4.13 Windows メールの削除 Windows 7 Only

4. 新機能や機能変更に伴う互換性問題

この章では、以下のような新機能や機能変更に伴う、互換性問題について紹介します。

Windows メールの削除

Windows Vista に付属していた「Windows メール」は、Windows XP での「Outlook Express」の後継で、フィッシング詐欺、スパムメール対策が施されたメーラーです。Windows 7 では、この Windows メールが削除されます。これに伴い、CoStartOutlookExpress API は無効化されます。その他のメール API も、非推奨としてマークされ、今後のバージョンの Windows では廃止される予定です。ただし、公開された API については、廃止または非推奨としてマークされていない限り、Windows 7 で引き続き動作します。さらに、ユーザーの電子メール ファイル (.eml) およびニュース ファイル (.nws) もシステム上に維持されます。

Windows メールのほかに、以下の機能も Windows 7 から削除されます。これらは Windows Live Essentials という形で同様のアプリケーションが提供されます。

  • Windows メール
  • Windows フォトギャラリー
  • Windows ムービーメーカー
  • Windows カレンダー
  • Windows アドレス帳

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発生する互換性問題

Windows メールの削除による主な互換性問題は、次のようなものが考えられます。

Windows メールの UI の起動を試みる API は、警告なしで失敗します。関数からは成功の値が返されますが、ユーザーに対して UI は表示されません。他のダイアログ ボックスを呼び出す API (スプーラーやアカウントのダイアログなど) については、引き続き UI が表示されます。

プロトコル (mailto、ldap、news、snews、nntp) ハンドラーは、今後、Windows メールにも連絡先にも関連付けられません。起動しようとすると、エラー ダイアログが表示され、別のプログラムとの関連付けを設定するように促されます。

ファイルの関連付け (.eml、.nws、.contact、.group、.wab、.p7c、.vfc) は解除されるか、無効化されます。これらの拡張子を持つファイルを開こうとすると、既にインストールされていて使用可能な状態にある他のアプリケーションを一覧にしたダイアログ ボックスが表示され、解決策を提供する Web ページに誘導されます。

また、デフォルトのメールクライアントを見つけるために、以下のレジストリを参照している場合、Windows Live メールをインストールしても起動されません。

HKLM\Software\Clients\Mail

これは、Windows メールではここに自身を登録していましたが、Windows Live メールはここに書き込まないからです。

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問題の回避と対応

  • エンドユーザー向け

    .eml および .nws ファイルの読み取りには、Windows Live メールなど、対応した他のメール製品をインストールします。

  • 開発者向け

    • アプリケーションを Windows 7 環境で実行し、Windows メールを呼び出していないかどうかを確認します。Windows メールに関する API を呼び出すコードは正常に動作しないので、そのような設計はおこなわないようにします。特に、「deprecated」や「obsolete」とマークされているものは、今後削除される可能性があるので使用しないようにします。

    • デフォルトのメールクライアントを見つけるために、「HKLM\Software\Clients\Mail」は使用しないようにします。代わりに「HKCU\Software\Clients\Mail」を参照するようにします。

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