DSN メッセージのトランスポート ルールとの関連付け

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1, Exchange Server 2007

トピックの最終更新日: 2006-11-27

ここでは、Microsoft Exchange Server 2007 によって、配信状態通知 (DSN) コードおよびメッセージが、ハブ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータ上の RejectMessage トランスポート ルールのアクションにどのように関連付けられるかを説明します。

実行に役立つ Exchange 2007 ハブ トランスポート サーバー上で動作するトランスポート ルールのアクションの 1 つに、構成した条件を満たすメッセージの拒否があります。メッセージが拒否された場合、配信不能レポート (NDR) が送信者に返され、元のメッセージは削除されます。トランスポート ルールの詳細については、「トランスポート ルールの概要」を参照してください。

Exchange 2007 では、カスタマイズした DSN を作成することにより、送信者に返される NDR の内容をカスタマイズできます。カスタマイズされる内容には、ポリシー情報、特定のトラブルシューティングまたは連絡先情報など、NDR の受信者に送信する情報を含めることができます。DSN メッセージをカスタマイズする方法の詳細については、「配信状態通知の管理」を参照してください。

note注 :
ここでは、RejectMessage トランスポート ルール アクションについて説明します。RejectMessage は、NDR メッセージを送信者に送信し、元のメッセージを削除するトランスポート ルール アクションを選択するために Exchange 管理シェルで使用される識別子です。同じトランスポート ルール アクションを Exchange 管理コンソールで選択するには、[拡張状態コードを付けて送信者にバウンス メッセージを送信する] トランスポート ルールのアクションを選択します。

RejectMessage トランスポート ルール アクション

DSN メッセージとトランスポート ルールを関連付けるには、ハブ トランスポート サーバー上で RejectMessage トランスポート ルール アクションを持つトランスポート ルールを作成する必要があります。RejectMessage トランスポート ルール アクションでは、以下のプロパティを指定できます。

  • [拒否理由]   このプロパティで指定されるテキストは、NDR の [管理者向けの診断情報] セクションに表示されます。
  • [拡張状態コード]   拡張状態コードは、DSN コードを参照するもう 1 つの方法です。このプロパティで指定される拡張状態コードは、RejectMessage トランスポート ルール アクションを、NDR のユーザー情報セクションに表示する DSN メッセージと関連付けます。このプロパティには、5.7.1 または 5.7.10 ~ 5.7.999 までの値を指定できます。

RejectMessage トランスポート ルール アクションを持つ新しいトランスポート ルールを作成すると、Exchange 2007 により、DSN メッセージ一覧で、拡張状態コードの RejectMessage プロパティで指定されている値と一致する DSN コードが検索されます。一致する DSN コードが見つかった場合、Exchange 2007 は自動的に DSN メッセージをトランスポート ルール アクションに関連付けます。一致する DSN コードが見つからない場合は、トランスポート ルールの作成時に "No customized DSN text is configured for the enhanced status code '5.7.xxx'. You can use New-SystemMessage to configure DSN customization." という警告が表示されます。

note注 :
5.7.1 以外の DSN コードを指定する場合は、その DSN コードと関連付けるためのカスタマイズした DSN メッセージを作成する必要があります。一致する DSN コードが存在しない場合、Exchange 2007 は 5.7.0 DSN コードを使用します。

図 1 は、Exchange 管理コンソールで [トランスポート ルールの編集] インターフェイスを使用して、倫理的境界を適用するようにトランスポート ルールを構成する方法を示しています。次の手順を実行して、RejectMessage トランスポート ルール アクションを構成します。

  1. [配布リストおよび配布リストのメンバの間の場合] 条件を選択し、トランスポート ルールを適用する配布グループを選択します。たとえば、図 1 では、この条件と共に使用するために Sales Group 配布グループと Brokerage Group 配布グループが選択されています。
  2. [拡張状態コードを付けて送信者にバウンス メッセージを送信する] トランスポート ルール アクションを選択し、拒否理由として表示するテキストを入力します。NDR のユーザー情報セクションで特定の DSN メッセージを提供する場合は、DSN コードを変更します。たとえば、図 1 では、拒否理由として "管理者向けの診断情報" セクションに表示されるテキストが入力されており、DSN コードが 5.7.228 に変更されています。DSN コードは、後の図 2 に示されているコマンドによって作成される新しいカスタマイズした DSN メッセージと関連付けられます。

トランスポート ルール ウィザードを使用した倫理的境界の作成

トランスポート ルールを作成する方法および倫理的境界を構成する方法の詳細については、以下のトピックを参照してください。

DSN メッセージの関連付け

New-SystemMessage コマンドレットを使用して、DSN コードを基にするカスタマイズした DSN メッセージを作成します。カスタマイズした DSN メッセージが作成されると、Exchange 2007 では、DSN コードを使用して DSN メッセージとトランスポート ルールを自動的に関連付けます。カスタマイズした DSN メッセージの DSN コードは、RejectMessage トランスポート ルール アクションで指定される DSN コードと一致する必要があります。同じカスタマイズされた DSN コードを持つ RejectMessage トランスポート ルール アクションを複数のトランスポート ルール アクションに追加した場合、これらのトランスポート ルールによって生成される NDR には同じ DSN メッセージが表示されます。

note注 :
5.7.1 DSN コードに関連付けられている既定のテキストを変更する場合は、New-SystemMessage コマンドレットを使用して新しいカスタマイズした DSN メッセージを作成する必要があります。ただし、5.7.1 DSN コードに関連付けられている既定のテキストを変更すると、5.7.1 DSN コードが使用される場合は常に新しいテキストが表示されます。このため、特定のトランスポート ルール アクション用の新しい DSN コードを作成することをお勧めします。

図 2 は、Exchange 管理シェルで次のコマンドを実行した結果を示しています。

New-SystemMessage -DsnCode 5.7.228 -Language En -Internal $True -Text 'Sending messages between the Sales and Brokerage groups is prohibited by policy #123. For more information, see <a href="http://intranet.contoso.com/policy.html#123">Compliance Policy 123</a>.'

この例の New-SystemMessage コマンドは、前の図 1 で示したように倫理的境界を適用するように構成されたトランスポート ルールと共に使用するための新しいカスタマイズした DSN メッセージを作成します。

Exchange 管理シェルを使用した DSN メッセージの作成

note注 :
図 2 の DSN メッセージは英語で作成されました。ただし、カスタマイズした DSN メッセージを他の言語で作成したり、英語を完全に削除したりすることができます。DSN メッセージで使用できる言語の詳細については、「システム メッセージでの使用がサポートされるロケール」を参照してください。

カスタマイズした DSN メッセージを作成する方法の詳細については、「配信状態通知の管理」を参照してください。

カスタマイズした DSN メッセージを持つ NDR の例

トランスポート ルールを作成し、RejectMessage トランスポート ルール アクションに指定した値と一致する DSN コードを持つ新しいカスタマイズした DSN メッセージを作成した後、Exchange 2007 は、そのトランスポート ルールによってメッセージがブロックされる送信者に NDR を送信できます。

図 3 は、Brokerage Group のメンバである Kim Akers に送信された NDR を示しています。Kim Akers は、Sales Group のメンバである David Simpson にメッセージを送信しようとしたために、NDR を受信しました。Brokerage Group と Sales Group の間に倫理的境界を適用するためのトランスポート ルールが作成されていました。このトランスポート ルールは、これらのグループのメンバが互いにメッセージを送信できないようにします。

このトランスポート ルールの構成を図 1 に示します。

DSN コード 5.7.228 を持つカスタマイズした DSN メッセージを作成するために使用されたコマンドと、Kim が NDR を受信した理由に関する情報は、図 2 に示されています。

また、図 3 の DSN メッセージは、関連する企業準拠ポリシーへのリンクを示しています。このリンクをクリックすると、2 つのグループ間での通信を禁止するポリシーを参照することができます。

倫理的境界に生成された NDR

詳細情報

トランスポート ルールの詳細については、以下のトピックを参照してください。

DSN メッセージの詳細については、以下のトピックを参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。