Vol.8「SQL Server の管理パックを分析してみよう」

パフォーマンス カウンタのサンプリング

公開日: 2004 年 11 月 29 日

河端 善博

続いて、パフォーマンス カウンタの値をどのように取得して、アラートにつなげているのかを見てみましょう。

管理パックの [パフォーマンス ルール]

図 19: [パフォーマンス ルール] を使って、定期的にパフォーマンスを検査し、アラートを挙げることができます。
※画面を原寸で確認する場合は、こちらをクリックしてください。

ここでは、[Microsoft SQL Server] - [SQL Server 2000] - [Server Performance Thresholds] フォルダのパフォーマンス ルール [SQLSERVR Process > 90% CPU for 15 minutes] を見ていきましょう。

パフォーマンス ルールには、次の種類があります。

  • 測定

  • しきい値

パフォーマンス カウンタの値を MOM に定期的に記録したい場合は、[測定] になります。値によって、アラートを挙げるなどの処理をしたい場合は [しきい値] になります。

種類は、パフォーマンス ルール作成時に指定します。

このフォルダのルールはすべて [しきい値] になっています。

このルール [SQLSERVR Process > 90% CPU for 15 minutes] は、SQL Server のリレーショナル データベース処理プロセスの負荷が 90% 以上の状態を 15 分以上続けたら、アラートを出すように定義しています。

では、プロパティを見てみましょう。

[パフォーマンス ルール] の種類 [しきい値] の例

図 20: [パフォーマンス ルール] の種類 [しきい値] の場合には、これだけのタブがあります。
※画面を原寸で確認する場合は、こちらをクリックしてください。

種類 [しきい値] の場合、これだけのタブによる設定ができます。

[全般] タブは、ルール名などを指定します。

次に [データ プロバイダ] タブを見てみましょう。

しきい値ルールのプロパティの [データ プロバイダ] タブ

図 21: [データ プロバイダ] タブでは、[プロバイダ] として特定のパフォーマンス カウンタの値を定期的に取得するように指定します。
※画面を原寸で確認する場合は、こちらをクリックしてください。

[データ プロバイダ] タブは、[SQL Server 2000 : Process-% Processor Time-sqlservr-5-minutes] が指定されています。先ほど、イベント ログの時は、ここに [Application] といったイベント ログのハイブ名を指定しましたが、このパフォーマンス ルールでは、Windows のどのパフォーマンス カウンタの値を、どのような間隔で取得するかを指定します。

[変更] ボタンをクリックすると、より詳細を確認することができます。

パフォーマンス カウンタ プロバイダのプロパティ

図 22: [Process] オブジェクトの [% Processor Time] カウンタの [sqlservr] インスタンスの値を、300 秒単位にサンプリングしています。
※画面を原寸で確認する場合は、こちらをクリックしてください。

プロバイダのプロパティをみると、[Process] オブジェクトの [% Processor Time] カウンタの [sqlservr] インスタンスの値を、300 秒単位にサンプリングしていることがわかります。コンピュータは指定されていませんので、対象となるサーバー上のカウンタになります。ここで、リモート コンピュータのカウンタをサンプリングさせることもできます。

では、このプロパティ ダイアログを閉じます。

[スケジュール] [条件] のタブは、特に設定しません。

次に、[しきい値] のタブを確認します。

しきい値ルールのプロパティの [しきい値] タブ

図 23: [しきい値] タブでは、3 回取得して、平均が 90 よりも大きいとしています。つまり、15 分間、90% 以上の負荷となります。
※画面を原寸で確認する場合は、こちらをクリックしてください。

[しきい値] タブでは、サンプリングしたパフォーマンス カウンタに対する条件を指定します。ここでは、3 サンプルの取得で、平均値が 90 より大きいとしています。

つまり、3 × 300 秒 = 15 分間にわたって、CPU 負荷が 90% を超えた場合という定義になります。

次に [アラート] を見てみましょう。

しきい値ルールのプロパティの [アラート] タブ

図 24: [アラート] タブでは、エラーの生成を指定しています。
※画面を原寸で確認する場合は、こちらをクリックしてください。

[アラート] タブでは、エラーとしてアラートを挙げ、その内容として、オブジェクト名、カウンタ、インスタンスなどをアラート情報として挙げるようにしています。

このほか、[アラートの抑制] タブでは、イベント ログのときと同様、アラートが繰り返し報告されることを制御しています。[応答] タブは特に指定していません。

このように、パフォーマンス カウンタの異常値に応じて、アラートを挙げるパフォーマンス ルールを作成することができます。

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