Business Connectivity Services の利点

最終更新日: 2010年3月17日

適用対象: SharePoint Server 2010

この記事の内容
外部システムの読み取りまたは書き込み
使い慣れたユーザー インターフェイス
外部システムへの、コード不要の接続
外部データへのオフライン アクセス
外部データの管理
検索による検出
ライフ サイクル管理

SharePoint Online で使用可能

Microsoft Business Connectivity Services (BCS) は、外部システムとプロセスを操作することに関して以下の利点を提供します。

外部システムの読み取りまたは書き込み

Business Connectivity Services を使用して、Microsoft Office アプリケーションまたは SharePoint サイトから外部システムのデータに対する作成、読み込み、更新、削除、クエリの各操作を実行できます (対象の外部システムが当該操作をサポートし、Business Data Connectivity (BDC) service 内で適切にモデル化されている場合)。

使い慣れたユーザー インターフェイス

外部コンテンツ タイプは、SharePoint の動作 (リスト、Web パーツ、プロファイル ページなど)、Office タイプの動作 (Microsoft Outlook の連絡先、仕事、予定、Microsoft Word の文書、Microsoft SharePoint Workspace 2010 のリストなど)、および機能 (検索、オフライン作業など) を外部のデータやサービスに提供します。これによって、ユーザーは慣れた環境で作業できるため、別の (多くの場合専用の) ユーザー インターフェイスを覚える必要がありません。

外部システムへの、コード不要の接続

Microsoft SharePoint Designer 2010 を使用すると、ソリューション開発者は、外部システムを宣言的に記述して、必要なデータを Microsoft SharePoint Server 2010 に指示できます。データ ソースの種類が Business Connectivity Services によってネイティブにサポートされる場合、ソリューション開発者は、コードを記述して外部システムへのインターフェイスを開発する必要がありません。

外部データへのオフライン アクセス

Business Connectivity Services は、高レベルのキャッシュとオフライン作業の機能を提供し、キャッシュ ベースの操作をサポートします。Microsoft Outlook 2010 や Microsoft SharePoint Workspace 2010 などの Microsoft Office 2010 アプリケーション上に展開されているソリューションで作業するユーザーは、オフラインで作業している場合、または外部システムとの接続が低速であったり、断続的に切断したり、使用できない場合でも、外部データを効率的に操作できます。キャッシュされた外部のアイテムに対して実行された読み取り/書き込み操作は、サーバーへの接続が回復したときに同期されます。

外部データの管理

外部データへのアクセスは複雑です。各外部システムに独自のデータベース、認証と承認メカニズム, アクセス制御、およびログ記録機能があるためです。これらの要因は、セキュリティ、監査、他の管理タスクに影響する可能性があります。

外部システムのデータが、Business Data Connectivity (BDC) service によって Microsoft SharePoint Server 2010 に読み込まれると、データへの安全なアクセスと、わかりやすい監査記録の利用が可能になります。つまり、データのための 1 つの中心的な場所と、すべてのユーザーが信頼できる 1 つのバージョンが提供されます。セキュリティの問題と、時間のかかる監査に関する懸念は最小限に抑えられます。

検索による検出

Business Connectivity Services では、SharePoint Server 2010 の SharePoint エンタープライズ検索を使用して外部データを検出できます。同僚が、あなたの顧客の 1 人の、アカウント マネージャーを探す必要があります。ただし、この情報は Siebel データベースに格納されています。この情報を要求する同僚は、Siebel フロントエンド (または、クライアント) アプリケーションをインストールしていません。また、その同僚は、通常、そのアプリケーションを使用する必要がありません。

Siebel アプリケーションを Business Data Connectivity (BDC) service に登録し、Siebel アプリケーション用の外部コンテンツ タイプを作成すると、SharePoint Server の SharePoint エンタープライズ検索をイントラネット ポータルから使用して、特定の顧客に関する情報を検索できます。その後、SharePoint エンタープライズ検索では、Business Data Connectivity (BDC) service 経由で取得した情報のインデックスが作成されます。同僚が特定の情報を要求すると、そのデータが Siebel から直接取得されます。その結果、同僚は、承認を得たり、別のアプリケーションをインストールしたりすることなく、必要な情報を得ることができます。

ライフ サイクル管理

Business Connectivity Services では、宣言またはコードの記述によってモデルと Office 2010 アプリケーション成果物の作成を容易にするためのツール セットが用意されています。Microsoft SharePoint Designer 2010 を使用すると、外部組織のニーズを満たす複合ソリューションをコードを記述せずに迅速に作成できます。また、Visual Studio を使用すると、外部システムをカバーする高度なワークフローとデータを備えるソリューションを作成したり、そのようなソリューションに拡張できます。

Business Connectivity Services を使用するソリューションは、クライアント (Microsoft Outlook 2010 などの Office 2010 アプリケーション) および SharePoint Server 2010 を実行するサーバーに展開する必要がある多様な成果物から組み立てられます。Business Connectivity Services では、ソリューションのパッケージ化と展開を自動化する機能が提供されます。関連するすべての成果物が単一バージョンのユニットとしてパッケージ化されてから、SharePoint サイトに発行されます。成果物がサーバーに発行されると、ソリューションは SharePoint サイトで直ちに利用できるようになります。その後、ソリューション パッケージをクライアントまたはユーザーに事前に配布および展開して (プッシュ モデル)、クライアントまたはユーザーに "オプトイン" を要求できます。Business Connectivity Services は Visual Studio ClickOnce 展開を使用してソリューションをクライアントに迅速に展開します。