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Excel Services のアーキテクチャ

最終更新日: 2010年7月8日

適用対象: SharePoint Server 2010

この記事の内容
Web フロントエンド サーバーおよびバックエンド アプリケーション サーバー
Excel Web アクセス
Excel Web サービス
ユーザー定義関数 (UDF)
ECMAScript (JavaScript、JScript)
REST API
Excel 計算サービス
負荷分散

Excel Services は Microsoft SharePoint Server 2010 の一部です。Excel Services は ASP.NET および SharePoint Foundation テクノロジに基づいて構築されています。Excel Services には以下のコア コンポーネントがあります。

  • Excel Web Access

  • Excel Web Services

  • ユーザー定義関数 (UDF)

  • ECMAScript (JavaScript、JScript)

  • REST (Representational State Transfer) サービス

  • Excel Calculation Services

注意

Microsoft Excel Web App は、Microsoft Office Web Apps の一部で、ブラウザーで Excel ブックをサポートします。Excel Web App の詳細については、Office Web Apps に関するドキュメントを参照してください。

Excel Web Access、Excel Web Services、UDF、JavaScript、REST サービス、および Excel Calculation Services コンポーネントはフロンドエンド サーバー ("Web フロントエンド" とも呼ばれます) 上のコンポーネントとバックエンド アプリケーション サーバー上のコンポーネントの 2 つの主要グループに分けることができます。

Web フロントエンドとバックエンド アプリケーション サーバーのコンポーネント

Web フロント エンドおよびバックエンド アプリケーション サーバー

Web フロントエンド サーバーおよびバックエンド アプリケーション サーバー

Excel Web Access、Excel Web Services、UDF、JavaScript、REST サービス、および Excel Calculation Services コンポーネントは Web フロンドエンド サーバー上のコンポーネントおよびバックエンド アプリケーション サーバー上のコンポーネントに分けることができます。Web フロンドエンドには Excel Web Access、JavaScript、REST サービス、および Excel Web Services が含まれます。Excel Calculation Services コンポーネントはバックエンド アプリケーション サーバー上の、管理者が追加した任意の UDF アセンブリの横に配置されます。

SharePoint Server 2010 の最も簡易な構成、つまり SharePoint Server 2010 がスタンドアロン インストールとして実行されている 1 台のコンピューターでは、5 つのコンポーネントはすべて同一コンピューター上にインストールされます。しかし、多数のユーザーが存在する標準的なエンタープライズ環境では、Web フロンドエンド サーバー上のコンポーネントおよびバックエンド アプリケーション サーバー上のコンポーネントはファーム構成内の異なるコンピューター上に置かれます。Web フロンドエンド サーバーはバックエンド アプリケーション サーバーとは別個にスケール変更することができます。たとえば、組織のニーズに応じて、Web フロンドエンド サーバーの数を増やしたり、バックエンド アプリケーション サーバーの数を増やすことができます。

Excel Services のトポロジ、スケーラビリティ、パフォーマンス、セキュリティについては、TechNetOffice Online の SharePoint Server 2010 に関するドキュメントを参照してください。

Excel Web アクセス

Excel Web Access は、ビューアー ページで、SharePoint Server 2010 で任意の Web パーツ ページに追加できる Excel Services Web パーツです。Excel Web Access は、ライブ表示されている Excel ブックを Web ページにレンダリング (つまり、Excel ブックの HTML を作成) し、このブックをユーザーが対話的に操作したり、参照できるようにします。Excel Web Access は、ユーザーに対して表示される Excel Services コンポーネントです。SharePoint Server 2010 の他の Web パーツと同じように Excel Web Access を使用できます。Excel Web Access を使用するために、ユーザーはクライアント コンピューターに何かインストールする必要はありません。

Excel Web Access Web パーツ プロパティはカスタマイズすることもできます。詳細については、Microsoft.Office.Excel.Server.WebUI 名前空間のリファレンス ドキュメントを参照してください。

Excel Web サービス

Excel Web Services は Web サービスへのプログラム アクセスを可能にする Excel Services コンポーネントです。Excel Web Services を呼び出すアプリケーションを開発して、値を計算、設定、およびブックから抽出し、外部データ接続を更新することができます。Excel Web Services を使用して、サーバー側のブック ロジックをアプリケーションに組み込み、Excel ブックの更新を自動化して、サーバー側 Excel 計算に関するアプリケーション固有のユーザー インターフェイスを作成することができます。

注意

Excel Web Services を使用して範囲に値を設定するなどの変更をブックに加えた場合、ブックに対する変更が保持されるのは、そのセッションの間だけです。変更内容が元のブックに保存されることはありません。現在のブックのセッションが終了すると (たとえば CloseWorkbook メソッドを呼び出したり、セッションがタイムアウトした場合)、加えた変更は失われます。

ブックに対して加えた変更を保存する必要がある場合は、GetWorkbook メソッドを使用した後で、ブックを保存できます。詳細については、「Microsoft.Office.Excel.Server.WebServices」を参照してください。ブックを編集モードで開いて、変更内容を保存することもできます。

Excel Web Services の詳細については、「Excel Services 開発ロードマップ」を参照してください。

ユーザー定義関数 (UDF)

Excel Services UDF によって、セルの数式を使用して、マネージ コードで記述され、SharePoint Server 2010 に展開されたカスタム関数を呼び出すことができます。Excel Services の UDF の詳細については、「Excel Services UDF とは」を参照してください。

ECMAScript (JavaScript、JScript)

Excel Services の JavaScript オブジェクト モデルによって開発者は、ページ上の Excel Web Access Web パーツ コントロールをカスタマイズ、自動化、および制御できます。JavaScript オブジェクト モデルを使用して、ページ上の 1 つ以上の Excel Web Access Web パーツ コントロールまたはページ上の 1 つのスクリプト付き iframe を対話操作するマッシュアップまたはその他の統合ソリューションを作成できます。また、ブックとブックに関係するコードに機能を追加できます。

Excel Services での JavaScript オブジェクト モデルの詳細については、「Ewa」名前空間参照ドキュメントを参照してください。

REST API

Excel Services の REST API によって、URL を使用してブックの部分または要素に直接アクセスできます。URL には、"マーカー" パスが含まれています。このパスは, .aspx ページ、ブック ファイルの場所、およびブック内の要求された要素のパスへのエントリ ポイントです。

Excel Services REST API に組み込まれている検出メカニズムによって、開発者とユーザーは、ブックの内容を手動またはプログラムによって参照できます。

Excel Services の REST API の詳細については、「Excel Services REST API」を参照してください。

Excel 計算サービス

Excel Calculation Services の役割は、ブックの読み込み、ブックの計算、カスタム コード (UDF) の呼び出し、および外部データの更新です。また、対話的なセッション状態を維持します。Excel Calculation Services はユーザーまたは呼び出し側による同じブックとの対話の間、セッションを維持します。セッションは、呼び出し側が明示的にセッションを終了したとき、またはサーバー上でセッションがタイムアウトしたときに終了します。Excel Services は複数のユーザーが同じブックのセットにアクセスした場合、パフォーマンスを向上させるために、開いている Excel ブック、計算状態、外部データのクエリ結果をキャッシュします。

負荷分散

複数サーバー構成では、Excel Services はファーム構成内の複数の Excel Calculation Services オカレンスでの要求の負荷を分散します。複数のアプリケーション サーバーをインストールした場合、Excel Services は、要求によってオーバーロードするアプリケーション サーバーが 1 つもないようにするために負荷を分散します。

管理者は負荷分散動作を構成することができます。

関連項目

タスク

[ウォークスルー] Excel Web Services を使用してカスタム アプリケーションを開発する

概念

Excel Services の概要

Excel Services 開発ロードマップ

サポートされる機能とサポートされていない機能