HTML Help ActiveX Control を使用する

Microsoft Office 2000/Visual Basic プログラマーズ ガイド   

HTML Help で使用可能な多くの機能は、HTML Help ActiveX Control (HHCtrl.ocx) によって実行されます。HTML Help ActiveX Control により、目次などのナビゲーション機能の使用、2 次ウィンドウやポップアップ定義の表示、およびその他の機能の使用が可能になります。HTML Help ActiveX Control は、コンパイルされたヘルプ システムのトピック、および Web ブラウザに表示される HTML ページから使用できます。HTML Help ActiveX Control によって使用可能になる機能は、HTML Help Viewer または Internet Explorer (3.01 またはそれ以降のバージョン) などの ActiveX テクノロジをサポートするブラウザで実行されます。HTML Help ActiveX Control によって使用可能になる機能には、コンパイルされた HTML Help ファイル (.chm) を HTML Help Viewer で表示する場合にのみ有効なものがあります。

次の機能は、HTML Help ActiveX Control によってサポートされる一般的な機能です。

  • 目次 (ツリー コントロールで表示)

  • インデックス

  • 2 次ウィンドウ (HTML Help Viewer で表示される .chm ファイルからのみ使用可能)

  • ウィンドウのサイズ変更および位置設定を行う機能 (HTML Help Viewer で表示される .chm ファイルからのみ使用可能)

  • ポップアップ定義

  • 状況依存のヘルプ (状況依存のヘルプをサポートするアプリケーションで表示される .chm ファイルからのみ使用可能)

  • ほかのプログラムを起動するショートカット ボタン (HTML Help Viewer で表示される .chm ファイルからのみ使用可能)

  • 関連項目へのリンク

  • トレーニング カード ヘルプ (HTML Help Viewer で表示される .chm ファイルからのみ使用可能なステップごとの対話型ヘルプ)

  • 見出し画面

HTML ファイルに HTML Help ActiveX Control を挿入する最適な方法は、HTML ファイルを HTML Help Workshop で開き、[Tags] メニューの [HTML Help Control] をクリックする方法です。ウィザードが表示されたら、コントロールで使用するコマンドの種類を選択し、そのコマンドに適用するほかのパラメータを定義します。[完了] をクリックすると、適切な <OBJECT> と <PARAM> のタグが HTML ファイルに挿入されます。

たとえば、次の HTML コードは、2 つのトピックが含まれるダイアログ ボックスを表示する [関連項目] ボタンを作成する HTML Help ActiveX Control のインスタンスを挿入します。

  <OBJECT ID=HHCtrl TYPE="application/x-oleobject"
        CLASSID="clsid:adb880a6-d8ff-11cf-9377-00aa003b7a11"
        CODEBASE="HHCtrl.ocx#Version=4,73,8259,0"
        WIDTH=12
        HEIGHT=12>

    <PARAM NAME="Command" VALUE="Related Topics">
    <PARAM NAME="Button" VALUE="Text:関連項目">
    <PARAM NAME="Item1" VALUE="First topic;topic1.htm">
    <PARAM NAME="Item2" VALUE="Second topic;topic2.htm">
</OBJECT>

メモ   多くの ActiveX コントロールとは異なり、HTML Help ActiveX Control は HTML ファイルにのみ挿入することができます。HTML Help ActiveX Control が、Office アプリケーションのツールボックスに追加可能なコントロールのリスト内に HHCtrl オブジェクトとして含まれている場合でも、フォームまたはドキュメントにコントロールを挿入しようとするとエラー メッセージが表示されます。前の CODEBASE 属性 (Version=4,73,8259,0) のサンプル HTML コードで示されているバージョン番号は、記述を行っている時点でのバージョンを表しています。HTML Help Workshop を使用して HTML Help ActiveX Control を挿入すると、コンピュータにインストールされているこのコントロールのバージョンを表す番号になります。

HTML Help ActiveX Control のインスタンスに対する <OBJECT> タグを HTML ページに挿入した場合、Microsoft JScript® または Microsoft Visual Basic Scripting Edition (VBScript) を使用してコントロールでの作業を行うことができます。たとえば、次の HTML コードでは、Jscript で HHCtrl.ocx のインスタンスとコントロールの TextPopup メソッドを使用して、テキストのポップアップを作成します。

  <OBJECT ID=HHCtrl TYPE="application/x-oleobject"
        CLASSID="clsid:adb880a6-d8ff-11cf-9377-00aa003b7a11"
        CODEBASE="HHCtrl.ocx#Version=4,73,8259,0">
</OBJECT>

<P>これは、
<A HREF=JavaScript:HHCtrl.TextPopup(MyText,"Verdana,10",9,9,-1,-1)>
ポップアップ</A>です。
</P>
<SCRIPT>MyText="テキスト ポップアップ ウィンドウはこのように表示されます。"
</SCRIPT>

VBScript を使用する場合、次のように <A HREF> タグの JavaScript を VBScript に置き換えると、同じテキスト ポップアップを作成することができます。

  <A HREF=VBScript:HHCtrl.TextPopup(MyText,"Verdana,10",9,9,-1,-1)>
pop-up</A>.

スクリプトを HTML Help ActiveX Control と使用する際の詳細については、HTML Help ActiveX Control Reference の Web サイト (https://www.microsoft.com/workshop/author/htmlhelp/hharef.asp) を参照してください。

HTML Help ActiveX Control と HTML Help Java Applet

HTML Help Java Applet では、HTML Help ActiveX Control で使用可能な多くの機能を使用できますが、Java アプレットは、コンパイルされた HTML Help ファイルよりも Web サイトでの使用に適しています。Java アプレットは ActiveX コントロールに比べて機能の数が少なく、目次およびインデックスのロードにかかる時間も ActiveX コントロールより長くなりますが、作成した Web サイトで HTML Help ナビゲーション機能を使用できる、および ActiveX コントロールをサポートしないブラウザとの互換性を保持できるという利点があります。Java アプレットでの作業については、この章の「HTML Help Java Applet を使用する」を参照してください。