マネージド プロパティの使用

 

公開日: 2017年1月

対象: Dynamics 365 (online)、Dynamics 365 (on-premises)、Dynamics CRM 2016、Dynamics CRM Online

マネージド プロパティを使用すると、どのマネージド ソリューション コンポーネントがカスタマイズ可能であるかを制御できます。 ビジネス エンティティを表すそうしたソリューションでは、できるだけ多くのカスタマイズを許可する必要があります。 こうすることで、各組織はソリューションをそれぞれの要件に合わせてカスタマイズできます。 ソリューションのコア機能を提供する重要なソリューション コンポーネントのカスタマイズについては、そのサポートとメンテナンスが予測可能なものになるように、制限するか除外します。

マネージド プロパティの目的は、破壊を引き起こすおそれのある変更からソリューションを保護することにあります。 マネージド プロパティには、デジタル著作権管理 (DRM) の機能や、ソリューションをライセンスしたり、ソリューションのインストールを実行できるユーザーを制御したりする機能はありません。

マネージド プロパティの適用

ソリューションがアンマネージドである場合は、マネージド プロパティを適用します。 マネージド プロパティは、マネージド ソリューションをパッケージして別の組織にインストールした後に有効になります。 マネージド ソリューションをインストールした後は、元の発行者によってソリューションが更新される場合を除き、マネージド プロパティを更新できません。

ほとんどのソリューションでは、ソリューション コンポーネントの一覧を表示すると [マネージド プロパティ] ボタンが現れます。 このボタンをクリックすると、ソリューション コンポーネントのマネージド プロパティを表示または更新できます。 このボタンが表示されないソリューションのマネージド プロパティにアクセスするには、[その他の操作] ドロップダウン リストから [マネージド プロパティ] を選択します。

既定では、すべてのカスタム ソリューション コンポーネントがカスタマイズ可能です。 ソリューション コンポーネントのマネージド プロパティを変更するには、ソリューション コンポーネントのツールバーにある [マネージド プロパティ] ボタンをクリックします。 それぞれのソリューション コンポーネントには、カスタマイズ可能 (IsCustomizable) というプロパティがあります。 このプロパティが true である限り、その種類のソリューション コンポーネントに特有のプロパティをさらに指定できます。IsCustomizable.Value プロパティを false に設定すると、ソリューションをマネージド ソリューションとしてインストールした後、そのソリューション コンポーネントはカスタマイズできなくなります。 次の表は、各ソリューション コンポーネントのマネージド プロパティを一覧表示しています。

コンポーネント

表示名

プロパティ

エンティティ

カスタマイズ可能

.Value

修正可能な表示名

.Value

関連エンティティとして関係を構築可能

.Value (読み取り専用)

主エンティティとして関係を構築可能

.Value (読み取り専用)

多対多の関係を構築可能

.Value (読み取り専用)

新しいフォームを作成可能

.Value

新しいグラフを作成可能

.Value

新しいビューを作成可能

.Value

マネージド プロパティによって表されていない他のすべてのエンティティ プロパティを変更可能

.Value

フィールド (属性)

カスタマイズ可能

.Value

修正可能な表示名

.Value

入力要求レベルを変更可能

.CanBeChanged

注意

RequiredLevel は、CanBeChanged プロパティを使用する唯一のマネージド プロパティです。

マネージド プロパティによって表されていない他のすべての属性プロパティを変更可能

.Value

エンティティ関係

カスタマイズ可能

.Value

フォーム

カスタマイズ可能

SystemForm.IsCustomizable.Value

グラフ

カスタマイズ可能

SavedQueryVisualization.IsCustomizable.Value

ビュー

カスタマイズ可能

SavedQuery.IsCustomizable.Value

オプション セット

カスタマイズ可能

.Value

Web リソース

カスタマイズ可能

WebResource.IsCustomizable.Value

ワークフロー

カスタマイズ可能

Workflow.IsCustomizable.Value

アセンブリ

カスタマイズ可能

SdkMessageProcessingStep.IsCustomizable.Value

アセンブリ登録

カスタマイズ可能

ServiceEndpoint.IsCustomizable.Value

電子メール テンプレート

カスタマイズ可能

Template.IsCustomizable.Value

サポート情報の記事のテンプレート

カスタマイズ可能

KbArticleTemplate.IsCustomizable.Value

契約テンプレート

カスタマイズ可能

ContractTemplate.IsCustomizable.Value

差し込み印刷用テンプレート

カスタマイズ可能

MailMergeTemplate.IsCustomizable.Value

ダッシュボード

カスタマイズ可能

SystemForm.IsCustomizable.Value

セキュリティ ロール

カスタマイズ可能

Role.IsCustomizable.Value

マネージド プロパティの更新

マネージド ソリューションをリリースした後、マネージド プロパティを変更する必要があるかどうかを決定できます。 マネージド プロパティの変更は、それらの制限を緩和する場合にのみ行えます。 たとえば、最初のリリース後にあるエンティティのカスタマイズの許可を決定できます。

ソリューションのマネージド プロパティを更新するには、マネージド プロパティを変更したソリューションへの更新プログラムをリリースします。 マネージド ソリューションの更新は、元のマネージド ソリューションと同じ発行者レコードと関連付けられた別のマネージド ソリューションによってのみ行えます。 マネージド プロパティの制限を強化するような変更が更新プログラムに含まれる場合、そうしたマネージド プロパティの変更は無視されますが、更新プログラム内の他の変更は適用されます。

元の発行者はマネージド ソリューションのマネージド プロパティを更新するための要件なので、マネージド ソリューションのインストールに使用されている発行者をアンマネージド ソリューションに関連付けることはできません。

注意

つまり、マネージド ソリューションがインストールされている組織を使用した、ソリューションの更新プログラムの開発は行えなくなります。

マネージド プロパティの確認

ソリューション コンポーネントがカスタマイズ可能かどうかを確認するには、IsComponentCustomizableRequest を使用します。 あるいは、ソリューション コンポーネントのプロパティを確認することもできますが、その意味の最終的な決定には複数のプロパティの値が影響することを考慮する必要があります。 それぞれのソリューション コンポーネントには、IsCustomizable プロパティがあります。 ソリューション コンポーネントがマネージド ソリューションの一部としてインストールされている場合は、IsManaged プロパティが true になります。 マネージド プロパティは、マネージド ソリューションにのみ適用されます。 マネージド プロパティを確認して個々のソリューション コンポーネントがカスタマイズ可能かどうかを決定する際には、IsCustomizableIsManaged の両方のプロパティを確認する必要があります。IsCustomizable が false かつ IsManaged が false であるソリューション コンポーネントは、カスタマイズ可能です。

エンティティと属性には、IsCustomizable 以外にもマネージド プロパティがあります。 これらのマネージド プロパティは、IsCustomizable が false に設定されている場合、更新されません。 つまり、マネージド プロパティが適用されているかどうかを確認するには、個々のマネージド プロパティを確認するだけでなく、IsCustomizable プロパティも確認する必要があります。

関連項目

IsComponentCustomizableRequest
マネージド プロパティ
ソリューション開発の計画
管理ソリューションの保守
ソリューションを使用した拡張機能のパッケージ化および配布

Microsoft Dynamics 365

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