メッセージ ルーティングのアーキテクチャ

 

メッセージは、ルーティングされるときにルーティング ルールに従って送信者から受信者に転送されます。メッセージ ルートには、複数のホップを含めることができます。ホップはルーティング パス上のノードです。Microsoft Exchange Server 2003 組織のルーティング アーキテクチャでは、メッセージ ルート上のノードはルーティング グループで表されます。ノード、つまりルーティング グループは、メッセージング コネクタによって内部のメッセージング環境で相互に接続されます。Exchange 組織は、インターネットなどの外部のメッセージング環境に接続されることもあります。その場合、Exchange 組織とのメッセージの送受信を可能にするメッセージング コネクタが使用されます。

ここでは、次の概念について解説します。

• Exchange Server 2003 のルーティング トポロジの主要な要素   Exchange Server 2003 のメッセージ ルーティングの基本を理解するには、Exchange 組織のメッセージ ルーティング トポロジを構成するコンポーネントを識別できる必要があります。
• Exchange Server 2003 のメッセージ処理   Exchange Server 2003 の実際のルーティング メカニズムを考察する前に、送信者と同じ Exchange サーバー上に存在する受信者や、同じルーティング グループ内、別のルーティング グループ内、または外部のメッセージング システム上の別の Exchange サーバー上に存在する受信者に宛てられたメッセージを Exchange 2003 がどのようにルーティングするかを理解する必要があります。
• Exchange Server 2003 のメッセージ ルーティング   Exchange Server 2003 は、静的なルーティング テーブルに基づいてルーティングを決定するのではなく、リンク状態情報を使用して動的にルーティングを決定します。Exchange Server 2003 における動的なメッセージ ルーティングを理解するには、Exchange Server 2003 がどのようにメッセージ ルートを選択するか、そしてルーティング トポロジの変更はメッセージ ルーティング プロセスにどのような影響を及ぼすかを理解する必要があります。
• リンク状態情報の通知   Exchange サーバー間でリンク状態情報をレプリケートするには、手順が必要です。これらの手順により、各サーバーは組織全体に関する正確な情報を確実に保持できます。この情報があれば、サーバーはルーティング トポロジの現在の状態に従って、メッセージング環境内の任意の送信先に至る最適なパスを再計算することができます。読者は、サーバーがメッセージ ルーティング トポロジの変更をどのように Exchange Server 2003 組織に通知するかを理解する必要があります。さらに、リンク状態テーブル (ルーティング情報が格納されているテーブル) の詳細と、Exchange サーバー間でリンク状態情報をレプリケートするときに使用されるアルゴリズムに関する知識も必要です。
• Exchange Server 5.5 との下位互換性   Exchange Server 2003 を Exchange Server 5.5 組織に統合する場合、いくつかのルーティングに関する問題が生じます。これらの問題を認識し、Exchange Server 5.5 が Exchange Server 2003 コネクタをどのように利用できるか、またその逆の場合も理解する必要があります。

ここでは、読者がルーティング グループ トポロジの設計とメッセージング コネクタの構成について精通していることを前提としています。トランスポートとルーティングの詳細については、『Exchange Server 2003 トランスポートおよびルーティング ガイド』を参照してください。