.NET Framework 4 移行ガイド

  • [アーティクル]

更新 : 2010 年 8 月

アプリケーションを旧バージョンの .NET Framework を使用して作成した場合、通常は Version 4 に簡単にアップグレードできます。 Visual Studio 2010 でプロジェクトを開いてみてください。 プロジェクトが旧バージョンで作成されている場合は、Visual Studio 変換ウィザードが自動的に開きます。 プロジェクトのアップグレードの詳細については、「方法: 旧バージョンの Visual Studio で作成されたプロジェクトのアップグレード」を参照してください。

ただし、.NET Framework で行われたいくつかの変更により、コードを変更する必要があります。 .NET Framework 4 の新しい機能を利用することもできます。 .NET Framework の新しいバージョンに対応するためのアプリケーションに対するこの種の変更は、一般に移行と呼ばれます。 アプリケーションを移行する必要がない場合、アプリケーションは再コンパイルなしで .NET Framework 4 で実行できます。詳細については、「方法: .NET Framework 4 ランタイムを構成する」を参照してください。 互換性をテストするためのシナリオについては、「.NET Framework Version 4 アプリケーションの互換性に関するチュートリアル」を参照してください。

このトピックでは、アプリケーションの .NET Framework 3.5 から .NET Framework 4 への移行に関連するタスク、リソース、および問題について説明します。

移行のためのリソース

アプリケーションを移行する前に、次のドキュメントを確認してください。

移行に関する問題の概要

次の表に、「.NET Framework 4 への移行に関する問題」で詳細が説明されている主な問題の概要を示します。 この中には、これまでの問題を解決するために行われた修正点と、移行タスクに役立つ改善点が含まれています。

テクノロジ

アプリケーション開発とリソース

構成とその他の考慮事項

コントロールとグラフィックス

セキュリティ

相互運用性

関連する型とメンバー

ASP.NET と Web

さまざまなバージョンの子 Web アプリケーションのサポート。

  • ブラウザー定義ファイルの更新。

  • HTML フォームと要求、エンコード構文、およびキャッシュ ポリシーの変更。

  • より厳密なページの解析。

  • System.Web.Mobile.dll への参照の削除。

  • .config ファイルの更新。

  • URL ルーティングと Web フォルダーの名前。

  • 新しいクライアント ID モード。

  • 新しいレンダリング機能。

  • XHTML 1.1 準拠。

  • ブラウザーで Windows フォーム コントロールをホストするためのサポートの終了。 IEHost.dll と IEExec.dll は .NET Framework から削除されました。

  • Live ID SDK に置き換えられた Passport 認証。

  • データを暗号化するためのハッシュ アルゴリズムの変更。

なし。

HttpBrowserCapabilities, HttpUtility, HttpServerUtility, Menu, MenuRenderingMode, ControlRenderingCompatibilityVersion, PopOutImageUrl, StaticPopOutImageUrl, DynamicPopOutImageUrl, AppendHeader(String, String), PassportIdentity, HttpRequest, FilePath, AppRelativeCurrentExecutionFilePath, CurrentExecutionFilePath, PathInfo

コア

  • インプロセスの side-by-side 実行に関する考慮事項。

  • アセンブリのロードとハッシュ アルゴリズムの改善。

  • グローバル アセンブリ キャッシュの場所の変更。

  • CodeDOM に置き換えられた C# コード コンパイラのクラス。

  • Gacutil.exe (グローバル アセンブリ キャッシュ ツール) でサポートされなくなったシェル プラグイン ビューアー。

  • .config ファイルの名前の指定。

  • 日付と時刻のプロパティでの .NET Framework データに代わるオペレーティング システム規則の使用。

  • 破損状態のプロセスに対する例外の処理方法の変更。

なし。

  • 新しいセキュリティ モデル。

  • 使用されなくなったいくつかのホスト アクティブ化型とメンバー。

  • JIT デバッグの変更。

  • 不適切なプラットフォームの呼び出しによるアプリケーションの停止。

  • Windows タスク マネージャーなどのネイティブ アプリケーションで認識されなくなったマネージ ライブラリ。

日付と時刻: Local、Now、TimeSpan

グローバリゼーション: CurrencyEnglishName、LongDatePattern、PMDesignator、CultureTypes、FrameworkCultures、WindowsOnlyCultures

例外: HandleProcessCorruptedStateExceptionsAttribute、ExecutionEngineException

リフレクション: HashAlgorithm、None、GetReferencedAssemblies()、ProcessModuleCollection, DeclaringType

データ

ホスティングの強化。

  • マッピング表示の強化。

  • 行編集の強化。

  • POCO のサポート。

  • バッチ処理されるバイナリ コンテンツ、ヘッダー、削除された要求に対する変更インターセプター、マージ操作、URI のエスケープ、基になるストリーム、および JSON リーダーに対するデータ サービスのサポート。

  • さらに有用な例外。

なし。

なし。

なし。

DataSet と SQL クライアント: IRelatedEnd、IEntityWithRelationships、DataView、PropertyChanged、RejectChanges()、DataSet、Prepare()

Entity Framework: Detach(Object), SaveChanges()

LINQ to SQL: EntitySet<TEntity>、ListChanged

WCF Data Services: TimeoutException、DataServiceRequestException、MergeOption、AppendOnly、PreserveChanges、OnStartProcessingRequest(ProcessRequestArgs)、ServiceOperation

グローバリゼーション

オペレーティング システムから取得されるカルチャ情報 (Windows 7 以降)。

  • 新しいニュートラル カルチャと特定のカルチャと名前の変更。

  • 強化された Unicode 5.1 規格のサポート。

なし。

なし。

なし。

なし。

WCF

なし

  • サービス ホスト構成の変更。

  • 構成ファイルを使用したマージのサポート。

  • 互換性のために残されているカルチャ タイプ。

なし。

なし。

なし。

なし。

WPF

  • フリーズ可能なリソース ディクショナリ。

  • リソース ファイルの場所のオプション。

  • XPS Viewer Essentials Pack のインストール。

  • 属性ではピリオドを 1 つだけ使用可能。

  • マークアップ拡張機能の修正。

  • さらに有用な例外。

  • ビットマップ フレームでのダウンロード イメージのレンダリングの向上。

  • フロートしない子ウィンドウ。

  • メニューの子オブジェクト、コンテナー オフ スクリーン、サムネイルの処理、およびツリー ビュー階層の各機能の改善。

  • メニューとポップアップ内の ClearType。

  • 新しい UI オートメーション インターフェイス。

  • 同じスレッドで実行される CommonDialog.ShowStream と Microsoft.Win32.FileDialog。

  • 不必要なイベントを伴わないフレームのナビゲーション。

  • レイアウト パスの実行中に複数回呼び出すことができるポップアップ デリゲート。

  • プロパティ値はそれらの値に影響するトリガーの後で保持可能。

  • 不必要な再レイアウトの排除 (無効化)。

  • ビュー モデルに基づくコマンド インスタンスのバインド。

  • 未使用のキーの組み合わせの難読化。

  • WPF ブラウザー アプリケーションによるキー イベント処理の廃止。

  • ウィンドウ スタイルの設定の追加。

  • テキスト ボックスでの自動化された切り取りおよび貼り付けによる部分信頼でのセキュリティの向上。

なし。

アプリケーション: AllowsTransparency、WindowState

コントロール: CollectionView、SetCurrentValue(DependencyProperty, Object)、Copy()、Cut()

グラフィックス: DropShadowEffect、BlurEffect、ShaderEffect、DownloadFailed、InputBinding、DeadCharProcessed、DeadCharProcessedKey

UI オートメーション: TreeViewAutomationPeer、TreeViewItemAutomationPeer、IItemContainerProvider、ISynchronizedInputProvider、IVirtualizedItemProvider

XAML: ProvideValue(IServiceProvider)

XML

なし。

  • カメレオン スキーマの正常な複製。

  • エンティティ参照のエンティティへの 1 回だけの変換。

  • 名前空間リゾルバーの修正。

  • リーダーと XPath ナビゲーションの修正。

  • スキーマ セットへの他のセットの追加が可能。

なし。

なし。

なし。

スキーマと変換: XmlReader、CreateReader()、XPathNavigator、XmlSchemaSet、Load(XmlReader)

検証: ReadContentAs(Type, IXmlNamespaceResolver)、IXmlNamespaceResolver、Create(Stream)

書き込み: WriteEntityRef(String), XmlWriter, None

参照

概念

.NET Framework のバージョンおよび依存関係

その他の技術情報

.NET Framework 4 への移行に関する問題

.NET Framework Version 1.1 からの移行

方法: .NET Framework 4 ランタイムを構成する

.NET Framework のバージョンの互換性

.NET Framework 4 の新機能

.NET Framework の互換性のために残されている機能

.NET Framework 4 における新しい型およびメンバー

.NET Framework Version and Assembly Information (.NET Framework のバージョンとアセンブリに関する情報)

Microsoft .NET Framework のサポート ライフサイクル ポリシー

履歴の変更

日付

履歴

理由

2010 年 8 月

Web ブラウザーでのコントロールのホスト、コンパイラ クラスと CodeDOM、およびグローバル アセンブリ キャッシュ ビューアーに関する問題を追加しました。

情報の拡充