共有ホスティング用の Application Request Routing
公開日: 2009 年 1 月 17 日 (作業者: walterov (英語))
更新日: 2009 年 2 月 19 日 (作業者: walterov (英語))
はじめに
このトピックでは、ホスティング事業者にとって不可欠な以下の情報を提供します。
• IIS 7 の Application Request Routing (ARR) 機能について学習します。
• 「共有ホスティング構成」の記事を参考に ARR をセットアップします。
Microsoft Application Request Routing (ARR) は、HTTP ヘッダー、サーバー変数、および負荷分散アルゴリズムに基づいて HTTP 要求をコンテンツ サーバーに転送するプロキシ ベースのルーティング モジュールです。ARR の重要な機能は "ホスト名アフィニティ" と呼ばれ、特に共有ホスティング事業者向けに設計されています。この機能は、要求が 1 つのクライアントまたは複数のクライアントによって作成されるかどうかにかかわりなく、ARR サーバーの内側にある多数のサーバーに対する要求をアフィニティ化 (アフィニティを作成) します。これにより、任意のサイトが、決められた数のサーバー上でのみリソースを消費することが可能になります。この機能により、ホスティング事業者は、顧客が必要に応じて一定数のサーバーを使用し、その使用に応じて料金を支払うビジネス モデルを実現できます。
では ARR を ダウンロード してください。
ARR とは
ARR とは、Windows Web Platform の主要コンポーネントです <リンク: 共有ホスティング構成の記事>。ホスティング事業者が共有ホスティング シナリオで ARR を活用する方法について理解するには、次の手順に従います。
- このビデオ (英語) を再生し、該当するプレゼンテーション (英語) を参照します。
- この概要の記事 を読みます。この記事は、共有ホスティングの現在のアプローチと、ARR によって可能になる新しいアプローチの違いを説明しています。
次の画像は、クライアントと、ターゲットの Web サイト サーバーとの間で生じる要求フローの概略を示しています。
まとめると、ARR には次の利点があります。
- ARR によって HTTP(S) 要求が動的に負荷分散されます。
- 管理者は、サイト割り当てがあらかじめ定義されていない新しい Web サーバーを追加することで、Web ファーム環境を水平方向に拡張できます。
- Web サーバー リソースが、さらに均等に分散されます。
- サイトの可用性が向上します。
- 管理者は、1 つの共有構成を管理するだけでよくなります。
- ARR のドメイン/サーバー アフィニティ機能により、新しいサーバー/リソース割り当てモデルが可能になります。
共有ホスティング用に ARR をセットアップする
共有ホスティング構成の記事に説明されているように ARR サーバーと、対応する Web サーバー ファームをセットアップするには、次の手順と記事を参照してください。
- インターネットに接続し、ARR を実行してクライアントと Web アプリケーション サーバー間の Web 要求をすべて処理するサーバーを 1 台選択します。
- 選択したサーバーで Web Platform Installer を使用し、ARR をインストールします。
- ARR のアプリケーション プール プロセス モデル (英語) を変更します。
- 次の記事の手順に従って、ARR Web サーバー ファームをセットアップします。共有構成の詳細については、http://learn.iis.net/page.aspx/264/shared-configuration/ を参照してください。
- 共有ホスティング用に ARR を構成します <リンク: http://learn.iis.net/page.aspx/483/shared-hosting-using-application-request-routing-arr/>。
- 高い可用性とスケーラビリティが必要かどうかを検討します。必要な場合、次の 2 つのアプローチがあります。
- ハードウェア ロード バランサーを使用します <リンク: http://learn.iis.net/page.aspx/510/achieving-high-availability-and-scalability---arr-and-hardware-load-balancer/>。
- NLB を使用します <リンク: http://learn.iis.net/page.aspx/511/achieving-high-availability-and-scalability---arr-and-nlb/>。
- ARR サーバーは、ファーム内に複数の Web サーバーを使用する環境で共有構成を使用しません。しかし、高い可用性とスケーラビリティが求められるシナリオでは、それらの Web サーバー間で構成を共有するよう ARR がセットアップされます。
- ホストされるサイトに、SSL が必要かどうかを検討します。必要な場合、ARR Web サーバー ファーム内の Web サーバーが、インターネットから直接アクセスされないようにしてください。インターネットからアクセスできるのは、ARR サーバーのみにしてください。ARR は既定で SSL オフロード を使用するため、この点は非常に重要です。SSL が不要な場合は、SSL オフロードを無効にしてください。SSL オフロードには、次のメリットがあります。
- Web サーバーで要求や応答の暗号化/復号化を繰り返し割り当てる必要がなくなるので、サーバーのリソースを最大限活用できます。
- 各ドメインの SSL 証明書を Web ファーム内のすべてのサーバーにインストールする代わりに、ARR サーバーに 1 回インストールするだけでよくなります。
- <問題: ARR 向けに、NAS でログ ファイル ディレクトリのアクセス許可を設定するための手順が必要。>
- 顧客サイトのエラーの詳細を転送するよう ARR サーバーを構成します。顧客の要望どおり、Web サイトのエラーの詳細すべてが Web クライアントに転送されるよう ARR サーバーを構成してください。この手順が完了すると、顧客はエラー ページの内容を制御できるようになります。既定で、ARR サーバーはエラーを転送しますが、エラーの詳細は転送しません。エラーの詳細を転送するには、次の手順に従います。
- ARR サーバーを管理する IIS マネージャーを使用し、[エラー ページ] モジュールを選択します。
- [操作] ウィンドウ (右側) で、[機能設定の編集] をクリックします。
- [エラー ページ設定の編集] ダイアログ ボックスで、[詳細なエラー] を選択し、[OK] をクリックします。
- ARR サーバーを管理する IIS マネージャーを使用し、[エラー ページ] モジュールを選択します。
まとめ
この記事では、ホスティング事業者が、共有ホスティング環境で ARR をセットアップする際に必要なガイドを紹介しました。このガイドには、推奨する共有ホスティング構成と、ARR のセットアップに必要な手順が含まれます。