コンテンツ オーガナイザー

最終更新日: 2010年4月2日

適用対象: SharePoint Server 2010

この記事の内容
コンテンツ オーガナイザーのドキュメントの流れ
コンテンツ オーガナイザー ルールの一覧を使用したルールの作成と管理
ルールと条件の制限
コンテンツのルーティング方法について

このトピックでは、コンテンツ オーガナイザーの概念的概観を示し、プログラミング モデルに対応付けます。また、コンテンツ オーガナイザーでのドキュメントの流れ、ルールの作成と管理方法、制約ルールと条件の使用方法、コンテンツ オーガナイザーがコンテンツをルーティングする方法を紹介します。

コンテンツ オーガナイザーは、個々のアイテムそれぞれに関連付けられているメタデータを分析することによって、ルーティングを決定します。ユーザーがコンテンツ タイプに基づいてルーティングを決定することもできますが、コンテンツ オーガナイザーは、メタデータの分析に基づく新しいレベルの詳細情報を使用し、コンテンツ管理者が定義したルールに基づいて、複雑なドキュメント管理の決定を行うことができます。

コンテンツ オーガナイザーのドキュメントの流れ

コンテンツ オーガナイザーでは、サイト コンテンツ タイプを使用する必要があります。ドキュメントの流れは、以下のルールに基づきます。

  1. 正しいコンテンツ タイプ、メタデータ、一致するルールを持つドキュメントは、自動的に最終ライブラリとフォルダーにルーティングされます。

  2. ルールに一致するために必要なメタデータの量が不足しているか、必要なメタデータがないドキュメントは、ユーザーがメタデータを入力できるように、自動仕分けライブラリに送信されます。

  3. ユーザーは、対象ライブラリにサイト コンテンツ タイプを手動で追加します。

  4. ルールが関連付けられたサイト コンテンツ タイプに関しては、最初にそのコンテンツ タイプのルールを追加するときに、コンテンツ タイプが自動的に自動仕分けライブラリに追加されます。

  5. 適切な量のメタデータと、ルールに一致するために必要な特定のメタデータを持つドキュメントは、対象ライブラリとフォルダーに自動的にルーティングされます。

注意

適切なメタデータを入力しドキュメントを再度手動で送信するか、タイマー ジョブを使用することができます。このタイマー ジョブは既定で毎日実行され、メタデータが入力されたかルールが作成されたら、ドキュメントを最終的な場所にルーティングします。

コンテンツ オーガナイザー ルールの一覧を使用したルールの作成と管理

コンテンツ管理者は、コンテンツ オーガナイザー ルールの一覧を使用して、コンテンツ オーガナイザーを管理します。管理作業には、新しいルールの作成、ルールの編集、ルールの状態と優先順位の管理、ルールが評価される順番の指定などがあります。ルールの一覧は、ルールの作成、管理、表示、順序変更、および設定の管理に使用できます。

新しいルールを作成するには、コンテンツ オーガナイザー ルールの一覧でアイテムを作成し、ルールに関連するコンテンツ タイプを選択します。コンテンツ タイプを選択すると、ルーティングに使用できるプロパティが決定し、ルールの有効な対象場所が制限されます。コンテンツ タイプを選択するときは、"ドキュメント" コンテンツ タイプから継承されたタイプのみが利用できることに注意してください。コンテンツ オーガナイザー ルールの一覧に関連付けられた単一のコンテンツ タイプであるルーティング ルール コンテンツ タイプを使用すると、新しいルールの作成が容易になります。いくつかの非表示の列に、ルールに関するデータが格納されます。データは、ルールの [アイテムの編集] ページの生成に使用されます。

ルールの状態を選択し、その優先順位を管理する方法は 2 つあります。

  • ルールを無効にし、実行されないようにします。これによりルールは使用できなくなり、受信したコンテンツ上で実行されなくなりますが、操作時に正しい手順が実行されたことを証明する手段は残っています。これは、正しい手順が実行されたという裁判所での証明が必要な記録情報管理シナリオでは特に有用です。

  • 各ルールの優先順位を設定して、ルールが評価される順番を指定します。ドキュメントが複数のルールに一致している場合、コンテンツ オーガナイザーは優先順位の高いルールを使用します。

ルールと条件の制限

コンテンツ オーガナイザーには、ルールに一致するドキュメントを制限する 2 つの方法があります。コンテンツ タイプを使用する方法と、プロパティに基づいて条件を照合する方法です。

  • コンテンツ タイプを使用してドキュメントを制限する場合、ドキュメントがルールに一致するのは、ドキュメントがそのルールのコンテンツ タイプに一致する場合か、ルールが関連付けられたコンテンツ タイプに対して選択された代替名のセットに一致する場合に限ります。ドキュメントは、ルールにエイリアスが指定されている場合、そのルールのコンテンツ タイプとしてルーティングされます。

  • プロパティベースの条件に基づいてドキュメントを制限する場合、ドキュメントがルールに一致するのは、ドキュメントが特定のドキュメント プロパティに基づく条件のセットに一致する場合に限ります。つまり特定のメタデータ値が送信ドキュメントにある場合にのみルールが実行されるように制限できます。たとえば、アメリカ合衆国で作成されたドキュメントでのみルールを実行するようにする場合は、条件は "If Source Country equals USA" になります。プロパティベースの条件の UI は種類に依存しません。

    メタデータ条件の Operator セクションと Value セクションは列の種類に応じて変わりますが、メタデータ条件 UI の以下のようないくつかの側面は列の種類に関わらず同じです。

    • ユーザーが列の値を選択する場所を示すテキスト。

    • 条件は 6 つまで。6 つの条件が追加されたら、[新しい条件を追加します] リンクが消えます。

    • ユーザーは常に、標準の単一選択ドロップダウン リストを使用して列を選択します。

    • 利用できる列は、必ず、ルールのコンテンツ タイプに関する表示されているすべての列です。

    • 多言語ユーザー インターフェイス (MUI) が有効な場合、プロパティ名は現在のユーザーのロケールで表示されます。

コンテンツ オーガナイザーにドキュメントのルーティングに必要なメタデータの一部がない場合、SharePoint Server 2010 では必要な列の選択を強制しません。代わりに、不要なプロパティをユーザーが選択するときに "警告: これは必要なプロパティではありません。そのため、受信したドキュメントにはこのプロパティの値が含まれていない可能性があります。"という警告が表示されます。

コンテンツのルーティング方法について

ビューを使用すると、ドキュメントがサイトに送信されるときに、コンテンツ オーガナイザーがそのドキュメントをどのようにルーティングするかを分析して理解することができます。このために、ルーティング ルール コンテンツ タイプには複数の列と 2 つのビューがあります。

ルールの [プロパティの編集] ページにデータが入力されると、ユーザーは、ルールに関連するコンテンツ タイプに適用されるプロパティのセット (ほとんどがテキスト プロパティ) に基づいて、そのデータを利用できるようになります。これらのプロパティは任意のビューに追加できます。またはルールに関連付けられ、ユーザーがルール情報を確認できる [プロパティの表示] ページに表示できます。

表 1 では、コンテンツ オーガナイザー ルールの一覧のビューで使用できる列を示します。

表 1. コンテンツ オーガナイザールールの一覧で利用できる列

説明

ルール名

[新規/ルールの編集] ページに入力されたルール名の値。

説明

[新規/ルールの編集] ページに入力された説明。

優先順位

[新規/ルールの編集] ページの [ルールの状態および優先順位] セクションに入力されたデータから構成されます。ルールがアクティブな場合、この列には選択されたルールの優先順位に対応する値が入力されます。ルールがアクティブでない場合は、値 "Inactive" が入力されます。

提出アイテム コンテンツ タイプ

ルールのコンテンツ タイプを表示します。

条件で使用されるプロパティ

カンマで区切られたプロパティのリストを表示します。

エイリアス

ルールに関連付けられたコンテンツ タイプのカンマで区切られた代替名のリストを表示します。

送信先ライブラリ

現在のルールの対象ライブラリを表示します。対象ライブラリは、[新規/ルールの編集] ページの [対象場所] セクションにあるものです。

送信先フォルダー

このルールの対象フォルダーの名前を表示します。この名前は、[新規/ルールの編集] ページの [対象場所] セクションにあるものです。ユーザーがライブラリを選択する、つまりフォルダーを選択しない場合は、この列は空白です。

送信先のパス

ルールの対象場所に対する完全な URL を表示します。この URL はハイパーリンクで、新しいウィンドウに対象場所をロードします。

フォルダーの自動作成のプロパティ

フォルダーの自動作成に使用されるプロパティを表示します。このプロパティは、[新規/ルールの編集] ページの [フォルダーの自動作成] セクションにあるものです。フォルダーの自動生成が無効の場合、この列は空白です。

カスタム ルーター

このルールのカスタム ルーターの名前を表示します。この名前は、[新規/ルールの編集] ページ [カスタム ルーター] セクションにあるものです。

関連項目

参照

[RecordsManagementProgrammingModel]

[DocumentManagementProgrammingModel]

概念

ドキュメントの管理