社内組織への Exchange Online メールボックスの移動

 

**適用先:**Exchange Online, Office 365

ハイブリッド展開では、社内組織と Exchange Online 組織の両方にメールボックスがあります。現在行っている受信者管理の一環として、多くの場合は、2 つの組織間でメールボックスを移動する必要があります。たとえば、ユーザーが部署を異動になったり、管理者に新しい代表者が割り当てられたりした場合などです。社内組織から Exchange Online 組織にメールボックスを移動する場合はリモート移動要求の新規作成ウィザードを使用しますが、Exchange Online 組織から社内組織にメールボックスを移動する場合は構成手順がさらに必要となります。

Exchange Online メールボックスを社内組織に移動

Exchange Online 組織から社内組織にメールボックスを移動するために必要となる手順は、メールボックスを Exchange Online 組織に最初にどのように追加したかによって決まります。

  • Exchange Online 組織で作成   メールボックスを Exchange Online 組織で作成した場合は、社内組織にメールボックスを移動する前に、いくつかの手順を実行する必要があります。詳細については、このトピックの「社内リモート メールボックスの構成」を参照してください。

  • Exchange Online 組織に移動   メールボックスを Exchange Online 組織に移動した場合は、メールボックスの移動前に手順をさらに実行する必要はありません。このトピックの「社内組織へのメールボックスの移動」で説明する手順に従って、社内組織にメールボックスを移動できます。

Exchange Online 組織にメールボックスを移動する方法については、社内組織にインストールした Exchange のバージョンのトピックを参照してください。

注意

このトピックでは、Exchange サーバー展開アシスタント (ExDeploy) を使用してハイブリッド組織を構成したことが想定されています。詳細については、次のトピックを参照してください。Exchange Server Deployment Assistant (Exchange Server 展開アシスタント)[ハイブリッド] をクリックします。

社内リモート メールボックスの構成

社内組織に移動する Exchange Online メールボックスを Exchange Online 組織で最初に作成した場合は、関連する社内リモート メールボックスで ExchangeGUID プロパティを構成する必要があります。この手順が必要となるのは、メールボックスを Exchange Online 組織で作成した場合、Exchange Online メールボックスの ExchangeGUID プロパティに保存されている値が、関連するリモート メールボックスに同期されていないためです。メールボックスを移動するには、ExchangeGUID プロパティに保存されている値が、Exchange Online メールボックスおよび関連社内リモート メールボックスで一致する必要があります。

次の手順に従って、社内リモート メールボックスで ExchangeGUID プロパティを構成してください。

  1. ハイブリッド サーバーで Exchange 管理シェルを開きます。

  2. 次のコマンドを実行し、社内リモート メールボックスで ExchangeGUID プロパティが設定されているかどうかを確認します。

    Get-RemoteMailbox <alias of Exchange Online mailbox to move> | Format-List ExchangeGUID
    
  3. 手順 2 で返された ExchangeGUID プロパティがすべてゼロである場合は、手順 4 に進みます。その他の場合は手順 7 に進みます。

  4. ハイブリッド サーバーで Windows PowerShell を開き (Exchange 管理シェル ウィンドウは使用しない)、Exchange Online PowerShell に接続します。

    Exchange Online PowerShell に接続する方法の詳細については、以下を参照してください。Exchange 2003 ハイブリッド展開での管理インターフェイスの構成

  5. 次のコマンドを実行し、移動するメールボックスの ExchangeGUID を取得して、それをコピーするか書き留めます。

    Get-Mailbox <alias of mailbox to move> | Format-List ExchangeGUID
    
  6. シェル ウィンドウで次のコマンドを実行し、社内リモート メールボックスの ExchangeGUID プロパティの値を、手順 5 で取得した ExchangeGUID プロパティの値に設定します。

    Set-RemoteMailbox <alias of Exchange Online mailbox to move> -ExchangeGUID <GUID>
    
  7. 社内組織に移動するその他のメールボックスごとに、手順 1 から 6 を繰り返します。

  8. Active Directory 同期サーバーで DirSyncConfigShell.psc1 を開き、次のコマンドを実行してディレクトリを強制的にレプリケートします。

    Start-OnlineCoexistenceSync
    

移動するメールボックスに関連する社内リモート メールボックスを構成したら、「社内組織へのメールボックスの移動」を参照し、社内組織にメールボックスを移動する方法を確認してください。

社内組織へのメールボックスの移動

次の手順に従って、Exchange Online 組織から社内組織にメールボックスを移動してください。

重要

Exchange Online 組織から社内組織の Exchange 2003 サーバーか Exchange 2007 サーバーにメールボックスを移動する場合、メールボックスの回復可能なアイテム フォルダーのメッセージは移動後に保存されません。回復可能なアイテム フォルダーのメッセージが保存されるのは、Exchange Online 組織から社内 Exchange 2010 サーバーにメールボックスを移動するときのみです。回復可能なアイテム フォルダーは、Exchange 2007 で削除済みアイテム収集機能と呼ばれます。
回復可能なアイテム フォルダーの詳細については、以下のトピックを参照してください。[回復可能なアイテム] フォルダー

注意

メールボックスの移動先のメールボックス データベースは、Exchange 2010 の Hybrid Edition を実行しているサーバーに配置できません。

  1. ハイブリッド サーバーで EMC を開きます。

  2. Exchange Online 組織ノードの [受信者の構成] コンテナーに移動します。

  3. 社内組織に移動するメールボックスを右クリックし、[リモート移動要求の新規作成] を選択します。

  4. [はじめに] 画面で [次へ] をクリックします。

  5. 社内組織が [ターゲット フォレスト] リスト ボックスに一覧表示されていることを確認します。

  6. [ターゲット フォレストの Mailbox Replication サービス プロキシ サーバーの FQDN] テキスト ボックスに、社内ハイブリッド サーバーの FQDN を指定します。たとえば、「mail2.contoso.com」と入力します。

  7. [次のターゲット フォレストの資格情報を使用する] を選択します。

  8. 社内組織の管理アカウントのユーザー名とパスワードを指定し、[次へ] をクリックします。

  9. [ターゲット配信ドメイン] の横の [参照] をクリックし、社内組織の配信ドメインを選択します。たとえば、「contoso.com」と入力します。

  10. [リモート ターゲット データベース] に、移動先の Exchange 2003 メールボックス データベースを指定します。形式は、移動先データベースが配置されている Exchange のバージョンによって決まります。

    • Exchange 2003 および Exchange 2007   <server>\<storage group>\<database name> という形式を使用します。たとえば、Ex2007\First Storage Group\Mailbox Database のようにします。

    • Exchange 2010   <server>\<database name> という形式を使用します。たとえば、Ex2010\Sales Database のようにします。

  11. [次へ] をクリックし、[新規作成] をクリックします。

  12. メールボックスは社内組織に移動しました。完了後、ウィザードは成功を報告します。

    重要

    報告されている問題のため、タイプを読み込めないという例外エラーが発生することがあります。この例外は無視できます。

  13. Active Directory 同期サーバーで DirSyncConfigShell.psc1 を開き、次のコマンドを実行してディレクトリを強制的にレプリケートします。

    Start-OnlineCoexistenceSync
    

設定が適用されたことを確認する方法

既存のユーザー メールボックスを社内組織に移動する場合、メールボックスが想定どおりに移動されたことは、リモート移動要求の新規作成ウィザードが正常に完了したことで判断できます。

メールボックスの移動プロセスは完了するまでに数分間かかるため、EMC を開き、Exchange Online 組織の [受信者の構成] ノードを選択して、移動が正しく行われていることを確認することもできます。[移動要求] ノードを選択すると、リモート移動要求の新規作成ウィザードで選択したメールボックスの移動ステータスが表示されます。[移動要求のステータス] の値は、メールボックスの移動中は [移動中] となり、メールボックスが社内組織に正常に移動されると [完了] になります。

詳細情報: 移動要求のプロパティの表示

問題がある場合は、Office 365 のフォーラムで質問してください。フォーラムにアクセスするには、クラウドベースのサービスへの管理者アクセス権限を付与されたアカウントを使用してサインインする必要があります。次のフォーラムにアクセスしてください。Office 365 フォーラム