単一フォレスト内でメールボックスを移動する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2008-05-13

ここでは、Exchange 管理コンソールまたは Exchange 管理シェルを使用して、単一フォレスト内でメールボックスを移動する方法について説明します。

開始する前に

次の手順を実行するには、使用するアカウントに以下が委任されている必要があります。

  • Exchange 受信者管理者の役割
  • 移動元サーバーと移動先サーバーの両方の Exchange Server 管理者の役割およびローカルの Administrators グループ

Microsoft Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

また、この手順を実行する前に、次のことを確認してください。

  • フォレスト間でメールボックスを移動する場合は、メールボックスの移動ウィザードを使用できません。フォレスト間でメールボックスを移動するには、Move-Mailbox コマンドレットを使用する必要があります。
  • Exchange 管理コンソールからは、メールボックスの移動ウィザードのインスタンスを一度に 1 つしか実行できません。ただし、メールボックスの移動ウィザードを同時に複数実行する場合は、複数の Exchange 管理コンソールを開き、各コンソールからメールボックスの移動ウィザードのインスタンスを 1 つずつ実行できます。
  • フォレスト内でメールボックスを移動しても、収集機能内のアイテムは移動されません。削除済みアイテム フォルダ内のアイテムは移動されます。削除済みアイテムの保存期間を構成する方法の詳細については、「削除済みメールボックスおよび削除済みアイテムの保存期間の構成」を参照してください。

手順

Exchange Server 2007 Service Pack 1 (SP1)

ここでは、SP1 固有のグラフィカル ユーザー インターフェイス (GUI) と Exchange 管理シェルの手順について説明します。

Exchange 管理コンソールを使用してメールボックスを移動にするには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを起動します。

  2. コンソール ツリーで、[受信者の構成] を展開し、[メールボックス] をクリックします。

  3. 結果ウィンドウで、移動するメールボックスをクリックします。

  4. 操作ウィンドウで、[メールボックスの移動] をクリックします。

  5. [メールボックスの移動ウィザード][概要] ページで、[参照] をクリックしてメールボックスの移動先となるメールボックス データベースを選択し、[次へ] をクリックします。

  6. [移動オプション] ページで、次の手順を実行します。

    1. メールボックス内の破損メッセージを処理するオプションを選択します。
    2. (省略可能) 移動先のフォレストで、検索処理に使用するグローバル カタログを指定します。
    3. (省略可能) 移動先のフォレストで、Active Directory ディレクトリ サービスへの書き込みに使用するドメイン コントローラを指定します。
    4. (省略可能) メールボックスを Exchange 2003 サーバーまたは Exchange 2000 サーバーのデータベースに移動する場合は、ルールを移動するかどうかを指定します。
      note注 :
      Exchange 2003 と Exchange 2000 では、メールボックスのルールに 32 KB の制限があります。ルールが 32 KB を超えるメールボックスを Exchange 2003 サーバーまたは Exchange 2000 サーバーに移動する場合は、ルールを移動しないように指定する必要があります。
  7. [次へ] をクリックします。

  8. [移動スケジュール] ページで、いつ移動を行うかを指定し、[次へ] をクリックします。

  9. [メールボックスの移動] ページで、メールボックスの移動の概要を確認し、[移動] をクリックします。

  10. [完了] ページで、[終了] をクリックします。

Exchange 管理シェルを使用してメールボックスを移動にするには、次の操作を行います。

  • 同じフォレスト内でメールボックスを移動するには、次のコマンドを実行します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database"
    
    note注 :
    データベース名などのいずれかのパラメータの値にスペースが含まれる場合は、引用符で囲む必要があります。
  • 移動が失敗になるまでにスキップできる破損メッセージの数を指定する場合は、次のコマンドに示すように BadItemLimit パラメータを使用します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -BadItemLimit 5
    
  • 移動元メールボックスのサイズの制限が移動先データベースのサイズの制限を超える場合、既定では、移動は失敗します。代わりに移動元メールボックスのサイズの制限を使用する場合は、PreserveMailboxSizeLimit パラメータを使用します。これによって、移動先メールボックスに対し、移動元メールボックスのサイズの制限が設定されます。個々の移動元メールボックスのサイズの制限が設定されていない場合、移動元データベースのサイズの制限は移動先メールボックスで設定されます。

    移動元メールボックスのサイズの制限を保持するには、次のコマンドを実行します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -PreserveMailboxSizeLimit $true
    
  • Microsoft Exchange Server 2007 から Exchange Server 2003 または Exchange 2000 Server に移動する場合に、メールボックスに合計で 32 KB を超えるルールがあると、移動は失敗し、メールボックスは元の場所から移動されません。これを回避するには、IgnoreRuleLimitErrors パラメータを使用して、ルールがメールボックスと共に移動されないようにします。

    ルールを移動せずに、メールボックスを Exchange 2007 から Exchange 2003 または Exchange 2000 に移動するには、次のコマンドを実行します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -IgnoreRuleLimitErrors
    
  • メールボックスの移動に使用するスレッド数を指定するには、MaxThreads パラメータを使用します。既定では、Move-Mailbox コマンドは 4 つのスレッドを使用します。以下に例を示します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -MaxThreads 6
    
  • データベース全体を新しい場所に移動する場合は、データベース ファイルを移動してから、Move-Mailbox コマンドを使用して Active Directory ディレクトリ サービスの構成情報を変更し、すべてのメールボックスが新しい場所のデータベースを指すようにします。次のコマンドに示すように ConfigurationOnly パラメータを使用します。

    Move-Mailbox contoso\john -ConfigurationOnly -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database"
    
  • 次のコマンドに示すように、Get-Mailbox コマンドを使用すると、移動するメールボックス オブジェクトをすべて取得して、それらのオブジェクトを Move-Mailbox コマンドにパイプ処理できます。

    Get-Mailbox -Database "First Storage Group\DB01" | Move-Mailbox -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database"
    
  • 既定では、Move-Mailbox コマンドは移動元のメールボックスを削除しません。新しい場所に移動した後で元のメールボックスを削除する場合は、次のコマンドに示すように SourceMailboxCleanupOptions パラメータを使用します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -SourceMailboxCleanupOptions DeleteSourceMailbox
    
  • メールボックスの移動にタイムアウトの制限を指定するには、RetryTimeout パラメータを使用します。メールボックスの移動が指定した時間を超えると、移動は失敗し、移動中のメールボックスは元の場所から移動されないようにロールバックされます。既に移動されたメールボックスは、移動先に残ります。また、RetryInterval パラメータを使用して、メールボックスの状態に関する情報を表示する間隔を指定することもできます。以下に例を示します。

    Move-Mailbox -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -Identity contoso\john -RetryTimeout 1:00:00 -RetryInterval 5:00
    
  • 移動後のメールボックスで受信者ポリシーを維持しない場合は、IgnorePolicyMatch パラメータを使用します。以下に例を示します。

    Move-Mailbox -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -Identity contoso\john -IgnorePolicyMatch $true
    
  • 移動先のメールボックスに移動するメッセージをフィルタ処理する場合は、AttachmentFilenamesExcludeFoldersIncludeFoldersContentKeywordsSubjectKeywordsAllContentKeywordsRecipientKeywordsSenderKeywordsLocaleStartDate、および EndDate の中から任意のフィルタ パラメータを使用できます。以下に例を示します。

    Move-Mailbox -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -Identity contoso\john -AttachmentFilenames *.doc -ExcludeFolders \Inbox\Personal,\Inbox\OldProjects -ContentKeywords merger -SubjectKeywords Important
    

構文およびパラメータの詳細については、関連トピック「Move-Mailbox」を参照してください。

Exchange Server 2007 RTM

ここでは、RTM (Release To Manufacturing) 固有の GUI と Exchange 管理シェルの手順について説明します。

Exchange 管理コンソールを使用してメールボックスを移動にするには、次の操作を行います。

  1. Exchange 管理コンソールを起動します。

  2. コンソール ツリーで、[受信者の構成] を展開し、[メールボックス] をクリックします。

  3. 結果ウィンドウで、移動するメールボックスをクリックします。

  4. 操作ウィンドウで、[メールボックスの移動] をクリックします。

  5. メールボックスの移動ウィザード[概要] ページで、メールボックスの移動先となるサーバー、ストレージ グループ、およびメールボックス データベースを選択し、[次へ] をクリックします。

  6. [移動オプション] ページで、メールボックスの破損メッセージを処理するためのオプションを選択し、[次へ] をクリックします。

  7. [移動スケジュール] ページで、いつ移動を行うかを指定し、[次へ] をクリックします。

  8. [メールボックスの移動] ページで、メールボックスの移動の概要を確認し、[移動] をクリックします。

  9. [完了] ページで、[終了] をクリックします。

Exchange 管理シェルを使用してメールボックスを移動にするには、次の操作を行います。

  • 同じフォレスト内でメールボックスを移動するには、次のコマンドを実行します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database"
    
    note注 :
    データベース名などのいずれかのパラメータの値にスペースが含まれる場合は、引用符で囲む必要があります。
  • 移動が失敗になるまでにスキップできる破損メッセージの数を指定する場合は、次のコマンドに示すように BadItemLimit パラメータを使用します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -BadItemLimit 5
    
  • 移動元メールボックスのサイズの制限が移動先データベースのサイズの制限を超える場合、既定では、移動は失敗します。代わりに移動元メールボックスのサイズの制限を使用する場合は、PreserveMailboxSizeLimit パラメータを使用します。これによって、移動先メールボックスに対し、移動元メールボックスのサイズの制限が設定されます。個々の移動元メールボックスのサイズの制限が設定されていない場合、移動元データベースのサイズの制限は移動先メールボックスで設定されます。

    移動元メールボックスのサイズの制限を保持するには、次のコマンドを実行します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -PreserveMailboxSizeLimit $true
    
  • Microsoft Exchange Server 2007 から Exchange Server 2003 または Exchange 2000 Server に移動する場合に、メールボックスに合計で 32 KB を超えるルールがあると、移動は失敗し、メールボックスは元の場所から移動されません。これを回避するには、IgnoreRuleLimitErrors パラメータを使用して、ルールがメールボックスと共に移動されないようにします。

    ルールを移動せずに、メールボックスを Exchange 2007 から Exchange 2003 または Exchange 2000 に移動するには、次のコマンドを実行します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -IgnoreRuleLimitErrors
    
  • メールボックスの移動に使用するスレッド数を指定するには、MaxThreads パラメータを使用します。既定では、Move-Mailbox コマンドは 4 つのスレッドを使用します。以下に例を示します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -MaxThreads 6
    
  • データベース全体を新しい場所に移動する場合は、データベース ファイルを移動してから、Move-Mailbox コマンドを使用して Active Directory ディレクトリ サービスの構成情報を変更し、すべてのメールボックスが新しい場所のデータベースを指すようにします。次のコマンドに示すように ConfigurationOnly パラメータを使用します。

    Move-Mailbox contoso\john -ConfigurationOnly -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database"
    
  • 次のコマンドに示すように、Get-Mailbox コマンドを使用すると、移動するメールボックス オブジェクトをすべて取得して、それらのオブジェクトを Move-Mailbox コマンドにパイプ処理できます。

    Get-Mailbox -Database "First Storage Group\DB01" | Move-Mailbox -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database"
    
  • 既定では、Move-Mailbox コマンドは移動元のメールボックスを削除しません。新しい場所に移動した後で元のメールボックスを削除する場合は、次のコマンドに示すように SourceMailboxCleanupOptions パラメータを使用します。

    Move-Mailbox contoso\john -TargetDatabase TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -SourceMailboxCleanupOptions DeleteSourceMailbox
    
  • メールボックスの移動にタイムアウトの制限を指定するには、RetryTimeout パラメータを使用します。メールボックスの移動が指定した時間を超えると、移動は失敗し、移動中のメールボックスは元の場所から移動されないようにロールバックされます。既に移動されたメールボックスは、移動先に残ります。また、RetryInterval パラメータを使用して、メールボックスの状態に関する情報を表示する間隔を指定することもできます。以下に例を示します。

    Move-Mailbox -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -Identity contoso\john -RetryTimeout 1:00:00 -RetryInterval 5:00
    
  • 移動後のメールボックスで受信者ポリシーを維持しない場合は、IgnorePolicyMatch パラメータを使用します。以下に例を示します。

    Move-Mailbox -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -Identity contoso\john -IgnorePolicyMatch $true
    
  • 移動先のメールボックスに移動するメッセージをフィルタ処理する場合は、AttachmentFilenamesExcludeFoldersIncludeFoldersContentKeywordsSubjectKeywordsAllContentKeywordsLocaleStartDate、および EndDate の中から任意のフィルタ パラメータを使用できます。以下に例を示します。

    Move-Mailbox -TargetDatabase "First Storage Group\Mailbox Database" -Identity contoso\john -AttachmentFilenames *.doc -ExcludeFolders \Inbox\Personal,\Inbox\OldProjects -ContentKeywords merger -SubjectKeywords Important
    

構文およびパラメータの詳細については、関連トピック「Move-Mailbox (RTM)」を参照してください。

詳細情報

メールボックスの移動ウィザードおよび Move-Mailbox コマンドレットを使用するシナリオの詳細については、「メールボックスの移動」を参照してください。

Get-Mailbox コマンドレットの構文およびパラメータの詳細については、関連トピック「Get-Mailbox」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。