統合ログ システム (ULS) ログの概要

最終更新日: 2010年4月15日

適用対象: SharePoint Foundation 2010

この記事の内容
ULS ログで提供される情報
開発者が ULS ログを使用する状況
開発者が ULR ログを操作する方法

効果的なログ戦略は、システム管理者にとって、コンポーネントおよびアプリケーションに関する問題を追跡したり、アプリケーション履歴の定量化が可能な統計を提供したりするための 1 つの手段であると、長い間考えられてきました。また、問題解決だけでなく、管理者が担当するシステム全体の正常性の監視にも有用であると見なされています。

このトピックでは、Microsoft SharePoint Foundation に用意されているログ メカニズムを使用して、アプリケーションの開発やデバッグの詳細情報の確認をより簡単に行う方法について説明します。さらに、問題が発生したとき、またはしきい値に達したときに、このメカニズムを通じてシステム管理者とのコミュニケーションを円滑に行う方法についても説明します。主なメカニズムは統合ログ サービスです。このサービスによって、SharePoint Foundation イベントが SharePoint トレース ログに書き込まれ、ファイル システムに格納されます (注: ULS ログもトレース ログ呼ばれる場合があります)。

ULS ログで提供される情報

ULS ログを効果的に実装することで、次の対象ユーザーが有用な情報を利用できます。

開発者

開発者は、コードを記述しているときにトレース ログを利用できます。開発ツールの拡張機能および他のデバッグ ツールとしてトレース ログを使用し、問題の調査に役立てます。有用な情報がトレース ログに書き込まれるようにすることで、開発中に発生する多くの問題を、デバッガーに接続せずに解決できます。また、テスターは、トレース ログでユーザー インターフェイス (UI) には表示されない可能性がある問題を検出できるほか、UI がアクションに関連付けられていない可能性がある、長時間にわたって実行されるタスクが完了したことを確認できます。

また、ULS ログでは UI や通知で発生した問題を UI に表示する必要がないという点も、開発者にとっての利点の 1 つです。これらの問題は、管理者および開発者がレビューおよび分析するためにデータベースに書き込まれます。

サーバー管理者

システム管理者がイベント ログ メッセージを効果的に利用するためには、そのイベント ログには、必要なアクション、アクションを必要とする場所、およびアクションが必要な理由をシステム管理者が判断できるだけの情報とメタデータが必要です。また、アクションを開始したユーザーに関する情報もイベント ログに含めると便利です。サーバーのパフォーマンスと監視は、エンタープライズ環境での成功には欠かせません。ULS ログを使用すると、展開後に管理者がシステム パフォーマンスを細かく調整できます。

サポート スタッフ

マイクロソフト カスタマー サポート サービスを使用して迅速に解決しなければならない問題が発生した場合は、ULS ログで提供される問題に関する詳細情報によってサポート グループが問題を迅速に解決できます。

注意注意

一般的に、ログ テキストはセキュリティによってトリミングされていません。このため、ログ メッセージを作成するときは、個人情報または会社の機密情報を含めず、こうした情報がログに書き込まれないようにしてください。

開発者が ULS ログを使用する状況

一般的に、開発者が提供するコードに関する情報が多いほど、発生する可能性のある問題を解決しやすくなります。

開発者が ULR ログを操作する方法

SharePoint Foundation では、次の 2 つの方法で構成可能な設定が ULS によって公開されます。

  • オブジェクト モデル

  • Windows PowerShell コマンドレット

オブジェクト モデルと ULS ログ

Windows SharePoint Services 3.0 では、IDiagnosticsManager インターフェイスを使用して ULS ログにアクセスできます。ただし、SharePoint Foundation では、SPDiagnosticsServiceBase クラスを使用することをお勧めします。SPDiagnosticsServiceBase クラスは、IDiagnosticsManager クラスへのすべての呼び出しをラップして、開発者がイベント ログを操作しやすくします。このアプローチにより、トレース サービスに直接書き込むことができます。

オブジェクト モデルでの ULS ログの操作の詳細については、「トレース ログ API の使用」を参照してください。

Windows PowerShell および ULS ログ

SharePoint Foundation で Windows PowerShell コマンドレットを書き込んで ULS ログを操作する方法の詳細については、「Windows Powershell コマンドレットと ULS ログの使用」を参照してください。