • PerformanceCounter クラスを使用するとシステム パフォーマンスを監視でき、 PerformanceCounterCategory クラスを使用すると新しいカスタム カウンタとカテゴリを作成できます。ローカル カスタム カウンタに書き込みでき、ローカル カウンタとリモート カウンタ (システム カウンタとカスタム カウンタ) の両方から読み取ることができます。 PerformanceCounter クラスを使用してカウンタのサンプルを作成し、 CounterSample クラスを使用して一連のパフォーマンス カウンタのサンプルによる結果を計算します。 CounterCreationData クラスを使用してカテゴリ内で複数のカウンタを作成し、それぞれの種類を指定します。パフォーマンス カウンタ コンポーネントに関連付けられているその他のクラスは、カウンタ、カウンタ アクセス許可、およびカウンタの種類のコレクションへのアクセスを提供します。

さらに、 System.Diagnostics 名前空間には、アプリケーションをデバッグしコードの実行をトレースできるようにするクラスも用意されています。詳細については、 Trace クラスと Debug クラスの各トピックを参照してください。

名前空間の階層構造

クラス

クラス 説明
BooleanSwitch デバッグおよびトレースの出力を制御する単純なオン/オフ スイッチを提供します。
ConditionalAttribute 指定したプリプロセス識別子を適用する場合に、メソッドが呼び出し可能になることをコンパイラに示します。
CounterCreationData カスタム カウンタのカウンタ タイプ、名前、およびヘルプ文字列を定義します。
CounterCreationDataCollection CounterCreationData オブジェクトの厳密に型指定されたコレクションを提供します。
CounterSampleCalculator パフォーマンス カウンタのデータを解釈するユーティリティ関数のセットを提供します。
Debug コードのデバッグに使用するメソッドとプロパティのセットを提供します。このクラスは継承できません。
DebuggableAttribute ランタイム ジャスト イン タイム (JIT: just-in-time) デバッグ用のコード生成を変更します。このクラスは継承できません。
Debugger デバッガとの通信を有効にします。このクラスは継承できません。
DebuggerHiddenAttribute DebuggerHiddenAttribute を指定します。このクラスは継承できません。
DebuggerStepThroughAttribute DebuggerStepThroughAttribute を指定します。このクラスは継承できません。
DefaultTraceListener トレースの既定の出力メソッドおよび動作を提供します。
EntryWrittenEventArgs EntryWritten イベントのデータを提供します。
EventLog Windows のイベント ログとの対話を実現します。
EventLogEntry イベント ログの単一レコードをカプセル化します。このクラスは継承できません。
EventLogEntryCollection EventLogEntry インスタンスのコレクションのサイズと列挙子を定義します。
EventLogInstaller アプリケーションが実行時に読み書きするイベント ログをインストールおよび構成できます。このクラスは、イベント ログをインストールするときに、InstallUtil.exe などのインストール ユーティリティによって呼び出されます。
EventLogPermission イベント ログに対するコード アクセス許可を制御できるようにします。
EventLogPermissionAttribute イベント ログに対するアクセス許可チェックを可能にします。
EventLogPermissionEntry EventLog に対して設定するコード アクセス セキュリティ許可の最小単位を定義します。
EventLogPermissionEntryCollection 厳密に型指定された EventLogPermissionEntry オブジェクトのコレクションを格納します。
EventLogTraceListener トレース出力またはデバッグ出力を EventLog に転送する簡単なリスナを提供します。
FileVersionInfo ディスク上の物理ファイルのバージョン情報を提供します。
InstanceData パフォーマンス カウンタのサンプルに関連付けられたインスタンス データを保持します。
InstanceDataCollection InstanceData オブジェクトの厳密に型指定されたコレクションを提供します。
InstanceDataCollectionCollection InstanceDataCollection オブジェクトの厳密に型指定されたコレクションを提供します。
MonitoringDescriptionAttribute プロパティまたはイベントの説明を指定します。
PerformanceCounter Windows NT パフォーマンス カウンタ コンポーネントを表します。
PerformanceCounterCategory パフォーマンス カウンタのカテゴリを定義するパフォーマンス オブジェクトを表します。
PerformanceCounterInstaller PerformanceCounter コンポーネントのインストーラを指定します。
PerformanceCounterPermission PerformanceCounter に対するコード アクセス権の制御を可能にします。
PerformanceCounterPermissionAttribute 宣言パフォーマンス カウンタのアクセス許可チェックを可能にします。
PerformanceCounterPermissionEntry PerformanceCounter に対して設定するコード アクセスのセキュリティ アクセス許可の最小単位を定義します。
PerformanceCounterPermissionEntryCollection 厳密に型指定された PerformanceCounterPermissionEntry オブジェクトのコレクションを格納します。
Process ローカル プロセスとリモート プロセスにアクセスできるようにして、ローカル システム プロセスの起動と中断ができるようにします。
ProcessModule 特定のプロセスに読み込まれた .dll ファイルまたは実行可能ファイル (.exe) を表します。
ProcessModuleCollection ProcessModule オブジェクトの厳密に型指定されたコレクションを提供します。
ProcessStartInfo プロセスを起動するときに使用する値のセットを指定します。
ProcessThread オペレーティング システムのプロセス スレッドを表します。
ProcessThreadCollection ProcessThread オブジェクトの厳密に型指定されたコレクションを提供します。
StackFrame 現在のスレッドのコール スタック上での関数呼び出しを表す、 StackFrame に関する情報を提供します。
StackTrace スタック トレースを表します。スタック トレースは、順番に並べられた 1 つまたは複数のスタック フレームのコレクションです。
Switch 新しいデバッグ スイッチおよびトレース スイッチを作成するための抽象 (Visual Basic では MustInherit) 基本クラスを提供します。
TextWriterTraceListener トレース出力またはデバッグ出力を TextWriter または Stream (Console.OutFileStream など) に転送します。
Trace コードの実行をトレースするためのメソッドとプロパティのセットを提供します。このクラスは継承できません。
TraceListener トレース出力およびデバッグ出力を監視するリスナの抽象 (Visual Basic では MustInherit) 基本クラスを提供します。
TraceListenerCollection TraceListener オブジェクトのスレッド セーフ リストを提供します。
TraceSwitch コードを再コンパイルせずに、トレースやデバッグの出力を制御する複数レベルのスイッチを提供します。

構造体

構造体 説明
CounterSample パフォーマンス カウンタ用の生データを保持する構造体を定義します。

デリゲート

デリゲート 説明
EntryWrittenEventHandler EventLogEntryWritten イベントを処理するメソッドを表します。

列挙体

列挙体 説明
EventLogEntryType イベント ログ エントリのイベントの種類を指定します。
EventLogPermissionAccess EventLog アクセス許可クラスによって使用されるアクセス レベルを定義します。
PerformanceCounterPermissionAccess PerformanceCounter アクセス許可クラスによって使用されるアクセス レベルを定義します。
PerformanceCounterType PerformanceCounter インスタンスの NextValue メソッドを計算するために使用する数式を指定します。
ProcessPriorityClass システムがプロセスに関連付ける優先順位を示します。この値は、プロセスの各スレッドの優先順位値と組み合わされ、各スレッドの基本優先順位を決定します。
ProcessWindowStyle プロセスを起動するときに新しいウィンドウを表示する方法を指定します。
ThreadPriorityLevel スレッドの優先順位を指定します。
ThreadState スレッドの現在の実行状態を指定します。
ThreadWaitReason スレッドが待機している理由を示します。
TraceLevel DebugTraceTraceSwitch の各クラスでどのメッセージを出力するかを指定します。

参照

.NET Framework クラス ライブラリ