Set-RemoteDomain

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2010-07-21

リモート ドメインのマネージ接続を構成するには、Set-RemoteDomain コマンドレットを使用します。リモート ドメインを設定する際に、メール フローのより詳細な制御、メッセージ形式とポリシーの指定、およびリモート ドメインで送受信されるメッセージで受け付け可能な文字セットの指定を行うことができます。

Set-RemoteDomain コマンドレットを使用してリモート ドメインを構成する前に、Exchange 管理シェルで New-RemoteDomain コマンドレットを使用するか、または Exchange 管理コンソールを使用して、リモート ドメインを作成する必要があります。詳細については、以下のトピックを参照してください。

構文

Set-RemoteDomain -Identity <RemoteDomainIdParameter> [-AllowedOOFType <External | InternalLegacy | ExternalLegacy | None>] [-AutoForwardEnabled <$true | $false>] [-AutoReplyEnabled <$true | $false>] [-CharacterSet <String>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-ContentType <MimeHtmlText | MimeText | MimeHtml>] [-DeliveryReportEnabled <$true | $false>] [-DisplaySenderName <$true | $false>] [-DomainController <Fqdn>] [-LineWrapSize <Unlimited>] [-MeetingForwardNotificationEnabled <$true | $false>] [-Name <String>] [-NDREnabled <$true | $false>] [-NonMimeCharacterSet <String>] [-TNEFEnabled <Nullable>] [-UseSimpleDisplayName <$true | $false>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

Set-RemoteDomain [-AllowedOOFType <External | InternalLegacy | ExternalLegacy | None>] [-AutoForwardEnabled <$true | $false>] [-AutoReplyEnabled <$true | $false>] [-CharacterSet <String>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-ContentType <MimeHtmlText | MimeText | MimeHtml>] [-DeliveryReportEnabled <$true | $false>] [-DisplaySenderName <$true | $false>] [-DomainController <Fqdn>] [-Instance <DomainContentConfig>] [-LineWrapSize <Unlimited>] [-MeetingForwardNotificationEnabled <$true | $false>] [-Name <String>] [-NDREnabled <$true | $false>] [-NonMimeCharacterSet <String>] [-TNEFEnabled <Nullable>] [-UseSimpleDisplayName <$true | $false>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]]

解説

Set-RemoteDomain コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに次の権限が委任されている必要があります。

  • Exchange サーバー管理者の役割および対象サーバーのローカル Administrators グループ

Microsoft Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

パラメータ

パラメータ 必須かどうか 種類 説明

Identity

必須

Microsoft.Exchange.Configuration.Tasks.RemoteDomainIdParameter

このパラメータを使用して、リモート ドメインの表示名を指定します。

名前の長さは、64 文字以下にする必要があります。

AllowedOOFType

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Directory.SystemConfiguration.AllowedOOFType

このパラメータを使用して、リモート ドメインでユーザーに返される不在 (OOF) 通知の種類を指定します。有効な値は、ExternalExternalLegacyNone、および InternalLegacy です。既定値は External です。

このパラメータはハブ トランスポート サーバーに対して使用できます。エッジ トランスポート サーバーに対しては使用できません。

AutoForwardEnabled

省略可能

System.Boolean

このパラメータを使用して、組織内のクライアント電子メール プログラムによって自動転送されるメッセージを許可または抑制します。このパラメータを $true に設定すると、自動転送メッセージがリモート ドメインに配信されるようになります。既定値は $false です。

このパラメータはハブ トランスポート サーバーに対して使用できます。エッジ トランスポート サーバーに対しては使用できません。

AutoReplyEnabled

省略可能

System.Boolean

このパラメータを使用して、組織内のクライアント電子メール プログラムによる自動返信メッセージを許可または抑制します。このパラメータを $true に設定すると、自動返信がリモート ドメインに配信されるようになります。既定値は $false です。

このパラメータはハブ トランスポート サーバーに対して使用できます。エッジ トランスポート サーバーに対しては使用できません。

CharacterSet

省略可能

System.String

このパラメータは、このリモート ドメインの文字セットを指定するために使用します。指定した文字セットは、独自の文字セットが指定されていない MIME メッセージにのみ使用されます。このパラメータを設定しても、送信メールに既に指定されている文字セットは上書きされません。有効な文字セット名の一覧については、「リモート ドメインの構成でサポートされる文字セット」を参照してください。文字セットの値を削除する ("NULL" に設定する) には、値を -CharacterSet $null に設定します。 -CharacterSet $null

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するには、コマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータに値を指定する必要はありません。

ContentType

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Directory.SystemConfiguration.ContentType

このパラメータを使用して、送信メッセージのコンテンツの種類と形式を定義します。このパラメータの有効な値は、MimeHtmlTextMimeText、および MimeHtml です。

  • MimeHtmlText は、元のメッセージがテキスト メッセージの場合を除き、メッセージを、HTML 書式を使用する MIME メッセージに変換します。元のメッセージがテキスト メッセージの場合、送信メッセージはテキスト書式を使用する MIME メッセージになります。
  • MimeText は、すべてのメッセージを、テキスト書式を使用する MIME メッセージに変換します。
  • MimeHtml は、すべてのメッセージを、HTML 書式を使用する MIME メッセージに変換します。

既定値は MimeHtmlText です。

DeliveryReportEnabled

省略可能

System.Boolean

このパラメータを使用して、組織内のハブ トランスポート サーバーからリモート ドメインへの配信レポートを許可または抑制します。既定値は $true です。

このパラメータはハブ トランスポート サーバーに対して使用できます。エッジ トランスポート サーバーに対しては使用できません。

DisplaySenderName

省略可能

System.Boolean

このパラメータの有効な値は、$true または $false です。既定値は $true です。このパラメータは、Exchange の以前のバージョン用に使用されます。Microsoft サポート サービスから指示があった場合のみ設定してください。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

Active Directory ディレクトリ サービスからこの構成情報を書き込むドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドに DomainController パラメータを含めます。DomainController パラメータは、エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータではサポートされません。エッジ トランスポート サーバーの役割は、ローカルの Active Directory アプリケーション モード (ADAM) インスタンスに対してのみ書き込みと読み取りを行います。

Instance

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Directory.SystemConfiguration.DomainContentConfig

このパラメータを使用して、オブジェクト全体をコマンドに渡して処理します。このパラメータは、オブジェクト全体をコマンドに渡す必要があるスクリプトで主に使用されます。

LineWrapSize

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Unlimited

このパラメータを使用して、送信メッセージの折り返しサイズを指定します。このパラメータには、0132 の整数を指定できます。値を unlimited に設定すると、パラメータをオーバーロードできます。既定値は unlimited です。

MeetingForwardNotificationEnabled

省略可能

System.Boolean

このパラメータは、会議出席依頼の転送通知を有効または無効にするために使用します。このパラメータが有効な場合は、会議出席依頼がリモート ドメインの受信者に転送されると、会議開催者に対する会議出席依頼の転送通知が生成されます。このパラメータが無効な場合は、会議出席依頼がリモート ドメインの受信者に転送されても、会議開催者に対する会議出席依頼の転送通知は生成されません。

このパラメータの有効な値は、$true または $false です。既定値は $true です。

このパラメータはハブ トランスポート サーバーに対して使用できます。エッジ トランスポート サーバーに対しては使用できません。

Name

省略可能

System.String

このパラメータを使用して、リモート ドメイン オブジェクトの一意の名前を作成します。

NDREnabled

省略可能

System.Boolean

このパラメータを使用して、組織からの配信不能レポート (NDR) を許可または抑制します。このパラメータを $false に設定すると、リモート ドメインへの NDR は抑制されます。既定値は $true です。

このパラメータはハブ トランスポート サーバーに対して使用できます。エッジ トランスポート サーバーに対しては使用できません。

NonMimeCharacterSet

省略可能

System.String

このパラメータは、このリモート ドメインの文字セットを指定するために使用します。指定した文字セットは、独自の文字セットが指定されていない非 MIME (RFC 822、テキスト) メッセージにのみ使用されます。このパラメータを設定しても、送信メールに既に指定されている文字セットは上書きされません。有効な文字セット名の一覧については、「リモート ドメインの構成でサポートされる文字セット」を参照してください。文字セットの値を削除する ("NULL" に設定する) には、値を -NonMimeCharacterSet $null に設定します。 -NonMimeCharacterSet $null

TNEFEnabled

省略可能

System.Nullable

このパラメータを使用して、リモート ドメインに送信されるメッセージで TNEF (Transport Neutral Encapsulation Format) メッセージ エンコードを使用するかどうかを制御します。このパラメータの有効な値は、$true$false、および $null です。

  • $True: リモート ドメインに送信されるすべてのメッセージで TNEF エンコードが使用されます。
  • $False: リモート ドメインに送信されるすべてのメッセージで TNEF エンコードは使用されません。
  • $Null: リモート ドメインの TNEF エンコードは指定されません。リモート ドメイン内の受信者の TNEF エンコードは、以下の設定によって指定できます。
    • メール ユーザー オブジェクトまたはメール連絡先オブジェクトの UseMapiRichTextFormat パラメータの値
    • Microsoft Office Outlook の送信者の受信者単位の設定
    • Outlook の送信者に対する既定のインターネット メッセージの設定

既定値は $null です。

UseSimpleDisplayName

省略可能

System.Boolean

Exchange サーバーに Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1) の更新プログラムのロールアップ 4 をインストールした後、このパラメータを使用してシステムを構成し、送信メッセージに簡易表示名が表示されるようにすることができます。

このパラメータを $true に設定すると、自動返信がリモート ドメインに配信されるようになります。既定値は $false です。

このパラメータはハブ トランスポート サーバーに対して使用できます。エッジ トランスポート サーバーに対しては使用できません。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータを使用する際に値を指定する必要はありません。

次のコード例は、以下のアクションを実行します。

  • リモート ドメインへの不在通知を無効にします。
  • 組織内のクライアントからリモート ドメインへの配信レポートを抑制します。
  • リモート ドメインに送信されるメッセージ上の TNEF メッセージ データを有効にします。
Set-RemoteDomain -Identity Contoso -AllowedOOFType None -DeliveryReportEnabled $false -TNEFEnabled $true

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。