エンド ユーザーから見る Windows 7 の互換性機能
山田 章夫 (Windows Expert - IT Pro)
公開日: 2010 年 11 月 29 日
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1 年ぶりの Windows 7 活用術再開の第 1 弾ということで、トップ バッターを務める山田章夫です。前回はベータの段階から書き始めて発売までに合わせて、活用術を 4 人で書いてきました。今回は発売 1 周年も過ぎ、一部メンバーも入れ替わり 3 人で交代に連載の予定です。
さて、今回は Windows 7 へのアップグレードを考える場合、どうしても気になる互換性関する話になります。
インストール
Windows 7 へマシン アップグレードする場合には、個人の場合であれば Windows 7 Upgrade Advisor を利用しマシンの入れ替えを含め、検討します。
企業ユーザー向けには、Application Compatibility Toolkit (以下、ACT と呼びます) が準備されていますのでこちらを利用すると便利です。
ACT には以下のような支援ツールが用意されています。
- Inventory Collector
- Evaluator
- Internet Explorer Compatibility Evaluator
- User Account Control Compatibility Evaluator
- Application Compatibility Manager
- Compatibility Administrator
これらを使うことで、現在の環境を調査し、一覧を作り、問題のインパクトや UAC の互換性やIEの互換性の問題点を示し、ACT 自身が自己評価し、最後に互換性問題への対応を作成し、各コンピューターに展開することも可能です。
ACT は以下のサイトからダウンロード可能です。
Microsoft Application Compatibility Toolkit 5.6 (英語)
また、アプリケーションやハードウェアのメーカー サイトの Windows 7 へのアップグレード情報も参照します。
すべてが Windows 7 に対応していれば万々歳ですが、対応製品に載っていない場合もあります。その場合にはあきらめないといけないのでしょうか。
対象製品に載っていないとしても動かないとは限りません。ただ、単にメーカーが古い製品の場合確認していないだけの場合もあります。そのため最終的には自分で試してみるのが一番となります。
それでは、どのようにすればいいのでしょうか。
- 標準のセットアップの手順を実行する。
- 該当のセットアップファイルを右クリックして「管理者として実行」を行います。
図 - 1
- 該当のセットアップファイルを右クリックして、「互換性のトラブルシューティング」を行います。
図 - 2
互換性のトラブルシューティングはウイザード形式になっています。
「プログラムの互換性」では「推奨設定を使用する」を選びます。
図 - 3
「プログラムの互換性」では「プログラムを開始」を選びます。(なお、スクロールをしないと見えない場合もあります。) 表示された互換性モードでセットアップが実行されます。
図 - 4
セットアップが終了したら、「次へ」を押します。
図 - 5
「トラブルシューティングを完了しました」の画面では、インストールできなかった場合には、「いいえ、別の設定で、もう一度やりなおします」を選び、別の設定でも行ってみます。色々な設定でも駄目な場合には「キャンセル」を選びます。
- フォルダやレジストリの仮想化の一般的な問題の解決
Windows VistaやWindows 7では、過去のバージョンとの互換性を保つためにフォルダやレジストリの互換性を保つために仮想化を行っていますが、それが故に過去のバージョンにしか対応していないアプリケーションを利用する場合に発生する問題もあります。
その情報については下記のサポート技術情報を参照してみてください。
「Windows Vista または Windows 7 のファイルおよびレジストリの仮想化に関する一般的な問題」
Windows XP Mode や APP-V や MED-V などの仮想化技術を実行します。
Windows XP Mode については、下記のサイトを参照してください。
Windows XP MODE (入門編)
Windows XP MODE (応用編)
Windows XP MODE (番外編)
なお、上記のサイトを書いた時と一部仕様が変更になり、ハードウェアの仮想化テクノロジー (Intel-VT や AMD-V) に対応していないパソコンでも、利用できるようになりました。
その場合には、「Windows 7 を実行しているコンピューター上の Windows Virtual PC での Windows XP Mode のハードウェア支援による仮想化に関するエラー メッセージ」を適用してください。
企業ユーザー向けには XP Mode よりも APP-V や MED-V を利用したほうがいいでしょう。これらは、ドメイン環境でのサーバーを利用して展開する技術になります。
但し、利用には(Windows 7 Professional のボリューム ライセンス プログラムに対して、ソフトウェア アシュアランス (ライセンス プログラムのオプション ライセンス) を適用いただいた上で、さらに MDOP を年間契約いただくことが可能になります。)詳細については、今後このコラムでも紹介される予定です。
MDOP については下記のサイトを参照してください。
Microsoft Windows Enterprise: Microsoft Desktop Optimization Pack
それでもインストールできない場合には、Windows 7 で対応している製品へのバージョンアップか別の製品の導入を検討してください。
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