ユーザー プロファイル プロパティの概要
ユーザー プロファイル プロパティは、ユーザーに関する個人情報を示すユーザー プロファイルに付属する名前と値の組です。ユーザー プロファイル ストアには、ユーザー プロファイル プロパティ情報のリストが格納されます。この情報は、ユーザー アカウントが格納されたディレクトリからインポートするか、またはユーザー プロファイル ストアにアカウント情報を手動で入力することによって取得されます。Microsoft Office SharePoint Server 2007 では、既定で Active Directory ディレクトリ サービス、LDAP サーバー、およびビジネス データ カタログからインポートできます。
Office SharePoint Server 2007 では、ユーザー プロファイル ストアを使用してソリューションを構築する開発者に向けて、以下のようにプロパティが改善されました。
複数値プロパティ
プロパティは複数の値をサポートするようになりました。この改善点は、たとえば、ユーザーの得意言語や専門分野のように通常は複数の値を格納するプロパティを定義する場合など、数多くのシナリオで役に立ちます。
オブジェクト モデルの IsMultiValued パラメータは、プロパティが複数値プロパティであるかどうかを示します。ただし、プロパティのデータ型と同様に、このパラメータは、いったん設定した後は変更できません。
オブジェクト モデルでは、複数値プロパティの複数の値は ArrayList オブジェクトとして返されます。コレクション内の値の順序は、更新順序と同じです。
複数値プロパティもインデックス付けを行うことができます。現在、Office SharePoint Server 2007 の エンタープライズ検索 機能では、複数値プロパティの Contains 句および Equals 句がサポートされています。
Microsoft Office SharePoint Portal Server 2003 では、接続ソースの複数値プロパティからのインポートはサポートされていませんでした。Office SharePoint Server 2007 では、ソースの複数値プロパティをマッピングできます。さらに、ソースの複数値プロパティを単一値のポータル プロパティにマッピングすることもできるようになりました。プロパティをインポートする場合、インポート操作ではソースの最初の値を取得しようとします。
更新可能または更新不可の選択肢リストを持つプロパティ
選択肢リストでは、ユーザー プロファイル プロパティを、使用できる値のリストを制約するボキャブラリに結び付けることができます。リストは更新可能 (ユーザーが新しい選択肢を追加できる) または更新不可 (選択肢は管理者が定義する) にできます。
ユーザー プロファイル オブジェクト モデルの Property オブジェクトの ChoiceList プロパティにより、選択肢リストとプロパティを関連付けることができます。さらに、ChoiceList オブジェクトは、ボキャブラリ用語の検索、削除、および名前変更を行うメソッドを提供します。選択肢リストを持つようにユーザー プロファイル プロパティを定義した後で、リストを持たないように定義し直すことはできません。また、リストを持たないように定義したプロパティにリストを追加することもできません。
オブジェクト モデルを使用して値を設定しようとしたときに、その値がボキャブラリ リストにない場合やリストが更新不可の場合は、InvalidValueException を受け取ります。ただし、インポート中は、値がリストにない場合やリストが更新不可の場合、Office SharePoint Server 2007 ではその値が無視されるだけです。
注意
値の大文字と小文字は区別されません。
プロパティ マッピング
Office SharePoint Server 2007 には、既定のユーザー プロファイル プロパティ セットが用意されています。場合によっては、ユーザー プロファイルに含まれている既定のプロパティ セットに、サイトに含める組織内ユーザーに関するすべての情報が含まれていないことがあります。その場合、Office SharePoint Server 2007 では、既定のユーザー プロファイルにプロパティを追加することにより、ユーザー プロファイルをカスタマイズできます。これらのプロパティは、ユーザーが値を入力するか、あるいは Active Directory ディレクトリ サービス、LDAP サーバー、またはビジネス データ カタログに登録されているアプリケーションからインポートすることができます。また、既存のプロパティを編集して、Office SharePoint Server 2007 のユーザー プロファイルにそれらのプロパティを表示する方法を変更することもできます。
既定のポリシーとプライバシー ポリシー
プロパティにアクセスして表示できるユーザーを制限するプロパティに、既定のポリシーを割り当てることができるようになりました。たとえば、アクセスと表示を自分のみ (Private)、自分の管理者 (Manager)、自分の業務グループ (Organization)、自分の仕事仲間 (Contacts)、またはすべてのユーザー (Public) に制限するポリシーを設定できます。既定のポリシーを設定するには、オブジェクト モデルの Property オブジェクトの DefaultPolicy プロパティを使用します。
既定のポリシーに加えて、プロパティを必須 (Mandatory)、任意 (Opt-in/Opt-out)、または無効 (Disabled) に設定するプライバシー ポリシーを割り当てることができます。プライバシー ポリシーを割り当てるには、オブジェクト モデルの Property オブジェクトの PrivacyPolicy プロパティを使用できます。
また、ユーザーがプライバシー ポリシーを上書きまたは変更できるかどうか (UserOverridePrivacy) または Windows SharePoint Services で作成されたサイト内でプロパティを複製できるかどうかを指定するポリシーを設定することもできます。
注意
Manage Profile 権限を持っている場合や、ポリシーでプロパティの編集を許可されている場合でも、マッピングされたプロパティを変更することはできません。