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シナリオ 1: オンライン ライセンス認証

このシナリオでは、ボリューム ライセンス認証管理ツール (VAMT) はコア ネットワーク環境に展開されています。VAMT は、すべてのクライアント コンピューターにネットワーク経由でアクセスできる、集中管理を行うコンピューターにインストールされています。また、VAMT ホスト コンピューターとクライアント コンピューターの両方がインターネットにアクセスできます。次の図に、マルチ ライセンス認証キー (MAK) のためのオンライン ライセンス認証シナリオを示します。このシナリオを使うと、次のキーの種類のオンライン ライセンス認証を実行できます。

  • マルチ ライセンス認証キー (MAK)

  • Windows キー管理サービス (KMS) キー

    • KMS ホスト キー (CSVLK)

    • Generic Volume License Key (GVLK) (KMS クライアント キー)

  • 販売キー

セキュリティ保護されたゾーンとは、ファイアウォールによる保護が追加されているセキュリティ レベルの高いコア ネットワーク コンピューターを表します。

VAMT - 複数のサブネットのファイアウォール構成

このトピックの内容

  • ネットワーク ホスト コンピューターへの VAMT のインストールと起動

  • インストール対象コンピューターでの Windows Management Instrumentation ファイアウォール例外の構成

  • VAMT データベースへの接続

  • 製品の検出

  • コンピューターの一覧の並べ替えとフィルター処理

  • 一覧のコンピューターからの状態情報の収集

  • プロダクト キーの追加と残りのライセンス認証カウントの判断

  • プロダクト キーのインストール

  • クライアント製品のライセンス認証

パート 1: ネットワーク ホスト コンピューターへの VAMT のインストールと起動

  1. ホスト コンピューターに VAMT をインストールします。

  2. [スタート] メニューの [VAMT] アイコンをクリックして VAMT を開きます。

パート 2: インストール対象コンピューターでの Windows Management Instrumentation ファイアウォール例外の構成

  • インストール対象のすべてのコンピューターについて、Windows Management Instrumentation (WMI) ファイアウォール例外が有効になっていることを確かめます。詳しくは、「クライアント コンピューターの構成」をご覧ください。

  

製品のライセンスの状態を取得するには、VAMT にリモート コンピューターに対する管理アクセス許可が必要です。また、Windows ファイアウォールを介して WMI にアクセスできる必要があります。さらに、ワークグループ コンピューターについては、レジストリ キーを作成して、ユーザー アカウント制御 (UAC) の管理下でリモート管理操作を実行できるようにする必要があります。詳しくは、「クライアント コンピューターの構成」をご覧ください。

 

パート 3: VAMT データベースへの接続

  1. データベースにまだ接続していない場合は、VAMT を開いたときに [Database Connection Settings] ダイアログ ボックスが表示されます。ライセンス認証を実行する必要があるキーが含まれているサーバーとデータベースを選びます。

  2. [Connect] をクリックします。

  3. データベースに既に接続済みの場合は、VAMT の中央のウィンドウに、製品とプロダクト キーのインベントリと、データベース内にあるコンピューターのライセンスの概要が表示されます。他のデータベースに接続する必要がある場合は、[Successfully connected to the Server] をクリックし、[Database Connection Settings] ダイアログ ボックスを開きます。VAMT データベースの作成方法と VAMT データの追加について詳しくは、「VAMT データの管理」をご覧ください。

パート 4: 製品の検出

  1. 左側のウィンドウの [Products] ノードで、ライセンス認証を実行する製品をクリックします。

  2. [Discover Products] ダイアログ ボックスを開くには、右側のウィンドウの [Actions] メニューの [Discover products] をクリックします。

  3. [Discover Products] ダイアログ ボックスの [Search for computers in the Active Directory] をクリックして検索オプションを表示し、使う検索オプションをクリックします。Active Directory ドメイン内のコンピューターの検索、個々のコンピューター名または IP アドレスによる検索、ワークグループ内のコンピューターの検索、または一般的なライトウェイト ディレクトリ アクセス プロトコル (LDAP) クエリによる検索を行うことができます。

    • Active Directory ドメイン内のコンピューターを検索するには、[Search for computers in the Active Directory] をクリックします。次に [Domain Filter Criteria] の下のドメイン名の一覧で、検索対象にするドメイン名をクリックします。[Filter by computer name] フィールドに名前を入力して検索対象をさらに絞り込み、ドメイン内の特定のコンピューターを検索することもできます。このフィルターでは、アスタリスク (*) のワイルドカードがサポートされます。たとえば、「a*」と入力すると、「a」という文字で始まるコンピューター名のみが表示されます。

    • 個々のコンピューター名または IP アドレスで検索するには、[Manually enter name or IP address] をクリックします。次に、[One or more computer names or IP addresses separated by commas] ボックスに名前全体または IP アドレスを入力します。複数の名前または IP アドレスを入力する場合は、それぞれをコンマで区切ります。VAMT では、IPv4 アドレスと IPv6 アドレスの両方をサポートしています。

    • ワークグループ内のコンピューターを検索するには、[Search for computers in the workgroup] をクリックします。次に [Workgroup Filter Criteria] の下のワークグループ名の一覧で、検索対象にするワークグループ名をクリックします。[Filter by computer name] フィールドに名前を入力して検索対象をさらに絞り込み、ワークグループ内の特定のコンピューターを検索することもできます。このフィルターでは、アスタリスク (*) のワイルドカードがサポートされます。たとえば、「a*」と入力すると、「a」という文字で始まるコンピューター名のみが表示されます。

    • 一般的な LDAP クエリを使ってコンピューターを検索するには、[Search with LDAP query] をクリックし、表示されたボックスにクエリを入力します。VAMT では、LDAP クエリの構文が検証されますが、クエリを実行する前にこれ以外はチェックされません。

  4. [Search] をクリックします。

検索が完了すると、VAMT で検出された製品が中央のウィンドウの製品の一覧ビューに表示されます。

パート 5: コンピューターの一覧の並べ替えとフィルター処理

ライセンス認証のためにプロダクト キーが必要なコンピューターを簡単に見つけることができるように、製品の一覧を並べ替えることができます。

  1. 中央のウィンドウの上部のメニュー バーの [Group by] をクリックし、次に [Product][Product Key Type]、または [License Status] をクリックします。

  2. 一覧をさらに並べ替えるには、並べ替えの基準にする列の列見出しをクリックします。

  3. また、フィルター機能を使ってコンピューターの検索範囲を絞り込むには、右側のウィンドウの [Filter] をクリックして [Filter Products] ダイアログ ボックスを開きます。

  4. [Filter Products] ダイアログ ボックスで、コンピューター名、製品名、プロダクト キーの種類、ライセンスの状態、またはこれらのオプションの任意の組み合わせを使って一覧をフィルター処理することができます。

    • コンピューター名を使って一覧をフィルター処理するには、[Computer Name] ボックスに名前を入力します。

    • 製品名、プロダクト キーの種類、またはライセンスの状態を使って一覧をフィルター処理するには、フィルター処理に使う一覧をクリックし、オプションを選びます。必要に応じて、[clear all filters] をクリックし、新しいフィルターを作成します。

  5. [Filter] をクリックします。VAMT の中央のウィンドウの製品の一覧ビューに、フィルター処理された一覧が表示されます。

パート 6: 一覧のコンピューターからの状態情報の収集

データベース内で選んだコンピューターから状態を収集するには、次のどちらかの方法で製品の一覧ビューのコンピューターを選びます。

  • 連続して表示されているコンピューターをまとめて選ぶには、選ぶ範囲の最初のコンピューターをクリックしてから、その範囲の最後のコンピューターを Shift キーを押しながらクリックします。

  • 連続して表示されていない複数のコンピューターを一度に選ぶには、Ctrl キーを押したまま、状態情報の収集対象にする各コンピューターをクリックします。

選んだコンピューターから状態情報を収集するには、次の操作を実行します。

  1. 右側の [Actions] ウィンドウの [Selected Items] メニューの [Update license status] をクリックし、資格情報オプションをクリックします。更新する製品で、使っているコンピューターへのログオンで使った管理者の資格情報と異なる資格情報が必要な場合にのみ、[Alternate Credentials] を選びます。それ以外の場合は、[Current Credentials] をクリックし、手順 2. に進みます。代替資格情報を指定する場合は、[Windows Security] ダイアログ ボックスに適切なユーザー名とパスワードを入力し、[OK] をクリックします。

  2. 選択したコンピューターでサポートされているすべての製品のライセンスの状態を収集する間、VAMT に [Collecting product information] ダイアログ ボックスが表示されます。処理が終了すると、中央のウィンドウの製品の一覧ビューに、各製品のライセンスの状態が更新された状態で表示されます。

  

サポートされている複数の製品がコンピューターにインストールされている場合、製品ごとに 1 つのエントリが追加されます。エントリは、対応する製品の見出しの下に表示されます。

 

パート 7: プロダクト キーの追加と残りのライセンス認証カウントの判断

  1. 左側のウィンドウの [Product Keys] ノードをクリックし、右側のウィンドウの [Add Product Keys] をクリックして、[Add Product Keys] ダイアログ ボックスを開きます。

  2. [Add Product Key] ダイアログ ボックスでは、次のどちらかの方法を使って、プロダクト キーを追加できます。

    • プロダクト キーを手動で追加するには、[Enter product key(s) separated by line breaks] をクリックします。次に、1 つ以上のプロダクト キーを入力し、[Add Key(s)] をクリックします。

    • プロダクト キーの一覧が含まれているコンマ区切り値ファイル (CSV) をインポートするには、[Select a product key file to import] をクリックし、ファイルの場所を参照します。次に、[Open] をクリックしてファイルをインポートし、[Add Key(s)] をクリックします。

    追加したキーは、中央のウィンドウの [Product Keys] の一覧ビューに表示されます。

重要  

MAK を使って多数の製品のライセンス認証を実行する場合は、MAK のライセンス認証カウントを最新の情報に更新して、必要な数のライセンス認証カウントに MAK が対応していることを調べます。中央のウィンドウのプロダクト キーの一覧の MAK を選び、右側のウィンドウの [Refresh product key data online] をクリックしてマイクロソフトへの問い合わせを実行し、MAK が対応しているライセンス認証カウントの残りの数を取得します。この手順を実行するには、インターネットにアクセスできる必要があります。MAK が対応しているライセンス認証カウントの残りの数のみを取得できます。

 

パート 8: プロダクト キーのインストール

  1. 左側のウィンドウで、キーをインストールする製品をクリックします。

  2. 必要に応じて、プロダクト キーをインストールする必要があるコンピューターを簡単に見つけることができるように、製品の一覧の並べ替えとフィルター処理を行います。「パート 5: コンピューターの一覧の並べ替えとフィルター処理」をご覧ください。

  3. [Products] の一覧ビュー ウィンドウで、キーをインストールする必要がある製品をそれぞれ選びます。複数の製品を選ぶには、Ctrl キーまたは Shift キーを使います。

  4. 右側のウィンドウの [Selected Items] メニューの [Install product key] をクリックし、[Install Product Key] ダイアログ ボックスを開きます。

  5. [Select Product Key] ダイアログ ボックスに、インストールに使うことができるキーが表示されます。[Recommended MAKs] の下には、選んだ製品に応じて、推奨される 1 つ以上の MAK が表示されます。MAK をインストールする場合は、推奨されたプロダクト キーを選ぶことも、[All Product Keys List] の別の MAK を選ぶこともできます。MAK 以外をインストールする場合は、[All Product Keys] ボックスの一覧のプロダクト キーを選びます。必要な場合は、スクロール バーを使ってそれぞれのキーの [Description] を表示します。インストールするプロダクト キーを選び、[Install Key] をクリックします。一度にインストールできるキーは 1 つだけです。

  6. 選択した製品のプロダクト キーをインストールしている間、VAMT に [Installing product key] ダイアログ ボックスが表示されます。処理が終了すると、ダイアログ ボックスの [Action Status] 列に状態が表示されます。[Close] をクリックして、ダイアログ ボックスを閉じます。ダイアログ ボックスが表示されたときに、[Automatically close when done] チェック ボックスをオンにしておくこともできます。

    状態は、中央のウィンドウの製品の一覧ビューの [Status of Last Action] 列にも表示されます。

  

VAMT がキーの種類またはエディションの不一致を検出した場合、プロダクト キーのインストールは失敗します。VAMT にエラーの状態が表示され、一覧にある次の製品に対してインストールが続行されます。適切なプロダクト キーを選ぶ方法について詳しくは、Windows の適切なボリューム ライセンス キーを選ぶ方法に関するページをご覧ください。

 

パート 9: クライアント製品のライセンス認証

  1. 一覧ビュー ウィンドウで、ライセンス認証の対象とする個々の製品を選びます。

  2. メニュー バーの [Action] をクリックし、[Activate][Online activate] の順にポイントします。選んだコンピューターを右クリックして [Action] メニューを表示し、[Activate][Online activate] の順にポイントすることもできます。さらに、右側のウィンドウの [Selected Items] メニューの [Activate] をクリックして、[Activate] オプションを表示することもできます。

  3. 現在の資格情報を使ってプロダクト キーのライセンス認証を実行する場合は、[Current credential] をクリックし、手順 5. に進みます。現在使っている管理者の資格情報と異なる資格情報が必要な製品のライセンス認証を実行する場合は、[Alternate credential] オプションをクリックします。

  4. 代わりに使うユーザー名とパスワードを入力し、[OK] をクリックします。

  5. [Activate] オプションを使うと、インターネット経由でマイクロソフトの製品ライセンス認証サーバーに接続し、選んだ製品のライセンス認証を要求します。操作が完了するまで、VAMT に [Activating products] ダイアログ ボックスが表示されます。

  

クライアント製品に MAK をインストールし、GVLK を上書きするときには十分に注意してください。コンピューターに RTM バージョンの Windows Vista がインストールされている期間が 30 日を超えると、最初の猶予期間が終了します。このため、次にログオンする前にオンライン ライセンス認証が正常に完了していない場合、機能制限モード (RFM) に移行します。ただし、ネットワーク上でコンピューターにアクセスできれば、オンライン ライセンス認証を使って、RFM の状態から適切に構成された状態にコンピューターを戻すことができます。RFM は、RTM バージョンの Windows Vista または Microsoft Office 2010 の製品版にのみ適用されます。Windows Vista SP1 以降、Windows 7、Windows 8、Windows 10、Windows Server 2008、Windows Server 2008 R2、Windows Server 2012、Office 2010 のボリューム エディションは RFM に移行しません。

 

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