Set-TransportConfig

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2009-07-13

Microsoft Exchange Server 2007 組織全体のトランスポート構成の設定を変更するには、Set-TransportConfig コマンドレットを使用します。

構文

Set-TransportConfig [-ClearCategories <$true | $false>] [-Confirm [<SwitchParameter>]] [-DomainController <Fqdn>] [-DSNConversionMode <UseExchangeDSNs | PreserveDSNBody | DoNotConvert>] [-GenerateCopyOfDSNFor <MultiValuedProperty>] [-HeaderPromotionModeSetting <NoCreate | MayCreate>] [-Instance <TransportConfigContainer>] [-InternalSMTPServers <MultiValuedProperty>] [-JournalingReportNdrTo <SmtpAddress>] [-MaxDumpsterSizePerStorageGroup <ByteQuantifiedSize>] [-MaxDumpsterTime <EnhancedTimeSpan>] [-MaxReceiveSize <Unlimited>] [-MaxRecipientEnvelopeLimit <Unlimited>] [-MaxSendSize <Unlimited>] [-TLSReceiveDomainSecureList <MultiValuedProperty>] [-TLSSendDomainSecureList <MultiValuedProperty>] [-VerifySecureSubmitEnabled <$true | $false>] [-VoicemailJournalingEnabled <$true | $false>] [-WhatIf [<SwitchParameter>]] [-WritingBrandingInDSNEnabled <$true | $false>] [-Xexch50Enabled <$true | $false>]

解説

Set-TransportConfig コマンドレットは、Exchange 2007 組織全体に適用された電子メール トランスポート設定の構成情報を変更するときに使用します。

Set-TransportConfig コマンドレットを実行するには、使用するアカウントに Exchange 組織管理者の役割が委任されている必要があります。

エッジ トランスポート サーバーの役割がインストールされているコンピュータで Set-TransportConfig コマンドレットを実行するには、そのコンピュータのローカルの Administrators グループのメンバであるアカウントを使用してログオンする必要があります。

Exchange 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

パラメータ

パラメータ 必須かどうか 種類 説明

ClearCategories

省略可能

System.Boolean

このパラメータは、コンテンツ変換時に Microsoft Office Outlook の分類を消去するかどうかを指定します。既定値は $True です。

Confirm

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

Confirm パラメータを指定すると、コマンドの処理が一時停止します。処理を続行するには、コマンドの処理内容を確認する必要があります。Confirm パラメータで値を指定する必要はありません。

DomainController

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Fqdn

この構成の変更を Active Directory ディレクトリ サービスに書き込むドメイン コントローラの完全修飾ドメイン名 (FQDN) を指定するには、コマンドに DomainController パラメータを含めます。DomainController パラメータは、エッジ トランスポート サーバーの役割を実行するコンピュータではサポートされません。エッジ トランスポート サーバーは、ローカルの ADAM インスタンスのみに読み取りと書き込みを行います。

DSNConversionMode

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.DSNConversionOption

DSNConversionMode パラメータは、以前のバージョンの Exchange または Exchange 以外のメッセージング システムによって生成された DSN が Exchange でどのように処理されるかを制御します。このパラメータには、次のいずれかの値を指定できます。

  • UseExchangeDSNs
  • PreserveDSNBody
  • DoNotConvert

既定では、このパラメータは UseExchangeDSNs に設定されており、Exchange 2007 は DSN を Exchange 2007 DSN 形式に変換します。元の DSN に関連付けられていたカスタマイズ済みのテキストまたは添付ファイルは、すべて上書きされます。

このパラメータを PreserveDSNBody に設定すると、Exchange 2007 は DSN を Exchange 2007 DSN 形式に変換します。ただし、DSN メッセージ本文のテキストは保持されます。

このパラメータを DoNotConvert に設定すると、Exchange 2007 は DSN メッセージを変更しません。代わりに、Exchange 2007 はメッセージを標準メッセージとして配信します。

GenerateCopyOfDSNFor

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.MultiValuedProperty

このパラメータは、監視する配信状態通知 (DSN) コードを指定することにより、メールボックスにコピーする配信不能レポート (NDR) を制御します。監視する DSN の一覧を 1 つのハブ トランスポート サーバーとローカルの Exchange 2007 組織にある各エッジ トランスポート サーバーで構成する必要があります。

ハブ トランスポート サーバーでは、NDR は Microsoft Exchange 受信者に割り当てられているメールボックスにコピーされます。エッジ トランスポート サーバーでは、NDR は外部ポストマスタのアドレスに割り当てられているメールボックスにコピーされます。

DSN コードは、x.y.z の形式で、コンマで区切って入力します。既定では、以下の DSN コードが監視されます。

  • 5.4.8
  • 5.4.6
  • 5.4.4
  • 5.2.4
  • 5.2.0
  • 5.1.4

これらの DSN コードは既定で監視されますが、Microsoft Exchange 受信者または外部ポストマスタのアドレスに割り当てられたメールボックスがない場合、関連付けられた NDR は Microsoft Exchange 受信者または外部ポストマスタのアドレスにコピーされません。既定では、Microsoft Exchange 受信者または外部ポストマスタのアドレスに割り当てられたメールボックスはありません。

Microsoft Exchange 受信者にメールボックスを割り当てるには、Set-OrganizationConfig コマンドレットの MicrosoftExchangeRecipientReplyRecipient パラメータを使用します。外部ポストマスタのアドレスにメールボックスを割り当てるには、"Postmaster" という名前の新しいメールボックスを作成します。Exchange 組織の既定の電子メール アドレス ポリシーにより、postmaster@<権限のあるドメイン> という SMTP アドレスがメールボックスに自動的に追加されます。

HeaderPromotionModeSetting

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.HeaderPromotionMode

XHeaderCreationMode パラメータを使用して、Exchange 組織の外部から受信したメッセージのカスタム X ヘッダーに対して名前付きプロパティを作成するかどうかを指定します。次のいずれかの値を使用できます。

  • MustCreate   新しいカスタム X ヘッダーそれぞれに対して名前付きプロパティが作成されます。
  • MayCreate   認証済みの送信者から受信したメッセージの新しいカスタム X ヘッダーそれぞれに対して、名前付きプロパティが作成されます。未認証の送信者から受信したメッセージのカスタム X ヘッダーに対しては、名前付きプロパティは作成されません。
  • NoCreate   受信メッセージのカスタム X ヘッダーに基づく名前付きプロパティは作成されません。

Instance

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Directory.SystemConfiguration.TransportConfigContainer

このパラメータを使用すると、オブジェクト全体をコマンドレットに渡して処理することができます。このパラメータは、オブジェクト全体をコマンドレットに渡す必要があるスクリプトで使用されます。

InternalSMTPServers

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.MultiValuedProperty

このパラメータは、Sender ID フィルタおよび接続フィルタで無視する内部 SMTP (簡易メール転送プロトコル) サーバーの IP アドレスまたは IP アドレスの範囲の一覧を指定します。

JournalingReportNdrTo

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.SmtpAddress

このパラメータは、ジャーナリング メールボックスが利用できない場合に、ジャーナル レポートの送信先となる電子メール アドレスを指定します。既定では、このパラメータを空のままにすると、Exchange はジャーナリング メールボックスにジャーナル レポートを配信し続けます。

MaxDumpsterSizePerStorageGroup

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.ByteQuantifiedSize

このパラメータは、ハブ トランスポート サーバー上のトランスポート収集の最大サイズを指定します。既定値は 18 MB です。このパラメータの有効な入力の範囲は、02147483647 KB です。

値を入力するときは、値に以下の単位のいずれかを付加した形式で記述します。

  • KB (キロバイト)
  • MB (メガバイト)
  • GB (ギガバイト)
  • TB (テラバイト)

単位が付加されていない値は、キロバイトとして扱われます。

トランスポート収集を有効にするには、MaxDumpsterSizePerStorageGroup パラメータが 0 より大きい値でなければならず、MaxDumpsterTime パラメータが 00:00:00 より大きい値でなければなりません。

MaxDumpsterTime

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.EnhancedTimeSpan

このパラメータは、ハブ トランスポート サーバー上のトランスポート収集に電子メール メッセージを保存する期間を指定します。既定値は 7 日間です。値を指定するには、dd.hh:mm:ss の形式で期間として入力します。d = 日、h = 時間、m = 分、s = 秒です。このパラメータの有効な入力の範囲は、00:00:0024855.03:14:07 です。

トランスポート収集を有効にするには、MaxDumpsterSizePerStorageGroup パラメータが 0 より大きい値でなければならず、MaxDumpsterTime パラメータが 00:00:00 より大きい値でなければなりません。

MaxReceiveSize

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Unlimited

このパラメータは、組織内の受信者が受信できる最大メッセージ サイズを指定します。既定値は 10 MB です。値を入力するときは、値に以下の単位のいずれかを付加した形式で記述します。

  • KB (キロバイト)
  • MB (メガバイト)
  • GB (ギガバイト)

単位が付加されていない値は、キロバイトとして扱われます。このパラメータの有効な入力の範囲は、02097151 KB です。値として Unlimited を入力すると、組織の受信者が受信できるメッセージ サイズの制限が適用されません。

   このパラメータはエッジ トランスポート サーバーでは使用されません。エッジ トランスポート サーバーで構成されている送信コネクタと受信コネクタのメッセージ サイズの制限を使用する必要があります。これにより、サーバーで処理されるメッセージのサイズが制御されます。

MaxRecipientEnvelopeLimit

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Unlimited

このパラメータには、メッセージの受信者の最大数を指定します。既定値は 5000 です。このパラメータの有効な入力の範囲は、02147483647 です。Unlimited という値を入力した場合、メッセージの受信者数は制限されません。Exchange 2007 では、展開されない配布グループは 1 人の受信者として扱われます。

   このパラメータはエッジ トランスポート サーバーでは使用されません。エッジ トランスポート サーバーで構成されている送信コネクタと受信コネクタのメッセージ サイズの制限を使用する必要があります。これにより、サーバーで処理されるメッセージのサイズが制御されます。

MaxSendSize

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.Unlimited

このパラメータは、組織内の送信者が送信できる最大メッセージ サイズを指定します。既定値は 10 MB です。値を入力するときは、値に以下の単位のいずれかを付加した形式で記述します。

  • KB (キロバイト)
  • MB (メガバイト)
  • GB (ギガバイト)

単位が付加されていない値は、キロバイトとして扱われます。このパラメータの有効な入力の範囲は、02097151 KB です。値として Unlimited を入力すると、組織の送信者が送信できるメッセージ サイズの制限が適用されません。

TLSReceiveDomainSecureList

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.MultiValuedProperty

このパラメータは、相互トランスポート層セキュリティ (TLS) 認証を使用してドメインのセキュリティで保護された電子メールを受信するドメインを指定します。相互 TLS 認証を完全にサポートするには、以下の手順を実行する必要があります。

  • TLSReceiveDomainSecureList パラメータで指定したドメインからメッセージを受信する受信コネクタでドメイン セキュリティ (相互認証 TLS) と TLS 認証方法を有効にします。
  • TLSSendDomainSecureList パラメータを使用してドメインのセキュリティで保護された電子メールの送信先ドメインを指定します。
  • TLSSendDomainSecureList パラメータで指定したドメインにメッセージを送信する送信コネクタでドメイン セキュリティ (相互認証 TLS) を有効にします。

複数のドメインを指定する場合は、コンマで区切ります。TLSReceiveDomainSecureList パラメータまたは TLSSendDomainSecureList パラメータで指定するドメインでは、ワイルドカード文字 (*) はサポートされません。両方のパラメータの既定値は、空の一覧 ({}) です。

TLSSendDomainSecureList

省略可能

Microsoft.Exchange.Data.MultiValuedProperty

このパラメータは、相互 TLS 認証を使用してドメインのセキュリティで保護された電子メールを送信するドメインを指定します。相互 TLS 認証を完全にサポートするには、以下の手順を実行する必要があります。

  • TLSSendDomainSecureList パラメータで指定したドメインにメッセージを送信する送信コネクタでドメイン セキュリティ (相互認証 TLS) を有効にします。
  • TLSReceiveDomainSecureList パラメータを使用してドメインのセキュリティで保護された電子メールの送信元ドメインを指定します。
  • TLSReceiveDomainSecureList パラメータで指定したドメインからメッセージを受信する受信コネクタでドメイン セキュリティ (相互認証 TLS) と TLS 認証方法を有効にします。

複数のドメインを指定する場合は、コンマで区切ります。TLSSendDomainSecureList パラメータまたは TLSReceiveSecureList パラメータで指定するドメインでは、ワイルドカード文字 (*) はサポートされません。両方のパラメータの既定値は、空の一覧 ({}) です。

VerifySecureSubmitEnabled

省略可能

System.Boolean

このパラメータの有効な値は、$True または $False です。既定値は $False です。VerifySecureSubmitEnabled パラメータは、メールボックス サーバーのメールボックスからメッセージを送信している電子メール クライアントが、暗号化された MAPI 発信を使用しているかどうかを確認します。既定では、Outlook 2007 は暗号化された MAPI 発信を使用して Exchange 2007 メールボックスからメッセージを送信します。以前のバージョンの Outlook は、既定では、暗号化された MAPI 発信を使用せずに Exchange メールボックスからメッセージを送信します。VerifySecureSubmitEnabled パラメータの値が $True に設定されており、メッセージの送信に Outlook 2007 が使用されている場合、メッセージはセキュリティで保護されているとマークされます。メッセージの送信に以前のバージョンの Outlook が使用されている場合、メッセージは匿名としてマークされます。VerifySecureSubmitEnabled の値が $False に設定されている場合、すべての MAPI メッセージの発信はセキュリティで保護されているとマークされます。任意の MAPI クライアントを使用してメールボックス サーバーのメールボックスから送信されたメッセージは、暗号化された MAPI 発信かどうかをチェックされません。Exchange 組織で以前のバージョンの Outlook を使用する場合は、VerifySecureSubmitEnabled$False に設定する必要があります。

VoicemailJournalingEnabled

省略可能

System.Boolean

このパラメータは、ユニファイド メッセージング ボイス メール メッセージをジャーナリング エージェントでジャーナル処理するかどうかを指定します。既定値は $True です。

WhatIf

省略可能

System.Management.Automation.SwitchParameter

WhatIf パラメータには、オブジェクトに対して行われる操作をシミュレートすることを指定します。WhatIf パラメータを使用することで、実際に変更を加えずに、発生する変更内容を表示することができます。WhatIf パラメータで値を指定する必要はありません。

WritingBrandingInDSNEnabled

省略可能

System.Boolean

WritingBrandingInDSNEnabled パラメータは、Exchange によって生成される DSN に Exchange 2007 の製品名とバージョン番号が含まれるかどうかを指定します。

既定値は $True です。

Xexch50Enabled

省略可能

System.Boolean

このパラメータは、Exchange 2003 サーバーとの下位互換性のために Xexch50 認証を有効にするかどうかを指定します。既定値は $True です。

次のコードの最初の例は、DSN コードが 5.7.1、5.7.2、および 5.7.3 のすべての DSN メッセージをポストマスタの電子メール アカウントに転送するように Exchange 2007 組織を構成する方法を示しています。

次のコードの 2 番目の例は、ジャーナリング メールボックスに配信できないすべてのジャーナリング レポートを、電子メール アカウント journalingndr@contoso.com にリダイレクトするように Exchange 2007 組織を構成する方法を示しています。

Set-TransportConfig -GenerateCopyOfDsnFor 5.7.1,5.7.2,5.7.3
Set-TransportConfig -JournalingReportNdrTo journalingndr@contoso.com

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。