ノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムを構成する方法

 

適用先: Exchange Server 2007 SP3, Exchange Server 2007 SP2, Exchange Server 2007 SP1

トピックの最終更新日: 2010-05-03

ここでは、クラスタ連続レプリケーション (CCR) 環境をホストする Windows Server 2008 フェールオーバー クラスタに対して、Cluster.exe またはフェールオーバー クラスタ管理ツールを使用して、ノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムを構成する方法について説明します。

また、ノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムで使用するために、Microsoft Windows Server オペレーティング システムを実行しているスタンドアロン サーバーでファイル共有を作成し、セキュリティで保護する方法について説明します。

両方のノードをクラスタに追加し、クラスタ ネットワーク コンポーネントを構成した後で、フェールオーバー クラスタ クォーラムを構成する必要があります。特に、ファイル共有は別のコンピュータ上で構成してセキュリティを保護し、またクラスタがノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムを使用するように構成する必要があります。

開始する前に

この手順を実行するには、使用するアカウントに以下が委任されている必要があります。

  • クラスタ内の両方のノードにおけるローカルの Administrators グループのメンバシップ
  • ファイル共有マジョリティ クォーラムに使用するファイル共有に対する、最低限必要な共有フル コントロール アクセス許可

Microsoft Exchange Server 2007 を管理するために必要なアクセス許可、役割の委任、および権限の詳細については、「アクセス許可に関する考慮事項」を参照してください。

以下の手順を実行する前に、ノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムに使用するファイル共有を作成し、セキュリティで保護しておく必要があります。ファイル共有を作成していない場合、または正しくセキュリティで保護していない場合、以下の手順は実行できません。ファイル共有は、Windows オペレーティング システムを実行している任意のコンピュータでホストできます。ただし、クラスタ化メールボックス サーバーを含む Active Directory ディレクトリ サービス サイトでは、ハブ トランスポート サーバー上でファイル共有をホストすることをお勧めします。これにより、Exchange 管理者は、共有 (および共有をホストするサーバー) を完全にコントロールできます。このことは、高可用性を実現するために非常に重要な事項です。

これらの手順は、クラスタに 2 番目のノードが追加された後、クラスタ化メールボックス サーバーがインストールされる前に実行する必要があります。

最初の手順についての説明 :

  • <CMS 名> は、クラスタ化メールボックス サーバーの名前を示します (例 : E2K7CCR)。
  • <ディレクトリ> は、共有されているディレクトリへの完全パスを示します (例 : C:\ FSM_DIR_E2K7CCR)。
  • <VCO> は、クラスタを表す仮想コンピュータ オブジェクトです (クラスタ ネットワーク オブジェクト (CNO) とも呼ばれる)。VCO はコンピュータ アカウントであるため、VCO 名の末尾にドル記号 ($) を追加する必要があります。ドル記号を付けないと、次のエラーが表示されてコマンドが失敗します。"システム エラー 1332 が発生しました。アカウント名とセキュリティ ID の間のマッピングは実行されませんでした。"

上記のパラメータをコマンドで指定するときには、<> の文字を含めないでください (たとえば、<EXMBX1$> ではなく EXMBX1$ を使用します)。

手順

ノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムのファイル共有を作成し、セキュリティで保護するには、次の操作を行います。

  1. ファイル共有をホストするシステムのコマンド プロンプトで次のコマンドを実行して、共有で使用されるディレクトリを作成します。

    mkdir <Directory>
    
    note注 :
    次の名前付け規則をディレクトリ名に使用することをお勧めします。FSM_DIR_<CMS 名>
  2. 次のコマンドを実行して、共有を作成します。

    net share <shareName>=<Directory> /GRANT:<VCO>,FULL
    
    note注 :
    次の名前付け規則を共有名に使用することをお勧めします。FSM_<CMS 名>
  3. 次のコマンドを実行して、共有されるディレクトリにファイル システムのアクセス許可を割り当てます。

    cacls <Directory> /G BUILTIN\Administrators:F <VCO>:F
    

フェールオーバー クラスタ管理ツールを使用して、ノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムを構成するには、次の操作を行います。

  1. クラスタ内のいずれかのノードで、フェールオーバー クラスタ管理ツールを開きます。

  2. クラスタ ノードを右クリックし、[その他のアクション] を選択して、[クラスタ クォーラム設定の構成] をクリックします。クラスタ クォーラムの構成ウィザードが開始します。

  3. このウィザードをクラスタ内で最初に実行したときは、[開始する前に] ページが表示されます。次回からウィザードを使用するときにこのページを表示しないようにするオプションがあるので、代わりに [クォーラム構成の選択] ページが最初に表示される場合もあります。[開始する前に] ページが表示された場合は、ページに表示された情報に目をとおし、[次へ] をクリックして続行します。

  4. [クォーラム構成の選択] ページで、[ノードおよびファイル共有マジョリティ (特殊な構成を持つクラスタ用)] をオンにして、[次へ] をクリックします。

  5. 作成したファイル共有の汎用名前付け規則 (UNC) パスを、[共有フォルダ パス] ボックスに入力します。または、[参照] をクリックしてサーバーを参照し、サーバーにある使用可能な共有を表示します。UNC パスの入力ミスが発生しにくいので、サーバーと共有を参照することをお勧めします。[共有フォルダ パス] ボックスにファイル共有の UNC パスを入力した後、[次へ] をクリックします。

  6. 共有に対するアクセス許可が検証されます。共有へのアクセスに問題がある場合は、エラー メッセージが表示されます。共有へのアクセスに問題がない場合は、[確認] ページが表示されます。行おうとしている構成の変更を確認し、正しい場合は、[次へ] をクリックして変更を実行します。

  7. ノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムを使用するようにクラスタ クォーラムの設定が変更された後、[概要] ページが表示されます。概要情報を確認した後、[完了] をクリックしてウィザードを閉じます。

    クラスタ クォーラムを構成した後、Exchange 2007 をインストールする前にクラスタを検証することをお勧めします。クラスタの検証手順の詳細については、「フェールオーバー クラスタ構成を検証する方法」を参照してください。

Cluster.exe を使用してノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムを構成するには、次の操作を行います。

  1. クラスタ内のいずれかのノードで、コマンド プロンプト ウィンドウを開きます。

  2. 次のコマンドを実行して、既定のクラスタ グループ内にファイル共有監視リソースを作成します。

    Cluster.exe /cluster:<ClusterName> res "File Share Witness (UNCPath)" /create /group:"Cluster Group" /type:"File Share Witness" /priv SharePath=<UNCPath>
    

    たとえば、クラスタ名が Clus1 でファイル共有の UNC パスが \\server1\clus1 である場合は、次のコマンドを実行します。

    Cluster.exe /cluster:Clus1 res "File Share Witness (\\server1\clus1)" /create /group:"Cluster Group" /type:"File Share Witness" /priv SharePath=\\server1\clus1
    
  3. 新しいファイル共有監視リソースをオンラインにするには、次のコマンドを実行します。

    Cluster.exe res "File Share Witness (UNCPath)" /online
    
  4. ノードおよびファイル共有マジョリティ クォーラムと、以前に作成したファイル共有を使用するようにクラスタを構成するには、次のコマンドを実行します。

    Cluster.exe <ClusterName> /quorum:"File Share Witness (UNCPath)"
    

詳細情報

クラスタ連続レプリケーション (CCR) の詳細については、「クラスタ連続レプリケーション」、および「Windows Server 2008 でのクラスタ連続レプリケーションのインストール」を参照してください。

参照している情報が最新であることを確認したり、他の Exchange Server 2007 ドキュメントを見つけたりするには、Exchange Server TechCenter を参照してください。