メールボックスの移動処理と削除標識付きメールボックスのテーブル

 

Microsoft® Exchange Server 2003 と Exchange 2000 Server は、Active Directory® ディレクトリ サービスを使用して構成情報とユーザー情報を格納します。通常、この情報の大部分は、Exchange を実行しているサーバーとは異なるサーバーに格納し、Exchange を実行しているサーバーは、いくつかの Active Directory サーバーのいずれかを使用して構成の変更の読み取りと書き込みを行います。

したがって、メールボックスの移動処理を実行している間、Exchange を実行している移動元のサーバーと移動先のサーバーは、複数の Active Directory サーバーから読み取ったり複数の Active Directory サーバーに書き込んだりできます。そのため、Active Directory サーバー同士が完全に同期するまでしばらく時間がかかります。したがって、メールボックスを移動している間や移動した後に、移動先サーバーではなく移動元サーバーにメールが配信される可能性があります。

この問題に対処するために、移動元の Exchange データベースは移動済みメールボックスを削除標識付きメールボックスのテーブルに登録します。このテーブルは、すべての Active Directory 情報から独立して存在します。メールボックスを移動した後で移動元サーバーにメッセージが配信されると、移動元サーバーがそれを認識し、Active Directory に格納されている情報に関係なく、メッセージをそのサーバー内に配信しないで再ルーティングします。配信を試みるとエラー ecMailboxInTransit が返され、サーバーはメッセージをローカルに配信する代わりに再ルーティングを試みます。

メールボックスの移動タスクを使用して、以前に配置されていたサーバーにメールボックスを戻すと、メールボックスの移動タスクが削除標識付きメールボックスのテーブルの登録を消去するため、移動を正常に完了できます。

データベースを別のサーバーに移動すると、メールボックス クリーンアップ エージェントがデータベース内のすべてのメールボックスを [Disconnected★切断] に設定します。また、システム アテンダント メールボックスの場合に限り、メールボックス クリーンアップ エージェントは削除標識付きメールボックスのテーブルへの登録を行います。これにより、あるサーバーのシステム アテンダント メールボックスが別のサーバー上でアクティブ化されるのを防ぐことができます。

ただし、この保護方法は、以前のサーバー上でもう一度そのデータベースを使用して、システム アテンダント メールボックスをホストすることができないことを意味します。これは、削除標識付きメールボックスの一覧からシステム アテンダント メールボックスを削除する方法がないためです。メールボックスの移動は、システム アテンダント メールボックスには適用されません。削除標識付きメールボックスのテーブルは Active Directory 内でレプリケートされたり認識されたりせず、特定の物理データベースに限定されているため、システム アテンダント メールボックスへの削除標識の登録が行われたことのない物理データベースを配置することにより、そのシステム アテンダント メールボックスを再び有効にすることができます。

詳細情報

システム アテンダント メールボックスの詳細については、「Exchange メールボックス データベースを移動する際のシステム アテンダント メールボックスの問題」を参照してください。

Exchange メールボックスのデータベースの移動に関する詳細については、「別のサーバーまたはストレージ グループへの Exchange メールボックス データベースの移動」を参照してください。